説明会の質疑応答の続きです。
質疑応答(説明会分その2)
【質問5】
ポートフォリオ経営に関してお伺いしたい。
障がい者雇用支援サービスが圧倒的に収益性が高く、色々な方面に手を伸ばして経営資源を分散させてしまうよりは、このサービスをより深掘りすべきという意見もあるかと考える。
全体のバランスの中で、この事業をどのように位置付けていくのか、お考えを聞かせていただきたい。
(私からの質問です)
⇒
障がい者雇用支援サービスについては、コンペティターが既に出てきている状況であり、今後値下がり・利益率縮小も無いとは言えず、10年も経てば陳腐化することもあり得なくはない。
収益性が高いからと言ってこのサービスを加速させていった場合に、足元をすくわれるのが怖い。
雇用の問題は非常にセンシティブで、そこが疎かになると事件・事故が起こり、定着率の低下を招きかねない。
無理して伸ばした場合のリスクを考える。
年+30~40%の現在のペースで十分ではないかと。
問題が起きないように目を行き届かせるためにも、1,000~1,500区間/年くらいでちょうどいいのではと考える。
ポートフォリオ経営に関しては、事業の陳腐化・コンペティターの出現といったものを踏まえると、常に新しいことを手掛けておきたいという考えが根底にある。
そして新規事業は会社の形にして、それぞれオーナーシップを持たせ、チャンスを与えてあげたいという想いもある。
優秀な人材を採用したい場合、新しいことにチャレンジできる環境をアピールすることが大事。
リスクヘッジ以外の要素も多分にある。
→ 浦上社長のグループの永続的な成長を視野に入れたお考えを伺うことができました。述べられていませんが、過去債務超過に陥ったトラウマもあるのだと思います。個人的には、事業分野がただ拡散する方向に行ってしまう懸念もあるので、一方ではそれぞれの事業の見極めを行いながら、メリハリをつけていくことも大事なのではと考えます。
【質問6】
地域活性化の勉強会を主催している者だ。
農園事業については県会議員を始め関心が高い。
他にも広域BPOや台湾向けの物流等々、興味深い事業を手掛けられているので、お話を伺っていきたい。
⇒
色々と連携させていただければと思う。
先ほどお話をさせていただいた「COLORS」にも着目していただければ。
欧州では既にやられているが、レンタルアートに障がい者の雇用ポイントが付けられれば面白い。
例えば多店舗展開の飲食店ではなかなか障がい者雇用が難しい面があるが、店舗に飾る絵を通してそれを解決できる手段を提供できることになる。
【質問7】
障がい者だけでなく、引きこもりに対して何らかの支援はやっているか?
⇒
現状やっていない。
障がい者については、行政と連携しつつ、特別支援学校から色々な声を頂いてリクルーティングする形で進めている。
一方、引きこもりの原因は色々で、それに対応した仕組み作りはできていない。
【質問8】
人材確保の状況について教えて欲しい。
派遣業界・コールセンターの今後の見通しも含めて。
⇒
派遣スタッフの人材確保には困っていない。
コロナ禍で仕事が無くなった方が多く、むしろいい人が採用できている状況。
大卒正社員・中途に関してもコロナの影響は受けていない。
内定者のほとんどがインターンシップを経ており、現場を体感いただいている。
事業内容からして、優秀な人材・感度の高い人材が集まりやすい業種であると考えている。
【質問9】
離職率の状況について教えて欲しい。
⇒
(浦上社長)
正確な数字は頭に入っていないが、新卒の離職は50人いて1ケタ、昔は半分いた。
中途に関してはスポット的な仕事などもあって何とも言えないが、コールセンター等は入れ替わりが激しく、本社は辞めない傾向はある。
(荒井取締役)
離職率は全社で14.9%(その前は12.6%)、ホームページにも記載している(→CSR/ESGデータとして記載されていました)。
新卒は3年で3割が辞めるとよく言われるが、この業界にあって健闘している方だと思う。
長期的に働ける仕組み作りに注力している。
復職の受け入れを推奨する「ブーメラン制度」があり、復職後に執行役員になった者もいる。
女性の子育てにも柔軟に対応している。
また持株会制度にも特徴がある。
会社による補助率は平均7.8%のところ、当社は奨励金100%(!)を付与している。
年間上限70万円の奨励金で、この場合70万円の自己負担で140万円分の購入ができることになる。
若い方でもそれなりに資産形成ができているはずだ。
長期的に働ける仕組みは、持株会以外にも充実させている。
【質問10】
少子高齢化が進む中、外国からの技能実習生や高齢者に特化した人材アウトソーシング事業には取り組んでいるのか?
⇒
外国人に関してはやっていない。
低賃金で働かせるようなことが問題となっている中で、あえてそこに飛び込んでいってブランディングを崩すようなことはしない。
現状で利益率も高いし、わざわざそこに行かなくていい。
高齢者に関しては一応やっているが、伸びていないのが現状。
顧問派遣を7年くらいやっているが年間3~4億円に留まっており、うちの中では小さい。
ただ優秀なシニアを集められることは、エスプールのグループ内で仕事をお願いするためのリクルーティングの手段として役立っている。
【質問11】
障がい者雇用は定着化していると聞いているが、安定した教育などをどのように行っているか?
⇒
当社の場合は知的障がい者が7割を占めるが、動作がどうしても遅くなるという特徴がある。
あまり収益や生産性を求めないことが大事。
できた野菜を美味しく食べていただくという、福利厚生に留めておくのが得策。
利益を上げるべく頑張らせると、辞めてしまう。
ノルマを付けて働かせるのは止めるべきと考える。
また密閉された空間では、DV的なものが問題となる。
何社かで共同で農園を運用することで、隣の会社の眼が抑止力となる。
加えて障がい者のリクルーティングの時点で、特別支援学校での履歴も重視する。
ケンカやいざこざが発生しないよう、グループ分けにおいて十分配慮する。
→ この辺りの細かいノウハウにも、一日の長がありそうです。
【質問12】
OMUSUBI(採用支援アウトソーシングサービス)の現況を教えていただきたい。
⇒
利用は150社くらいで、月5万件の応募をさばいている状況。
コロナ禍で落ち込むかと思えば、飲食店が3割に留まっていることもあり、スーパーなどの残り7割でそれほどひどいことにはなっていない。
最近は応募が少なくなっている?と感じることもあるが、面接代行等で何とか維持できている。
まん防が開けた、書き入れ時である3・4月での活性化に期待したい。
新規のお客様は増えている。
今は防戦一方だが、今後成長ステージに入ってくれればと思っている。
【質問13】
毎年可愛くって、センスが良くて、美味しいお土産をありがとう。
ちゃんと選んでいただいている印象を受けている。
⇒
三越で列が出来ている、バターたっぷりのフィナンシェを今回選んだ。
東京の会社なので、その中で手に入りにくいものを選ぶように心がけている。
(続き)
皆さん親切だし、株価もいつの間にか素晴らしく上がっている。
他の銘柄のマイナスを全て埋めていただいているほどで、大変感謝している。
優待などやらずにあくまで中身で勝負ということで、これからも頑張っていただきたい。
⇒
大変励みになる。
これからも頑張らせていただく。
本日は農園(アイキャッチ画像のわーくはぴねす農園ですね)の野菜を20袋用意させていただいた。
全員の分を用意できなかったのは申し訳なく思うが、ぜひ持ち帰っていただければ。
【質問14】
北海道の拠点数が減っているように見受けられるが、その事情は?
⇒
ここしばらく事務所は閉めていない。
同じ場所にグループ内で複数の機能を持たせたりしているので、カウントの仕方でもしかしたら減ったように見えたのかもしれない。
以上で説明会終了です。
10時スタートの株主総会から、もうすぐ3時間(13時)というところで閉会となりました。
所感
前回同様、情報量の大変多い総会&説明会でした。
質疑の内容も多岐にわたり、浦上社長の事業の方向性に対するお考えもよく理解できました。
中期経営計画の遂行に関しても、これまで以上に安心して見守ることができそうです。
評価としては満点を付けても良いのですが、株主総会の方はもう少し効率化して全体の時間を短縮できるかな(お腹空いた…)とも感じましたし、出席できない方々への対応にも課題が残りましたので、今後への期待も込めて厳しめに今回は★★★★☆とします。
おまけ
お土産は、わーくはぴねす農園でとれた ちりめんちしゃ(葉レタス)と、カレンダー、洋菓子です。
ちりめんちしゃは、焼肉に巻いたのと、シーザーサラダに使いました。
ノワ・ドゥ・ブールのフィナンシェ。
ジュワッ!とした贅沢な食感がたまらない一品でした。
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