株主総会の質疑応答の続きです。
質疑応答(2)
Q
人材の育成が課題だと思うが、勤続年数が3.6年と短く、離職率が高いように感じる。
なぜ退職されたのか、理由が知りたい。
また譲渡制限付株式やストック・オプションに対する考え方や、人材に関しての今後の取組みについて教えていただきたい。
A
離職があるのは事実。
そうならないためにも、社員にはどんどん学んでもらう機会を作るのが重要だと考え、そうしている。
ストック・オプションは役員に2年間配布し、1年休んでいる。
人材難の時代であり、管理職のヘッドハンティングは行っていきたい。
(離職理由については言及していなかった気がします…。ここはアキレス腱かな。)
Q
商品の開発体制についてお伺いしたい。
取引先からの要望はどの程度取り入れているのか?
A
弊社の弱いところであり、遅れている部分である。
開発専門に行う確たる部署が無いのが現状。
(この部分で中長期的にハウス食品には期待したいところです。)
取引先の要望は全部受けるとライン構成が複雑化し、コストアップにつながる。
焼き豆腐はハレの日の唯一の商材として強いニーズがあるが、手作業で作っていられないので自動化に踏み切った。
採算は良くはなかったが、取引先にとっては品揃えの解決となり、取引関係に貢献した。
同様に難しいがニーズの高かったミニ木綿豆腐についても、自動化・ロボット化することで対応していく。
Q
取引先のニーズに応えていくのは結構だが、採算面の無理な要求には応えていないか。
A
そこはしっかり管理した上で、私共の方からも提案を行っている。
同じ320gの豆腐でも、個食化への対応で80g×4パックとすることで、単価58~88円のものを148円に変えられる。
Q
「東証一部」に対する社長のこだわりをお聞かせ願いたい。
A
世間では「時価総額250億円」の基準が取りざたされている。
株価操作に思われるので言いにくい部分があるが(苦笑)、今後の展開を考えたら「いけるだろう」と踏んでいる。
(「ニヤリ」とされていたのが印象的でした。ここが質疑応答の一つのハイライトでしたね。)
Q
株主への還元策はどのようにお考えか。
A
安定した配当が基本と考えている。
今期のその先は未開示なため、ここでは差し控えさせていただく。
Q
年配になると、一丁の半分でも食べるのが辛くなってくる。
これからの時代、どのような対応を考えているか。
A
だんだん豆腐を小さくする方向に進めている。
私共は「小分け」を得意にしているので、「80gの食べ切り」を案内していく。
Q
検査不正・偽装が起きないか心配だ。
コンプライアンス教育はしっかり行っているか。
A
法令遵守は大原則であり、社内で徹底している。
FSSC22000の標準・マニュアルに則り、管理を含めて適正にやっていると認識している。
Q
商品改廃のサイクルはどのように決めているのか?
売上実績が基準なのか?
A
豆腐は日本の食文化に溶け込んでいる。
外国から入ってこない、ベーシックなものだ。
味を付けたり流行りを追ったりせず、サイクルの早いものは取り組まない方針を採っている。
(ユニークな商品を売りにする相模屋食料と比較して、ここはやまみのこだわりだと感じます。その分、開発が相対的に弱くなっている面もありますが。)
ただ小さくする方向には、かなりのスピードでシフトしている。
450g→400g→350g→320gときて、現在は150gが主流だ。
これからもお客様の支持を見ながら対応していく。
Q
地域性のある豆腐に取り組む可能性は?
A
物語、思い入れ、「コト消費」は小規模なところにお任せする。
やまみにしかできない量産をやっていく。
ここで打ち切りとなりました。
所感
質疑を通して、豆腐業界の中で王道を歩んでいくという気概を感じました。
現在はまだ2番手グループの1社ではあるのですが、遠くない将来、「豆腐業界の山パン」となることを期待します。
質疑応答を通して人材面や商品開発面の課題が浮き彫りとなりましたが、ぜひ乗り越えていただきたいですね。
運営自体は可もなく不可もなくといったところで、株主総会の評価は★★★☆☆とします。
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