アリアケジャパン株主総会2019(3)(★★★☆☆)~19年6月長崎県アリアケジャパン総会旅行記その12

旅行

役員懇親会

12:15からは場所を変えて役員懇親会です。
「何ぞや?」と思っていたのですが、私以外の十余名は皆スーツ姿。
どうやら実質的にはアナリスト向け説明会の様相で、役員一同による質疑応答の場だったのです。

質問者の属性からして、私以外で参加していたのは証券会社のアナリストが主で、あとは(恐らく)メガバンク担当者と、業界に造詣のある個人投資家1名といった感じ。
これは毎年足を運んでいる人でないと分からない。先に言ってよ(苦笑)

という訳で、株主総会からは一転、キレッキレの質疑応答が繰り広げられました。

質疑応答

(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)


連結売上高・営業利益の1割を占める米国子会社を売却せずに、残しておく手は無かったのか。


米国はオーガニックに特化していただけに、アマゾンのホールフーズ買収は多大なインパクトがあった。
市場は原料の取り合い・コスト削減の泥沼状態に陥ってしまった。
一方で、売却先のKelly(連結売上高 8,000 億円規模の食料品製造・販売業。米国子会社の主要販売先でもあった)は米国に軸足を置いており、米国子会社に相当な評価(200億円)をいただいた。
当社にとっても、Kellyの持つ欧州・東南アジアの販路は魅力的。
元々売却を企図していた訳ではない
が、両者にとってプラスとなる話と認識できたため決断に至った。


今後力を入れていく中国の競合状況、欧州の位置づけについて教えて欲しい。

A
中国の主な対象市場は、食品メーカー(調味料・インスタント食品)、外食(ファースフード)、コンビニ(おでんのスープ)。
抽出から搬送まで一貫して手掛ける業者は他に無く、当社に優位性がある。

欧州は畜産・海産物といった原料が豊富で、日本に対する原料供給基地としての役割が強い。
そこは原料を必要としている米国とは対照的。

また市場としても魅力的だ。Kellyも販売先の一つ。
「ナチュラルフレーバー」が必要とされる中、天然調味料を供給できる会社が求められている。
例えばフレーバー会社はニオイは作れるが、美味しいものは作れない。
だから天然調味料の製造技術を求めている。
スプレードライヤーをフランスに導入するのも市場を見込んでのことだ。


投資は3ヶ年で100億円超という規模感を以前伺った。資金の用途等、具体的な内容を知りたい。

A
欧州はフランス・ベルギーの工場増強に使う。
中国は状況を見ながら、時期の見極めを行っているところ。
M&Aも眼中にはある。
米国子会社で失った売上高を3年間で取り戻して560億円に回復させた上で、連結売上高1,000億円構想を成就させたい。

Q
御社は豊富なキャッシュを保持している。資金を寝かせたりせず、もっと有効活用できるのではないか。

A
長期の読みは難しいが、20,30,50年後のアリアケを作る気概を持ってやっている。
過去10年で200億円を投資に充てており、相当な資金を必要とする事業であることは確か。

また、資本投下してもすぐお金を生む訳ではない。
実際の売上に結び付けるまでに、時間をかけて様々な検証を行う必要がある。
下手に投資して失敗した会社はたくさんある。
我々は適切に資本を投下すべく、慎重に事を進めたいと常々思っている。


最終製品への取り組みについて伺いたい。

A
何よりも大事なのは、原材料の安定調達
その意味では、本当は生産者にならないといけない。
人口が減っていく局面において、国内では最終商品へのチャレンジが重要だ。
ここ1~2年でがらっと変えていかないといけない。

全体を通しての所感

株主総会は正直言って期待外れだったのですが、工場見学会を通じて当社の強みと今後の方向性を再確認でき、役員懇親会では多くの情報を得る中で当社が紛れもないグローバル企業であることを実感致しました。

評価は、総会の印象から一つ上乗せして ★★★☆☆ とします。
急成長する会社ではありませんが極めて堅実で、ホールドを続ける自信を持つことができました。
はるばる来た甲斐はありましたね。

足を運ばなければ分からないことってありますね。
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