続いて質疑応答です。
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
基本的に森部社長が対応されていましたが(不慣れなためか、事務局からペーパーを渡される場面も度々)、途中ここぞという所では北村会長が代わる場面もありました。
【質問1】
1.従業員数+38名の狙いや意図は何か?
2.招集通知P.5の下から6行のフォントが大きくなっている。手違いなのか強調なのか、チェックはしたのか?
1⇒
会社の業態が広がってきていて色々な項目に対応していく必要があり、今後に備える意味合いで増やした。
2⇒
文字の強調はミスプリント。大変申し訳ない。
【質問2】
1.中期経営計画に関して。海外7割にしたいという10年後のイメージに向けてどうやっていくのか?
2.グローバルシェア9割とのことだが、競合メーカーはどこか?
1⇒
アムステルダムのような、プロポーザルによる受注の仕方を繰り返していき、それぞれの地域に根差していきながら、圧入工法の参入業者を増やしていきたい。
10年後の100億円については海外7割の方向でやっていきたいが、国内でもたくさん仕事がある。うまく調整していきたい。
2⇒
競合は国内1社、高知の会社で、中国にも似たような機械を製造している所がある。
ただし性能の違いに加えて、提供できる工法・ノウハウに圧倒的な差があり、今後も9割以上のシェアは確保できると見ている。
【質問3】
1.エコサイクルは津波などの水害にも対応できるのか?
2.株式分割に対するお考えを伺いたい。
1⇒
ハザードマップを確認しながら、そこに達しない形で遮水壁を設定することで対応できる。
2⇒
今すぐは考えていない。
中計に沿って一歩一歩ステップを踏みながら検討していく。
【質問4】
森部社長に代わられても、土堤原則の見直しなど国に言うべきことは言うスタンスは変わらないと思う。
ただその一方で、国や県に人脈を持つ森部社長ならではの理解者の増やし方もあるとも考えるが、国とのコミュニケーション面において北村会長時代からの変化はあるか?
(私からの質問です)
⇒
北村会長に課題提起をしていただき、大きな影響もあった。
国交省の方からの関心も高い。
河川関係では、ほぼ全ての方に本(『国土崩壊 「土堤原則」の大罪』)を持っていただいている。
そこからどうするかは、私の仕事。
河川計画課、堤防の責任者、財務省の予算担当者、各所に私が直接話をさせていただくと、「北村会長の書いている通りじゃないか!」との反応をいただく。
壊れることを前提とした土堤を造り続けることはおかしいと、半分以上の方はそういう理解になってきている。
時間をかけながら変えていきたい。
→ 北村会長時代とはまた違った、行政との新しい関係が生まれることを期待しての質問でした。高知県庁出身で手の内を知り尽くした森部社長の、これからの動きに注目したいです。次から北村会長も登場し、質疑はだんだんと面白くなっていきます。
【質問5】
NYマンハッタンに路上駐車があふれている中、昨年の総会で北村会長は全て我が社の駐車場に置き換えたいという意気込みを話されていた。その後の進捗はどうか?
⇒
(北村会長)
結論から言えば進んではいないが、予算もついたしアメリカはNYから変えていかないと。
路上駐車に問題があるだけではなく、橋もそうだがインフラ全てが古い。
車を除けないと整備ができないので、必然的に移設してインフラをやる時代が来る。
オランダもそうだが、当社でないとできないことがあり、これからそれを実証してみせる。
特に水についてはオランダが仕切っている中、その国の中ではできなくて当社の技術が認められた経緯がある。
NYも自分だちがやらねばと思っており、新しい技術を浸透させていく。
(森部社長)
私から補足させていただく。
NYは社員を増やした。
講習会を行うなど、工法提案を進めているところだ。
【質問6】
杭の品質向上が課題だと思っているが、監視体制はどうなっているのか?
⇒
インプラントNAVIという計測装置を開発、地中の杭の変位や傾きなどを取得できるセンサーも作り、遠隔で監視ができるようにした。
【質問7】
TVで御社のことが紹介されていた。
今後、TV・CMについてどのようにしていくお考えか。
株主や業界の方ならともかく、住民は御社のことを知らない。
知ってもらえれば、施工の際の同意も得やすいのでは?
⇒
(森部社長)
直接的なCMは検討課題だが、ウェブサイト、新聞、プレスリリースでは目にする回数も多いはずだ。
また赤岡の「RED HILL」は県民、国民、世界の皆様に公開するものであり、ご案内していくことにより認知の広がりを作っていきたい。
(北村会長)
圧入原理は非常に優れている。マイナス面がないくらい。
でもみんな知らんのですよ。
株主のみなさんは株価うんぬんじゃなくて、一緒になって広めてくれんといかんですよ。
(圧入工法は)初めてのことですから。
検証しているんですよ、色々と。
赤岡で全部やっとるんです。
百聞は一見に如かず。
自分の眼で見て、「こりゃいい」と判断してもらえれば良い。
そして株主のみなさんが一体となって圧入の良さを伝えてもらいたいんですよ。
(水害で)毎年100人が死んでいるのに、宇宙の話とかはっきり言ってどうでもいい。
土堤の技術なんてものは、3000年以上前のものですよ。
技術は日々更新している。
全産業を牽引するのが建設業というくらいでないといかん。
前例主義から新しいものへと変える。
思考革命をやらんといかん。
住民が立ち上がらんといかん。
みんなで新しい技術を入れていくので、株主のみなさんには応援をお願いしたい。
→ 北村節がさく裂しました。
【質問8】
私自身は小さな応援を続けている。紹介で2人株主になってもらった。
夢のある未来を考えている技研だからこそ、この技術と工法の上に、安心・安全を表現するソフト面において女性の考えを取り入れることを考えていただけないか。
現場の見た目が痛々しいこともある。
⇒
ご意見として承る。
当社の技術は、生活の安全や環境保全に資するものだ。
鋼材むき出しになっているものは施工途中のもので、住民と相談しながら進めているのでご心配には及ばない。
【質問9】
特定の技術で生きていく企業としては、スパイ等による技術の漏洩が心配だ。
どのように守っていくのか?
⇒
(北村会長)
私が答える。
圧入は高知のエジソンと呼ばれた垣内さんと私が実用化した。
機械を作るだけでなく、使って施工するのが技研の仕事。
機械だけだったら真似るのはできる。
地下の状況はそれぞれの場所によって違うが、それを知っていないとベストな対応はできない。
私らが実用化した後、大手含め26社が追っかけてきたが、結局モノになっていない。
地下は見えない。
可視化し、杭の先端の状況を見て打ち方を決めるというところまで私らはやっている。
そこまで来ているから、なかなか追いつけない。
今まで50年かかっているし、どんどん進化している。
私の作った言葉で「神経構造物」というものがあるが、センサーを使ってリアルタイムで報告させるところまで来ている。
トータルでこの業界を引っ張っていく。
よそに抜かされることは考えていない。
それ以上に開発を進めるだけだ。
ーーー
ここで閉会となりました。
1時間40分弱の長丁場。
最後に新任社外取締役と新任取締役からの挨拶がありました。
後者はフレッシュかつ高いモチベーションを持った面々で、将来的にも期待が持てそうだと感じました。
所感
最後のまとめも含め、「いごっそう」北村会長のご健在ぶりが確認できて良かったです。
そして紳士的な森部社長の内に秘めたる情熱を感じさせる発言も確認でき、このコンビはなかなかいい組み合わせだと改めて感じました。
足元はコロナ禍で特に海外はなかなか思うように活動できない部分もありますが、中長期的には国内外とも色々と楽しみな材料がありますね。
総会そのものの評価は、森部社長がちょっと不慣れな部分があったことも踏まえ、★★★★☆とします。
(おまけ)
この青いケースの中に、お土産の瓦煎餅が12枚入っておりました。
旅行鞄はこの分のスペースをあらかじめ確保しておくことを忘れないようにしたいと思います(笑)
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コメント
「事務局からペーパーを渡される場面も度々」というのはちょっと残念ですね。
私も他の総会で、議長さんが事前の台本通り読めず、何度も後ろにいる事務局のお姐さんに注意され訂正しているものに遭遇したことがありましたが「大丈夫かよ」と心配になったことがありました。もちろん最後の締めの総会参加のお礼も下向いたまま台本を読んでいて「なんかなぁ」でした。総会で社長さんたちの人柄や力量が見れていいものですね。ご報告ありがとうございました。
技研製作所の場合は、社長から促される前に事務局の方が気を利かして渡していた感じでした。
社長とそれ以外の役員、社員の皆さんとの関係性が見え隠れするのも総会の面白いところですね。