荏原製作所の翌日は、シマノの株主総会に初めて参加しました。
(移動は青春18きっぷ+新幹線ワープ(三島ー浜松間)がメインだったのですが、道中に関しては特に面白くもないので割愛します。)
有価証券報告書の「経営方針・経営戦略等」に書かれている文章がとても美しいので、ぜひ島野泰三社長のお話をうかがってみたいと思い、堺まで足を運ぶことにしたのです。
それにしても、カッコいい本社でした。

株主総会
2022年3月30日(水)午前10時
大阪府堺市老松町3丁77番地
本社・Manufacturing Technology Center
お土産 ロゴ入り泉州タオル、堺銘菓(小島屋泰芳のけし餅)
会場は近未来的で大きな会議場。
用意されている116席に対し、出席者は約50名。
席ごとに隣とのアクリルのパーテーションが設置されていたのが印象的でした。
議長は、昨年創業100周年を機に就任された島野泰三社長。
冒頭のあいさつが振るっており、心動かされるものがありました。
内容は以下の通りです。
・世界の混迷は深まっているが、アウトドアレジャーへの関心の高まりは続いている。
・サプライチェーンの混乱等あったものの、ステークホルダーの皆様のお陰で良い成果を収めることができた。
・近江商人の経営哲学として知られる「三方よし」は、当社の在り方に通ずるものがある。
・ものづくりにたゆまぬ努力をし、「こころ躍る製品」の継続的な提供をしていくことが、地に足の着いた製造業としての本質。
・この価値観を大切に、「開発型デジタル製造業」として価値創造を続けて参りたい。
背筋の伸びる思いがしました。
報告事項は、招集通知に記載されている内容の要点+業績予想を映像・ナレーションで流す形。
決議事項は以下の通りです。
- 剰余金の処分の件
- 取締役4名選任の件
- 監査役3名選任の件
なお、株主総会後、執行役員制度を導入する旨の説明がありました。
(ここまでで33分)
質疑応答(1)
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
一度につき3問までとしていただきたい旨の案内がありました。
回答は島野社長及び各管掌の取締役の方々が対応されておりました。
【質問1】
「投資単位の引下げに関する考え方及び方針等について」(2/8付)の中で、「株式市場において適正かつ安定的な株価が形成されるためには、株式の流動性の向上と個人投資家をはじめとする幅広い投資家層の市場参加が必要であると考えております」とある。
これから株主数を増やす方向で取り組まれるのか、引下げにかかる施策・方針に関して発表できることがあれば、教えていただきたい。
⇒
(金井取締役)
単元が50万円以上になる場合、定期的に見直す必要がある。
取締役会でも議論の対象としている。
今回、開示にあたって「流動性を注視しつつ」という文言を加えた。
個人投資家はもちろん、全ての株主の方々を大事にしているが、特に経営方針をご理解いただき、長期でご支援いただける方々に株主になっていただきたいと考えている。
昨日も出来高は30万株あり、日々活発にお取引いただけているので、流動性については問題ない。
ここが下がっていくようだと、また考え直さなければならない。
投資単位の引下げに関しては、「費用対効果」という文言を加えている。
株式分割をすると、管理コストがかかり手数料が増えてしまう。
それが既存の株主にとって良いことなのか検討の結果、現行の通りとしている。
色々な要素を勘案して今後は対応させていただきたい。
→ 太字の部分を堂々と言えるだけの強さを感じます。
【質問2】
私はグループウェアNo.1のサイボウズの株主でもあるのだが、サイボウズを導入しているか、今後導入する考えはあるかどうかを伺いたい。
⇒
(島野社長)
目下、デジタルトランスフォーメーションのやり直しの作業を進めている。
サイボウズのキントーンは検討の対象には入っておらず、今から見直すのは難しい。
次回の機会に検討させていただく。
【質問3】
1.株主の分布を教えて欲しい。
2.シマノの自転車部品は品薄で手に入りにくいと言っている人が多い。どのように考えているか?対策は?
3.要望だが、トラックバイク用のパワーメーターを出していただきたい。
1⇒
(金井取締役)
5~6%が個人。
31%が金融機関で、数は減っている。
3%の証券会社、47%の外国法人は増えている。
繰り返しになるが、長く応援していただける方にお持ちいただければと思っている。
2⇒
(島野社長)
大変申し訳ないが、望まれる納期で収められていないのが現状。
生産増強をしてきたが、全てのお客様の要望に応えられておらず、まだまだ増強が必要と考えている。
今年の年末までにはお届けできるようにする。
3⇒
(島野社長)
トラック用のパワーメーターについては、今のところ計画は無い。
ご意見として承り、今後の製品構成に反映させていく。
(続く)
業績に文句の付けようがないだけに、少し毛色の違う内容の質問が多かったのが特徴的でした。


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コメント
有価証券報告書の文章が美しいというのはなかなかですね。
決算短信で「凄い!」と最初に思ったのが2019年のソリトンで見たものです。
https://pdf.irpocket.com/C3040/FMlK/MfQw/qSEq.pdf?_fsi=PEheal50&_fsi=eIkHECEA
最近のものではテンポスホールディングスですね。
https://www.tenpos.co.jp/ir/download/R3_4_3.pdf
面白法人と称しているカヤックは業績が悪かったのでちょっと封印していたようでしたが、業績の回復が感じられてきたのでそろそろバズらせる方向性を考えているとも聞いてます。
他でも特色あるものを見せていただけるといいなぁと思ってます。
ソリトンシステムズはぶっとんだ冒頭とその後の淡々とした記述とのギャップが凄いですね。。
フォーマットが決まっている分、紋切り型ではない独自性のある文章はインパクトがありますね。