eBASE株主総会2023(3)決算説明会編その1(★★★★★)

株主総会・説明会

このパートの司会は、窪田CFOと岩田社長です。

まず冒頭に、株主総会では歯切れの良い回答ができなかったものの、この時間はフランクな時間として、事業内容を中心に、質疑応答を交え説明させていただきたい旨の案内がありました。

当ブログでは、決算説明会資料での該当ページに関連して、実際になされた説明で特筆すべきところを、文字ベースではありますが皆さまにご紹介したいと思います(動画は見ていただかなくて結構です)。

資料のページの順番と、実際の説明の順番には違いがあり、説明した順での記述となります。


決算説明会

P.46 企業理念
(岩田社長)
一気に利益を出すのではなく、長く継続して利益を出し続けることで、社会に貢献していく。

→ このそもそもの理念が、私が当社に惚れ込んでいる理由の一つです。

P.4 創業来の売上高・経常利益推移
(岩田社長)
日雑はまだまだ未攻略で伸びしろ大。
コロナ禍での案件停滞の期間を利用し、「2nd eBASE」の企画・開発に注力した。

P.13 eBASEグループ事業概要
(岩田社長)
「1st eBASE」は、SI事業。
色々なユーザーに広がっていく中で、「こんな業務に使えないか」という形でさまざまなニーズが上がって来、それに対応する形で新たなパッケージソフトを作ってアップセルに繋げている。
元々商品情報管理から始まったが、それがサテライト的に広がっている状況。
(小売向け「MDMeBASE」・メーカー向け「PDMeBASE」等)

「2nd eBASE」は、消費者に利便性を提供し、小売に「e食住なび」を採用してもらうもの。
1stでは小売のメーカーに対する力関係を利用して広めてきたが、力関係を消費者まで広げたモデル。
消費者が使うと、小売にとっては他社が採用したことが目に見えるので、今までよりも展開スピードが早くなるのではと期待。
2ndを普及させることで、小売へのeBASE導入、「商材えびす」のコンテンツ充実を図る。
小売の財源としてSI財源だけでなく、販促予算からも取り付けましょう、ということ。

ここで、実際にBtoB用として使われる「食材えびす」等の画面デモがありました。

(窪田CFO)
小売店舗でPOSレジから出るレシートに書いてある品番・商品名、ECサイトでの商品名・画像といったものについては、その川上に行くと、当社のここからデータを取っているのだとご理解いただければ。
下流で作っているのではなく、Amazon・楽天で使っている画像は、メーカーの所に行ってコピーしてきたり、素人が写真を撮ってアップしている。
それに対し、こちらは「ウールマーク付き」のデータ
メーカーが自分達で登録している正しいデータであり、これが源流にあって小売に向かって流れていく。
これを貯めているのが、いわゆる「データプール」と呼ばれるものになる。

(岩田社長)
このデータを消費者にも見ていただこうというのが、「e食住なび」。
小売が出しているチラシとかレシートといった媒体とこの情報とを紐付け、小売の販促支援をしていこうというのが「2nd eBASE」。

さらに、スマホアプリ、「e食住ちらし」等についても画面デモがありました。

(窪田CFO)
なお一個一個の商品には、消費者が使わないような物流情報も入っている。
ケースの中に何本入っていて、主さが何グラムで、流通の際は常温か冷凍かといった、物流で使う基本情報も裏には入っている。

(岩田社長)
電子チラシは既にあるが、これは進化したバージョンとして、特売情報の商品を使ったレシピ、アレルギー情報・成分情報も載せることができ、小売としては「ついで買い」を促すこともできる。
また小売は、チラシの画像を集めてくるのに苦労しているし、印刷会社に数千万円~億円近いお金を払っているが、「e食住ちらし」は品番と価格さえ小売に用意していただければ、商材えびすにデータが入っているので、低コストで高機能のチラシを作れるメリットがある。
今後折込チラシは減っていくし、紙そのものを減らしていこうという世界の動きもあるので、いずれチラシが「e食住ちらし」に置き換わっていくと考えている

「e食住ちらし」の別の展開としては、例えばレシートにQRコードを印字するというもの。

ここでレシートからの読み取りについても、画面デモがありました。

東芝テックであればそれが容易にできるように、技術的には簡単であり、これを読み込むことで、レシートがビジュアルになる
紙レシートは捨てても、いつどこで何を買ったかが見れるし、栄養成分についても気軽に見られるようになる。
商品データは我々が持っているので、小売はレシートにQRコードを印字し、レシート(POS)データは我々に提供していただく、というビジネスモデルになる。

→ レシートが媒介となり、泣き別れになっていた商品情報とPOSデータとを繋げられるということです。これは業界横断的に商品情報を囲い込んでいるeBASEでないと、できるものではありません。そしてこのステップを踏むことで、後述する「3rd eBASE」への展開も見えてきます。

(窪田CFO)
利用シーンでイメージいただくと、paypay他では3点違うものを買ったとしても、合計金額がペイペイッと落ちるだけ。
ソフトバンクであったとしても、その内訳のデータは持っていない。
では内訳をどこが持っているかというと、POSレジのレジの中にある。
それを引っ張ってきて消費者にお返しできるソリューションが、今お見せしたもの。
やがてそういうアプリケーションと連携していって、「あ、これ株主総会で見たやつだ」というのが、これから出てくる。
現実にはプレスリリースはお客様から止められているものの、既にリリースしている所は結構ある。

例えば、某会員制倉庫型小売チェーン日本法人(A社とします)は全国展開が始まっている。
A社のお店に行くとフードコートがあるが、QRコードがあるので読み取っていただくと、裏側で動いているのが今日お見せしたような展開系のもの。
やがて全国の小売で採用された所で、このような感じで商品単位のものが見えたら、「裏にeBASEがいるのではないか」と思っていただければいい。

(突然)どうですか?〇〇さん(注:私のこと)とか、イメージ分かっていただけます?ご存じかと思いますが。

(「よく分かりました。早く実例が見たいです」と返答。普段からのやりとりがあってのご指名だと思いますが、突然振られたのでビックリしました。)

(岩田社長)
4月からA社の「e食なび」シリーズが採用され、サービスが始まった。
4月の時点では東京1店舗のフードコートにおいて、アレルギー・栄養成分というPOPを店頭に貼りだしていただき、それをスマホのカメラで読み込むと、フードコートの商品情報が閲覧できるというサービスが始まった。
対外的に公開できる資料となっていないので、ここだけということで。
お店に行っていただくと、皆様も同じことが体験できる。
その時点でオープンと言えばオープンなんですが(笑)
6月頭から32店舗で展開が始まった。

これはA社視点で見ると、フードコートに来たお客様にアレルギー情報・栄養成分を伝える裏方の業務があり、お客様が質問に来たら書類を見ながら説明するために、資料を全国に配っていた。
そういった業務が一切無くなった。
元々A社は「FOODS eBASE」のユーザーで、同システム上にフードコート商品のデータが蓄積されていた。
それを我々に提供していただきスマホアプリで開示するということで、手作業で伝えていたことをデジタル化・DX化したということ。
内部の業務の効率化をしながら、お客様は自分で商品情報を確認できる、しかも多言語表示ができるようになっており、DXとCXを両立できるサービスとなっている。

(窪田CFO)
「1st eBASE」から「2nd eBASE」への移行では、このケースが一番分かりやすい。
そもそもA社は「1st eBASE」を導入いただいていて、ピザや惣菜の商品ラベルのデータはずっと前から「FOODS eBASE」で管理されていた。
そこから消費者に出すとなると、中の基幹系のデータをお客様に見せるのは難しかったが、「1st eBASE」が入っている所に「e食住シリーズ」をカチャッとはめてオプションとして売ると、即日でPoC(実証実験)を経ずに全国展開ができてしまう
DXもPoCレベルではなく、すぐに「2nd eBASE」に取り組めるということ。

逆に我々から見れば、「1st eBASE」のビジネスモデルはより強固になる。
1回やっていただければ、本国の本社の社長も大絶賛した仕組みであるし、もう変えることはできない。
ここだけ止めたとしても、後ろにある「FOOD eBASE」は止められない。
我々としてはベンダーロックインしていこうと
今後様々な場所でこういうケースを出していこうということで、BtoBtoCの世界でやがて色々なものが見えてくると期待していただければ

→ まさにスイッチングコスト、「経済の堀」ですね。

(岩田社長)
他のユーザーの状況だが、東海地方の食品スーパーで採用が内定していたり、大手家電量販でも実際に店頭で置かれ始めたりしている状況。

(窪田CFO)
これに関しては、本当は株主総会前にリリースが終わっていたはずのものが、色々とメディアの関係もあって間に合わず、来週に出てくる。
ここの事を言ってたんだなというのを、リリースさせていただく予定。
(注:マキヤの件ですね)

(岩田社長)
「2nd eBASE」の「e住なび」に関しては、積水ハウスさんで全国展開が始まっている。
基本的に、積水ハウスさんで家を建てると「e住なび」が付いてくる状況になっている。
それを見た2番手・3番手大手ハウスメーカーもやりたいということで、続々とオーダーをいただいている状況。

住宅、食品、日用雑貨それぞれで「2nd eBASE」が始まっており、普及を期待している。

→ 「2nd eBASE」の実績は前期は積水ハウスのみでしたが、今期は各業界で色々な案件が実際にスタートし、業績にも寄与してきそうですね。

P.14 eBASE商品情報管理システム概要
(岩田社長)
ここでおさらいを。
売上高の99.99%は「1st eBASE」が占めている状況。
各企業の中では、自社製品・自社取り扱い品の情報がある。
それを「ワンソース・マルチユース」ということで、eBASE上に登録にして、カタログ製作、WEBメディア、基幹系システム、得意先への情報提供といった、色々な事に使っていくことをビジネスモデルとして、統合商品データベースを普及させていこうというのが創業時からのもの。
これに企業間商品情報交換をプラスすることで、eBASEを普及させるというのを、その後始めた。
そして食品業界、住宅業界が立ち上がり、日雑業界も立ち上がってきている。

P.27 商材えびすの小売業での活用
(岩田社長)
ホームセンター、ドラッグストアそれぞれ、売上トップテンの半分くらいはユーザーになっていただいている(非開示の先含め)。
この「商材えびす」のデータを使って商談の合理化を実現するのが「MDMeBASE」。
2~3千万円くらい投資いただき、各小売に導入が進んでいる。

P.29 新製品企画開発支援ソリューション「PDMeBASE」
(岩田社長)
自社ブランドをお持ちの小売で導入が進む。
製品企画開発系のソリューションということで、我々としては大手小売グループの新製品企画の採用を増やしながら、最終的には「FOODS eBASE」を導入している多くのメーカーにアップセルを進めていきたい
また食品業界だけでなく、日用品メーカー、ハウスメーカー、住設・建材メーカーもターゲットにしている商材。

P.31 業界別売上推移
(岩田社長)
今後も各業界の構成比は、イコールで数字を伸ばしていくことを想定している。
全体的に分厚くしていく

P.32 新たなeBASE事業 BtoBtoCモデルの概要
(岩田社長)
「商材えびす」のデータを使った「CXeBASE」と名付けた製品群で、消費者に利便性を提供する。
いつでもどこでも商品情報にアクセスできる環境を提供することで、お客様を採用いただいた小売に誘導していく。
小売には誘導、メーカーに対しては広告宣伝ということで、将来的には課金モデルを考えている
近々では小売から、「CXeBASE」採用いただくことで定額のサブスク型で課金をしていこうと考えている。

資料外の事項として

(岩田社長)
小売の採用で「1st eBASE」も強化されながら、「2nd eBASE」のユーザー、さらにその先にいる消費者ユーザーを増やしていき、たくさん増えてきたら「3rd eBASE」ということで、消費者視点に移る
この商品にはこれだけのリピーターがいる、このユーザーはいつ頃どんな家電製品を買っている、こういう食品を購入する傾向がある、といった情報を、今度はメーカーや小売に提供するということで、三番目のビジネスを立ち上げていくことになる。
これも特許を取得していくモデルになる。

以上、ざっと一通り説明させていただいた。

→ 3rdについては、この後の質疑応答の中で詳しく説明されます。

(窪田CFO)
1st、2ndと言っても具体例を示さないと分かりにくいと思ったので、あえてデモンストレーションを挟ませていただいた。
今までの数字は全て「1st eBASE」というBtoBで、業務の合理化のため、品質を上げるための施策でのマネタイズを行ってきた。
イオンさんで言うと、イオンのバックオフィスでお金をいただいていた。

これからの「2nd eBASE」は、販促・マーケティング予算からいただくもの。
売りに繋がるITソリューションをやらないと、合理化だけではいつかは痩せていく
ゼロにまでは合理化できないので。
売上が倍になるのであれば、スケールさせるマーケティング費用からいただいていくということで、我々は「2nd eBASE」に賭け、どこにも真似できないものをやっていこうということ。
将来は1stが伸びるのも、2ndがそれ単体でマネタイズできるのも、2ndにかかっているということで、今年度以降頑張っていきたい。

(この後、質疑応答に続く)

ホームページにアップされている動画とは、情報量が段違いかと思います。
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コメント

  1. rocket より:

    レシートのQRコードの例は分かりやすいですね
    消費者にとって自分の買い物を管理できるし(分類、集計等機能など)、当社もそのもともとレジにある情報を取得できます。それを大量に集めることで、ビッグデータ分析のネタになり、大きい価値を持っていると思われます。

    窪田CFOの頭にろくすけさんの名前はもう入っていますねW!会話の中に突然呼ばれました!

    • 6_suke より:

      レシートの件は、どのようにIRで開示されるのが楽しみですね。

      会話で挟み込んでくるのは、ビビりました(汗)

      このブログもチェックされているでしょうから、伏せるべきであろう会社名等は伏せさせていただいています。

  2. すぐる より:

    いつもブログを拝見しております。文章が汲み取れていなかったらすみません。
    以下質問させてください。

    「レシートが媒介となり、泣き別れになっていた商品情報とPOSデータとを繋げられるということです。」
    こちらは消費者がQRコードを読み込む行為を行い、eBASE提供のアプリ(消費者の個人情報)と紐づくことで初めてeBASE社がPOSデータを取得できるという理解であっていますか?単純に購買した段階ではeBASE社がPOSデータを取得することはできないですよね?

    • 6_suke より:

      POSデータと商品情報(個々の商品の属性)、そして個人の属性が結びつくのは、消費者がアプリでQRコードを読み取ることによってはじめて実現するという形になります。

      単純にお店で購買した段階では、eBASEとしては何の情報も得られないという理解でよろしいかと思います。

  3. すぐる より:

    ありがとうございます。よく理解できました。消費者がレシピ情報、カロリー情報、ひいては多少コストかかってもレシ活などアクセスしたくなるインセンティブをどれだけ付けられるかがポイントかと思いました。

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