事業内容および事業方針説明会
株主総会から15分程度の休憩を挟んで、掲題の説明会が開催されました。
当社HPには既に説明会資料がアップロードされておりますので(以下、開きながらご覧いただければと思います)、ここでは浦上社長からのお言葉の中で特に印象に残ったもの(資料には書かれていないもの)を中心に、項目に沿って記しておこうと思います。
グループ概要(P.4)
・概ね3~4の新規事業を常に走らせており、ある程度形になった段階で子会社を作る。
受賞歴・行政連携など(P.11)
・ESGで注目されており、リベラル系機関投資家に長期保有いただいている。それが株価がこの相場環境にも関わらず、踏みとどまっている理由であると考えている。
・FTSEのESG Rating「3.6」(上位20%)というのは、食べログの3.6くらいと考えていただければいいんじゃないかと(笑)
→ こういう冗談をたまに挟んでくるので、油断なりません(笑)
・エスプールはBtoBで一般的な知名度は低いが、株式市場・機関投資家には注目されている会社であり、真摯に事業に取り組んでいる企業であるということをご理解いただきたい。
これまでの経営の変遷(P.12)
・当社はリーマンショック時に債務超過に陥ったが、増資することなく自力で債務超過を解消した珍しい企業である。
障がい者雇用支援サービス(P.16)
・在宅勤務の定着により、オフィスに通っていた、掃除などを業務にしていた障がい者の方々の仕事が失われたことと、法定雇用率の引き上げがあり、新しい障がい者の方々の雇用の仕方を模索する動きが出、需要が伸びている。
[新規事業]広域行政BPOサービス(P.18,19)
・この事業が目下マイブーム。
・秋田県大仙市(イオンモール大曲)の自治体スマートカウンター(「みんなの」ス窓)は、平日夜まで、土日もOKということで、役所では時間帯的に難しい対応も可能。窓口+コールセンターで、窓口ではマイナンバーカードの取得申請手続等を行っている。
・シェアードBPOセンターは他にはないサービスで、先行してノウハウを蓄積できている。いくつかの県から誘致を受けており、手応えを感じている。
中期経営計画(営業利益)のローリングプラン(P.23)
・新規事業が育っており、達成可能と見ている。
・営業利益50億円の目標については、今期32億円が軽々と達成できれば+6億円/年は普通に行けるはず。
質疑応答(説明会分その1)
続きまして、事業内容および事業方針説明会での質疑応答です。
【質問1】
環境経営支援ビジネスは中長期的にどこまで伸ばすイメージか、課題も併せて教えていただきたい。
レポートへの業務移行はいいアイデアだと思う。
どうせなら統合報告書まで手掛けてみてはどうか?
⇒
日本はリサイクル・環境問題においては先進国ではないかと思う。
世界全体でCO2削減を言い出しているが、まずは想像以上に需要の大きいレポーティング業務をしっかりやりたい。
いろいろやりたいことはあるが、レポートは手間がかかる。
採用した方々はいわば素人で教育が必要ということもあり、当面はここに注力するしかない。
障がい者雇用に関して言うと、以前は罰金を支払えば許された環境にあったが、「お金を払っていればいいというのは、いかがなものか」という風潮が出、当社の事業もその恩恵を受けている。
CO2削減に関しても、その段階が来ると見ている。
クレジットを使ったカーボン・オフセットで安易に消すのは何事だと言われるような時代が来るのでは。
CO2削減プログラムをシェアリングするような仕組みについて、研究を進めている。
→ この方向性については、昨年の説明会でも言及されていましたね。
(追加質問)
バーチャル総会をしていただきたいと思う。
せっかく良い説明会をしていただいているので、シェアすることも大事。
YouTubeなり録画なり、検討いただければ。
⇒
費用の問題もあるかとは思うが、私個人はやっていいと考えている。
ただこの説明会は、株主総会に来られた方のお楽しみという側面もある。
配信するにしても、ある程度端折った形になると思う。
【質問2】
1.ブルードットグリーンのTCFD関連での売上計上のイメージを教えて欲しい。次年度以降続くものか?競合は?
2.機関投資家と400件ミーティングを持ったとのことだが、「これは良い質問」と思うものがあれば教えていただきたい。
1⇒
(浦上社長)
CDP関連は一発、TCFD関連は毎月売上計上のイメージ。
どこまで要求されるかによって、契約内容はまちまち。
2年目、3年目はお客様もコツをつかんでくるので、金額は落ちていく。
頼まれればずっと継続していくことになろうが、継続率が高くなるように頑張って参りたい。
(荒井取締役)
CDP関連は期間3ヶ月、2百万円くらい。
7,8月に一気に売上計上する形で、前期は53社の実績。
TCFD関連は半年間、毎月コンサル料をいただく形で、トータル5百万円くらい。
継続はCDP関連は多くなるのではないか。
TCFD関連は来年度以降どう継続に結び付けていくかだと思う。
CO2算定の部分については継続していくのではないか。
2⇒
(浦上社長)
IRミーティングのメインは荒井が行っている。
初回は私が入るが、ご質問の回答は荒井に任せたい。
(荒井取締役)
質問のレベルはまちまち。
どの質問が良かったかについては答えづらいものがあるので、どのように評価されているのかについてお伝えしておきたい。
やはり社会課題解決という面で評価を受けている。
こだわっていることは、障がい者雇用に関してほとんどの企業は助成金によって成り立っている一方、当社は助成金をいただかずに事業を継続させている点で、そこは高い評価をいただいている。
【質問3】
事業はドメスティックがメインであり、海外の進出についてフィージビリティ・スタディは進んでいるか?
社長を続けられているか分からないが、2030年に向けての見通しは?
⇒
社会課題解決で日本でやるべきことは、まだまだたくさんある。
分散するよりも日本に集中することが大事だと考える。
環境に関しては、シェアリングが有望。
どこの国でも仕組みが欲しいと思う。
可能性があるのかどうか、探っていきたい。
障がい者雇用に関しては、欧州の方が進んでいる。
途上国は法の整備がまず必要。
日本のやり方が通用するかどうか、チェックできていない。
新しい取り組みとしては、主に精神に障がいのあるパラアーティストを正社員として雇い、レンタルアートなどの事業を行う「COLORS」を発足させたところ。
こうした方々を雇用できている企業はまだ少なく、色々な特性に対応した仕事を増やしていきたい。
【質問4】
プライム市場に行かれるということで良いか?
⇒
その予定だ。
(続く)
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コメント
興味深く読ませていただきました。
こちら関西在住ですので、総会出席だけのためになかなか上京まではしにくいです。
そのため関西でのIRセミナー出席にとどめています。わりと毎年個人向けIRセミナーを実施してくれるのが嬉しいです。
が、やはり株主にパスワード配布をするなどしてでも、事後でも総会や説明会は配信はしてほしいかなとは思います。
関連内容
https://fusiminohikaru.net/archives/51365
https://fusiminohikaru.net/archives/51376
IRセミナーでの配布は和菓子です。これがわりとおいしいです。
エスプールは私自身の仕事の経験が投資につながった希有な例です。
ろくすけさん自身の印象等も含めてのいろいろな会社の総会報告は面白いので、またぜひ継続してください。
IRセミナーも頻繁にやっているんですね。
関西の和菓子もいいなあ。
私も仕事の経験からピンと来た企業は、投資も成功することが多い印象があります。
そういう貴重な機会は逃さないようにしたいですね。
総会報告は比較的自由に動ける私が皆さんにお役に立てる部分かと思いますので、
できるだけ継続していきたいと思います。