記憶があいまいにならないうちに、皆さんお待ちかねの日本電産の株主総会の記録を先に残しておこうと思います。
今回が初参加となります。
やはり生の「永守節」を、一度は直に拝聴したかったというのがありまして。
とにかく永守会長はマシンガンのようにまくし立てられるので、メモが追い付かず随所に抜け落ちがあり、話の流れに鑑みて私の言葉で補っている部分もあるのですが(申し訳ありません)、できるだけ臨場感のある書き方をしていきたいと思います。
株主総会
私が到着したのが9:30頃だったのですが、その5分ほど後に250ほどあった席は満席になりました。
第二会場も設営されており、質問された方の受付番号からしておそらく参加者は500人近くにはなったのかと思います。
議長は関社長。
話をされる時はマスクを外されていました。
監査報告は簡潔に済ませ、事業報告もビデオで概略のみ。
総会のメインはこのパートにはないことを、会社側もよく分かっていらっしゃいます。
(議案については、別のエントリーで)
ここまでで17分と、アッサリです。
「戦略と展望」
ここからは日本電産の「戦略と展望」についての説明となりますが、実質的には永守会長による大独演会のお時間でした。
以下、お楽しみいただければと思います。
(永守会長)
社長が議長ということで、私がこういう場で話でもさせていただかないと皆さんも寂しいでしょ?
この二年はコロナだから総会には来るなって言っていたのに、たくさん来ていただいて大変迷惑でしたわ(会場笑)
おかげさまで、ようやく会場も元に戻りました。
会社は順調に成長しております。
論点としては、かつて良かったパソコン等が無くなっている一方、車などに広がってきていることがあります。
今期は(売上高は)軽く2兆円オーバー、次は4兆円ですわ。
ほら吹き、大風呂敷などと言われて、去年は怒り狂ったわけですが、ちゃんと結果は出しとります。
投資すべきところは投資しなければあきまへん。
種をまかんと花は咲きまへん。
株価は下がっているが、種をまく時くらいは静かにしてもらわんと。
今は株の買い時ですよ!
NYやらメタメタですが、こんなチャンスはあらへん。
こういう時に買わんとアカンのですよ!
安く買って高く売るのが株。
長期で持ってもらったら必ずリターンがある。
そういう事業ですよ。
最近でも新しい事業を手掛けている。
工作機械ね。
あと電気自動車のメインのエンジン。
電気自動車のモーターには「走る」「曲がる」「止まる」の三つの機能があるが、「曲がる」「止まる」はすでにわれわれが世界No.1。
「走る」は中国は27%でトップ、次がヨーロッパ。
日本は遅れているね。市場は小さいけど。
これも世界一になりますよ。
ロボットももの凄く伸びている。
ファナックのセンサーは、我々が100%のシェア。
5年先、10年先でどのようになっているかを考えて新しい分野に出ていく。
(EV用トラクションモータシステム)「E-Axle」は2025年に分水嶺に来て、そこからもの凄い勢いで伸びる。
セルビアで大工場を作ってますよ。
早く作って待ち伏せ。
こういう判断ができるのはうちしかない。
だいたいよそは会議に時間がかかってグダグダ、うちは3秒ですから(会場笑)
歯車工作機械の三菱重工工作機械を買った。
独占禁止法だなんだ言われたが、あんたが買わないのが悪い。
巻線機もしっかりやります。
これから数年先、グアーッとやります。
世界のEVの保有台数は1,000万台だが、8,000万台のマーケットがある。
世界の工場を見ていると、若い人が車を欲しがっている。
電気自動車は安くなるんですよ。
中国の40万円のEVはバカ売れ。
当然うちのやつを使っている。
欲しい人は5~6億人はおるんです。
そこで航続距離600~1,000kmのものを作るバカがどこにおる?
一日100kmも走れば十分、小さな車で十分。
夜寝ているうちに充電しておけばいいんですよ。
アフリカ、南米にも売れる。
電気の車は安いですから。
だいたいね、大丸の屋上なんかで走ってたやつと原理は一緒ですから(会場笑)
これから先、工場は無人ですわ。
人間そっくりのロボットが出てくる。
それには1台600個ものモーターが必要。
モーターの前途は明るいなんてもんじゃない、ヤケドしますぜ!?(会場笑)
5年、10年、30年先を見て新製品を出していく。
それに関連する半導体を作りますよ、うちは。
ですからね、今が買いだ!っていうことなんですよ。
これから上がります。
株主総会もね、株価が下がる時を選んでやっているんですよ(会場爆笑)
後継者問題も週刊誌を賑わせていますけどね、あれはほとんどウソ。
そういうことも書いてもらえるだけの会社になったということ。
会社は健全に成長している。
株価のほうはね、他の会社がみんな下がっている時にうちだけ上がるわけにはいかないというだけ。
だからチャンスなんです。
社長は見習い。今教えているところで、これからの男です。
先を見て買わないといかんのですよ、株は。
今年もいい年になると思いますよ。
オートバイ、船、飛行機も全部モーター。
あらゆるところに投資しているからこそ成長する。
来年創業50周年を迎える。
社名も変えて、世界中全部Nidecになる。
京都先端科学大学(理事長は永守会長)の系列の幼稚園がある。
そこにいた子供がバッジを見て、「あ、Nidecや!」と。
さすがにええ教育がされているなと思ったら、お父さまが社員でしたわ。
ナンピンしてでも買いです。
株を一番持っているのは私であり、株主のことを考えないわけはない!
(社長の方を見て)こちらは全然持ってないんですがね。
90歳以下で死んだ人間は親戚におらへん。
長生きのDNAがある。
まだまだやりますよ。
あんまりしゃべり過ぎるとまた言われるだろうけど、ここで久しぶりに話をさせてもらえる機会には元気な姿を見せないとね。
でも質疑応答では、社長にまず質問してやってください。
日本電産はまだ三合目です。
今後ともぜひよろしくお願いします(会場拍手)
(関社長)
会場の皆さまは元気をもらえたと思います。
ご料金をいただきたいくらいです(笑)
永守会長は世間に伝わるイメージそのまんまというか、生の迫力はそれ以上でしたね。
この後はいよいよ質疑応答となります。
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