2年連続の参加となります。
今年は不参加のつもりでいたのですが、直近決算での大型減損と今期大幅減益予想ということで、中村社長がこの状況にどう臨むのかを確認してみたいという気持ちが芽生えたのでした。
株主総会
20席が用意されており、参加者は13名でした。
今年も「礼!」で始まる株主総会。
昨年と違うのは、議長席・回答席の周囲にアクリル板が設置されていること。
しかし、中村社長が登壇するやいなや着用していたマスクをサッと外し、いつも通り絶叫調の進行を始められました(笑)
流石過ぎます。
まず議事に先立ち、中村社長より挨拶をさせていただきたいとの話がありました。
10分間にも及んだ話の内容は以下の通りですが、挨拶というよりは今後の決意表明でしたね。
- 第二の創業以降、初の減益決算となる中、日頃からご支援いただきましたこと、誠に感謝申し上げます。
- 54期(今期)計画についてお話させていただきたい。人の移動が停滞する足元の状況はリーマン・ショック時より深刻であり、56期の成功に照準を合わせるというのが弊社の考え。
- 現実的ではない高い目標を掲げても、疲弊感が蓄積してしまう。不安要素を取り除き、56期に向けて上昇していく形が最善と考えた。
- 第三次オリンピック作戦は初年度でつまづく形となったが、目標の旗は下ろさない。
- 成功シナリオとしては、BGRSの貢献が第三次オリンピック作戦では考慮されておらず、その分丸々上積みが期待できる。
- 今期はシステム化・デジタル化に向けて、先行投資を行う。
- 目標に対して獲得会員数に遅れが生じているが、観光部門のアセット売却や、M&Aによる賃貸管理の積極推進でカバーしていく。
今期業績予想策定の背景を確認することができ良かったです。
ただ「疲弊感」という言葉を使うあたりソルジャー感があって、やはり体育会系の匂いがプンプンします。
この後の監査報告は「お手元の招集通知~」とシンプル。
事業報告はスライドで、手元にその資料も配られておりました。
決議事項は以下の通りです。
- 取締役7名選任の件
- 監査役4名選任の件
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
中村社長及び門田専務が答える形でした。
Q
取締役が8名から7名になった理由と、女性や日本人以外の取締役がいらっしゃらない中で、ダイバーシティに対してのお考えを伺いたい。
A
(門田専務)
取締役の人数については、管掌の業務、社外取締役とのバランスからしても適正な人数と認識している。
人数が減ったのは、組織再編で各事業の責任者として上席執行役員制度を導入し、その上に取締役を置いた関係上。
事業成長が止まったというわけではなく、7人という人数は多くも少なくもないととらえている。
取締役が日本人の男性ばかりとなっているが、ダイバーシティの重要性は認識している。
女性の活用という点では、新卒は男性62名に対し女性が55名。
外国人登用も積極的に行っていく。
国内のグループ会社を見れば、女性の取締役が4名、管理職は90名弱。
他社と比べても平均的になってきている。
なお海外に関しては、BGRSのCEOは女性であるし、役職員の6割は女性だ。
外国人の採用も全体の1~2%で継続している。
こうした取り組みが企業価値を高めていくことになると思っている。
Q
1.ESOPを開始したが、果たしてこれが従業員のやる気につながるのか疑問。お考えを聞かせていただきたい。
2.コロナ禍を踏まえても中計を変更しないとのことだが、挽回できるとのお考えについて詳しく教えていただきたい。
A
1→
(門田専務)
(まず従業員持株会支援信託ESOPの仕組みについて説明がありました。ここは割愛します。)
あらかじめ信託が購入した当社株式を持株会に毎月譲渡していくが、3年経って剰余金が発生した際には従業員に分配されるので、業績向上へのモチベーションアップにつながる。
当社は創業以来、従業員とのパートナーシップの精神を掲げてきた。
当制度は全社を挙げて中計に取り組んでいくのに丁度いいという判断だ。
2→
(中村社長)
人の移動の停滞に関しては、国内→外国の順で影響を受けており、これは54期のみならず55期にも及ぶものと認識している。
いちばん影響を受けているのはBGRSだが、そもそもBGRSは計画上利益貢献を見込んでおらず、伸びしろがある。
国内は半年ほど計画に遅れるという想定だが挽回は可能であり、第三次オリンピック計画はまだ諦めるべきではないと判断した。
54期は数値目標上無理をしない。
リロクラブの成長モデルを全事業に展開し、業務効率化の徹底で20%成長を遂げることのできる体質とし、「真に強いリログループ」を作りたい。
世界各国は大きな負債を抱え経済再生が必須であり、どの国も国内だけではやっていけない状況にある。
56期には世界的に人の移動が本格化するはずだ。
今後が予測しきれずご心配をおかけしているが、世界企業で働く人々の移動と活躍をサポートできる存在を目指すというビジョンに基づき、成長に向けて邁進していく所存。
どうか応援の程、よろしくお願い致したい。
Q
BGRSの巨額買収もあり、近年B/Sがかなり膨らんでいる。
資本効率が落ち、自己資本比率も低下している。
「真に強いリログループ」を作るために、財務面で考えていらっしゃることはあるか。
A
(門田専務)
負債が増えているのは事実。
株主価値の持続的な向上を図り、十分な自己資本の水準は保持したい。
自己資本比率は直近期で21.6%と、金融機関からの資金調達には支障のない十分な水準という認識。
希薄化にも十分考慮した上で、適切な資本政策を取って参りたい。
議決後、新任監査役の久保谷氏からの挨拶がありました。
所感
株主総会の締めの「起立!」、そして退場時に役員一人一人が株主に向かって「ありがとうございました」と告げるスタイルは、昨年と同じでした(苦笑)
状況を真摯に受け止め、現実的な路線を選んだことについて説明があったのは評価して良いと思います。
この総会の内容次第ではさらに株を手放していくことも考えておりましたが、説明を聞く中で少し時間はかかったとしても、挽回は可能なのではないかという思いを強くしました。
ということで、相変わらずの体育会系株主総会に辟易する部分はありましたが、評価は前年から1つ上げて★★★☆☆とします。
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