日本初のスピンオフ上場事案が審議される、歴史的な総会に参加してきました。
私自身は過去何度か決算をまたぎましたが、総会の参加は今回が初となります。
株主総会
800名ほど収容できる会場で、7割程度の入りだったでしょうか。
事業報告はナレーション付きの映像でなされました。
スピンオフの概要の説明にそれなりに時間をかけておりましたが、今後は各方面の理解を得るためにIR・SR活動の充実を図っていくとのことでした。
決議事項は以下の4つです。
- 剰余金処分の件
- 取締役5名選任の件
- 監査等委員である取締役3名選任の件
- 子会社である株式会社カーブスホールディングスの普通株式の現物配当(株式分配型スピンオフ)実施の件
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
腰髙社長はホールディングスの運営とカラオケ事業について回答し、その他はそれぞれ管掌の役員が対応する形でした(その箇所は、役員名を補記しております)。
最初の質問は、某有名個人投資家からでした。
とりあえず「逆襲」というほどのものはなく、波乱の幕開けとはならずにホッとしました。
Q
意見を2つ。
まず、まねきねこアプリがログインできない状態が続いているのはいかがなものか。
次に、腰髙美和子氏は腰髙社長の親族かと思われるが、関係について記載がないので改めて欲しい。
質問はスピンオフについて。
米国でも盛んであるし、本来はいいこと。
でも実際には株価は発表直後大きく下げた。
スピンアウトに際しての新株発行により、既存株主が希薄化の影響を受けるのがその原因とみている。
どれくらいの規模で発行するのか?
A
アプリについては修正・改善を進める。
2つ目は誠に貴重なご意見として承り、今後検討させていただく。
(土井常務)
既にお示ししている通り、上限は5%程度。
ブック・ビルディング方式でカーブスHDの公開価格を決定するために必要な数ということでご理解いただきたい。
Q
カーブスHDは東証上場を目指すとしている。
それは東証一部なのか、承認の見込みはどうか、教えていただきたい。
A
(土井常務)
東証のご判断に委ねるが、承認を得られるよう、準備を鋭意進めていく。
(腰髙社長)
上場する市場については、現段階では未定。
Q
カーブスの会員数が2019/8末時点で前同比5千人も減って驚いている。
何か特殊な事情があったのか?
A
(カーブスHD増本社長)
足元の状況をお伝えすると、9月・10月で大きく伸ばすことができた。
10月の会員数は862千人、前同比+12千人と、取り戻しに成功した。
会員数を増やしていくには、サービスレベルの引き上げによって退会数の減少を図りつつ、口コミによる紹介・入会促進をしていく必要があるが、紹介活動強化の効果が出るのが若干遅れたのが前期末の減少要因。
今後も会員数増加に向けてしっかり取り組んでいく。
→ 9月・10月の「1ヵ月無料通い放題キャンペーン」はしっかり結果を出したようですね。
Q
コシダカHDではカラオケ事業に集中していくことになるが、現在の5百数十店舗を、どのくらいまで、何年で増やしていこうかという目標はあるか?
A
社内向けの目標としては、2024/8期末までに20,000ルーム達成をマイルストーンとしている。
2019/8期末現在で11,400ルームだから倍近くということ。
→決算説明資料の通りですね。カラオケ事業の成長余地は、外部の人間が描いているイメージよりは大きそうです。
Q
私はまねきねこの浦和店でいつも非常に良質なサービスを受けている。
その一方で、最近カーブスについては体験してみて「ん?」と思うことが多かった。
カーブスについていくつかお聞きしたい。
①土曜日の午後、日曜日はやっていない。平日の12~13時もやっていない。なぜなのか。
②フランチャイジーからのライセンスフィーはどの程度か。
③浦和には2店舗あるが、どっちに行ったらいいか。店舗によって違いはあるのか。まねきねこと比べると従業員の教育がなっていないと感じるので、何とかして欲しい。
④海外売上比率は今後どの程度にしようとしているのか。
A
(カーブスHD増本社長)
①インストラクターはほぼ女性。お客さまに満足いただくためには、まず従業員の満足度向上が必要と考える。そのためにシフトを組んでいるので、何卒ご理解いただきたい。
②売上の5%が弊社の売上となる。
③貴重なご意見ありがとうございます。教育は今後より一層強化していく。
④海外売上比率の目標は申し上げることはできない。欧州のFC本部事業を買収したので、今後は欧州を重点地域として注力していく。
Q
新業態の”カフェ エクラ”が職場の近くにある。
ホームページを探していても見当たらないが、グループの中で立ち位置はどうなっているのか。
お客さんもあまり入っていないように見えるし、個人的には新大久保・東新宿エリアでは価格帯は高めに感じるが…。
A
グループの中で、飲食についてもう少し武器になるものができないかと模索している。
トライアルで出店しており、未知の世界で正直おっかなびっくりなので、大きな宣伝は控えている。
オペレーション構築に努めているところで、数か月でお客さまも徐々に増えてきた。
→ ここは足を運んで確かめてみたいと思います!
Q
社員数が増加しており、新卒採用ページを見ても相当な人数を確保しようとしていると感じる。
今後数年の採用計画について教えて欲しい。
A
(朝倉常務)
カラオケは数百人規模の大量採用を行っていく。
それだけじゃなく、まねき塾の充実、講師の確保も必要。
店舗数・ルーム数が倍になっても、やっていける体制を作る。
カーブスは既存のフランチャイズの管理に加え、新業態へのチャレンジを行っていく上で、本部人材としての採用を行っていく。
Q
カラオケの中央線沿線の店舗増強のため、公募増資を行った経緯がある。
今後の資金調達、公募増資について考えをお聞かせ願いたい。
A
中計に則り、30~40店舗/年の出店を行っていくが、キャッシュフローでほぼ賄える状況にあり、公募増資・他人資本・有利子負債での調達は全く考えていない。
→ これは好材料。スピンアウトを決断したのも、カラオケ事業単独でのキャッシュフローに目途が立ったのが大きいのだと思います。
(続く)
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