質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質問は基本的には北村社長が答えておりました。
社長としては最後の株主総会になることもあって、大変印象的なやりとりがありました。
Q
高齢なので原稿を読ませていただく。
私は隣町に住む、もうすぐ88歳の元建築士。
若い時に杭打ち機の騒音で周りに迷惑をかけていたが、御社の存在を知り心底惚れて株主になった。
今やTVやYouTubeで紹介されるまでになり、地元では数少ない上場企業として国内外で活躍されている。
社長はさながら坂本龍馬のようだ(会場より拍手)。
書籍で世論に訴えられていたが、国は強靭化予算を使い安心させるべきだ。
その後国や国民の反応はどうか?
また社長は退任されると聞いた。
社長の心に残る重要な工事はどれか、また受注した時の裏話なども聞かせていただきたい。
→ 質問を聞きながら、前田みか常務(現専務)が涙ぐまれていたのがとても印象的でした。
A
どこも手をつけられないことができるのは、何より技術力だと思う。
打ち込んだ杭の上を道にする、基盤にする。
そんなことは世界のどこもやっていない。
だからこそオランダに認められた。
自分ではノーベル賞ものだと思っている。
科学で見て、喜ばれることに取り組んできた。
経営を勉強しているわけではないが、世の中は原理原則によって成り立っていると思っている。
科学が原理原則に近いと思って経営してきたことが、機械・工法の開発につながり、皆さんのお役に立てていると思う。
「国土崩壊」の反応についてだが、河川局のトップは気が付いている。
応援してくれる人も増えている。
現状は「上の上の方」が難しい。
ただ考え直す方向には近付いているように思う。
これも皆さんのおかげだ。
Q
3つある。
1.高知・南国はインプラントを導入したが、吉川・夜須も導入いただきたいと、香南の清藤市長に懇談会の場で要望を出した。
国の直轄事業化を実現したいという話だった。
技研さんが工事を取れるよう動いていただきたい。
2.第三工場の基礎杭についての考え方をうかがいたい。
また博物館を移されると聞いたが、いつ頃できるのか?
香南の市会議員を誘い、見学会に足を運びたい。
3.同級生の久松さんに、社外取締役就任にあたっての抱負をうかがいたい。
→ 地方の建設関連企業ならではの質問ですね。
A
1.あの辺りは津波が来たらイチコロだ。
物部川を遡上してくるから、鋼材を打ち込んで食い止めなくてはいけない。
国直轄でないと県には予算が無いので難しいが、そのように持っていくと思う。
事情を良く知っている副社長から説明させていただきたい。
(森部副社長)
高知では次にどこにするかということで、香南市の吉川からの堤防が脆弱なため、計画を立てていると聞いている。
当社も提案し、応援していきたい。
2.(ジャイロプレス工法を基礎杭に適用した)赤岡の第三工場についてだが、地震に抵抗してはだめだという考えに基づいている。
揺れるように任せなさいというのが、私の耐震・免震に対する考え方。
人が死なないことを第一に考える。
博物館については、認可が下り次第。
来年の5月頃になると見えてくる。
一般公開もしたい。
3.後で本人より挨拶させていただく。
Q
1.菅政権は前例踏襲を打ち破る意味でチャンスだと思うが、どのようにお考えか?
2.中国に踏み切れない理由を教えていただきたい。
A
1.河野大臣は行政改革をやると言っているが、どこまでやれるか見ものだ。
今3年くらいかかる申請が、3か月くらいでできるようにならないかと願う。
今度の政権で変わってもらったら嬉しいし、また変えてもらわないといけない。
2.国営企業で上海トンネルという、基礎部門では世界の雄とも言える企業から白羽の矢が立った。提携してくれと。
ただ私は「先に金をくれ」と言った。
案の定、「ノウハウや形がないものには金が出せない」という反応だったので、「じゃあダメ」ということで断った。
中国だと真似されることが分かり切っているから、先にもらったお金で開発をしようというわけだ。
まあ、こんな感じでご理解いただきたい。
Q
税負担が税引前当期利益に対し41%もある。払い過ぎでは?
国にとられるのは釈然としない。
理由を聞かせて欲しい。
A
(事務局)
日本国内は30%程度。
海外も低いが、損失のある会社がグループにあるので、連結ベースでは率が高く見えてしまうということ。
Q
39期にガクンと売上が落ちている理由を知りたい。
株価が5,000円を超えていたのに、一昨日で3,800円くらいになっていて凹んでいる。
40期以降の見通しを教えていただきたい。
何せなけなしのお金なので、ぜひともよろしく。
A
前期は「無理をするな」という指示を出した。
大手がどんどん赤字を出している状況なので。
その代わり、内部の改革をしようと。
赤岡しかり、テレワークしかり。
必ずV字回復できるという見通しを持っている。
今までは、メーカー、建設、それぞれがバラバラに動いていた。
これからは、企画・計画をして、トータルパッケージの形でグローバル・エンジニアリング企業として動いていく。
自律型で、世の中の景気に振り回されないような企業になる。
今はちょっと足踏みをしているけれども。
潜在的な需要は何十兆、何百兆とある。
例えばニューヨークでは不法駐車が甚だしく、活用されていない土地がたくさんある。
これを地下駐車場にしたらどうなるか。
やり方次第でいくらでも大きくなれる。
まあ、もうちょっと辛抱して下さい。
株価が上がらんと、皆さんより私が困るんだから(笑)
私のためにやっているようなもんですよ。
以上で質疑応答は終了。
面白かったですね。
この後の議案採択時の拍手は、これまで参加したどの株主総会よりも大きいものでした。
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