ダブルエー株主総会2023(2)(★★★★★)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。
ここから俄然面白くなってきます。

質疑応答(2)

【質問6】(質問4と同じ方)
MISCH MASCHは何が過去問題だったのか、卑弥呼と対比しながらお考えを伺いたい。


MISCH MASCHは20年の歴史がある。
エレガンスな服で、若い女性向けのフェミニンなデザインには定評がある。
ただここ数年~10年、カジュアルが流行っていて、女性っぽい服を着る方が減っている。
客層が狭く、若い女性が減っているのもあって市場は縮小しており、競争も激しい。
その一方で、①ブランド力②出店場所③ネットが強くないという点で、これから発展できるビジネスチャンスがある

卑弥呼はデパートの売上が減少していること、スニーカーブームで市場が縮小していたという点で、共通している部分はある。
いずれも、競争に勝てれば市場は十分あると考えている。
日本は決して小さな市場ではないし、プレイヤーが減って
いくのはプラスに働く。

卑弥呼の成功体験をそのまま活用できるとは思っていないが、市場はあるし周りに勝てれば十分伸ばせる。
一個一個、お客様に選ばれるブランドになるために、できる施策をやっていく。

→ 世間一般のステレオタイプな見方とは裏腹に、ファッション業界の中での今後の成長に強い自信がうかがえました。

【質問7】
「跳べるパンプス」や卑弥呼のインソールなど、最近は履き心地を重視されていると感じる。
NICALでも機能性や履き心地を重視した靴を出す予定はあるか?


(肖社長)
ここはNICAL担当の岩瀬から回答させていただく。

(岩瀬取締役)
NICALはORiental TRafficと卑弥呼の中間の価格帯で、モード・都会的なデザインを意識している。
百貨店の婦人靴フロアであったり、有楽町マルイに出店しているが、実際にお客様からのご意見として、履き心地に関するご要望は受けている。
デザインとのバランスをどう取るかを意識しながら、今後商品を考えていきたい。

【質問8】
ダブルエーでは元々acroブランドとして服を扱っていたが、これからMISCH MASCHと仕事内容で共有したり交流を進めることはあるのか?
またacroは今後、どのように展開していくのか?


acroは、ダブルエー本体のブランドではない。(←衝撃の事実①!)
服は挑戦したかったのだが、企画・生産のロットが合わないという結論に至った。
自社サイトやZOZOを通してネットで販売しているが、ブランド・商品としては他社のものを載せている。
それでもいつかは服を自社で取り組んでみたいという思いがあり、それがMISCH MASCHとの合併のきっかけとなった。

MISCH MASCHは自社で色々できる。
acroは他社のものを販売しているに過ぎない。
もっと服への理解を深めたときに、どうするかを考えていく。

【質問9】(質問4,6と同じ方)
せっかくなので、中井さん(卑弥呼 新井社長)の声も伺いたい。
卑弥呼のWEB限定商品は、中国製で比較的廉価で、色も含めてオーソドックスに感じる。
廉価なものはNICALとカニバるのではないか?
うまくやっていけるのか、その棲み分け・立ち位置の違いについて教えていただきたい。


(中井取締役)
EC限定商品では、比較的安価なものにチャレンジしている。
使いやすく、今までの卑弥呼の概念にとらわれないものを、ECを想定して一から作った。
今までのメンバーではなく、ECメンバーと話し合って商品開発をした。

卑弥呼では新しいお客様を獲得するのはなかなか困難だったが、お客様が買いやすい価格で使いやすい商品を提供することで、まずは履き心地を体験していただき、今後定価の高い商品の販売へと繋げられればと考えている。

NICALとはブランドの方向性が違う。
卑弥呼としては、人気のある定番商品を、サイズ展開を広くして提供している。
また卑弥呼は、より履き心地を重視しているという点にも違いがある。

→ 卑弥呼については、スニーカーへの注力を含め、戦略的なアプローチの存在をここに来て強く感じております。

【質問10】(質問1,2,5と同じ方)
ダブルエーの社名に込めた思いについて、熱く語っていただきたい。
社員や新人の方には、由来について教えている?


(肖社長)
このような質問を受けることはあるが、そもそも創業時の「直通企画」という社名の方に想いがあった
売場と工場を直接つなぐ ー それは今でも会社の方針。
売場の声を直接聞き、工場と苦労を共にしながら、一緒に考えていくということ。

後から作った社名は、「漢字だと人が来ないよね」という意見があったから。
案を出し合って、その中には「ORiental TRaffic」もあった。

「ダブルエー(WA)」には安心・安全といったように、後付けでの意味付けはいくらでもできる。
でも、本当のところは「WA・WA(ワ・ワ)」という、私の子供の時のあだ名から来たもの
(←衝撃の事実②!ズッコケました)
深い話など全く無くて、わかりやすい、呼びやすいということで決まった(会場笑)

社員には、「ダブルエー」より「直通企画」の意味合いの方を説明している。
募集して候補は何十個とあったが、なかなかこれというものに決まらない中で、私のあだ名を出したら、すんなり採用されたというのが本当のところ。
当時の状況を新井さん(中井取締役)、説明して。

(中井取締役)
その時までどうしても漢字で硬いイメージがあって、ローマ字・カタカナにしたいよね、と普段からコミュケーションを取らせていただいている中で、採用させていただいた経緯がある。

→ IR照会で2回ほど社名の由来の確認を試みたことがあり、どうもはぐらかされた感があったのですが、実際はこういうことだったのですね。確かに肖社長じゃないとできないご回答で、個人的には大変ナイスな質問でした。


他に質問ないか最後に確認があった後、議案の採決に入り、総会終了となりました。

(11:20)

所感

表には出たがらない肖社長のお茶目なキャラクターを楽しめたり、経営陣のチームワークをうかがい知ることができるのは、株主総会参加者ならではの特権ですね。

肖社長は元々、大きく見せる事をしないですし、強い言葉も使われないタイプの方なのですが、参加者は皆、お言葉の端々から、先行きに対するこれまで以上の確かな自信を感じ取られたのではないでしょうか?

質疑応答まではわずか11分。
その一方で質疑応答は時間をたっぷり取っていただいたことで、皆さんから様々な方面からの質問が出て新しく分かったことも多々ありましたし、4名の社内取締役全ての方からお話を伺うこともでき、大変充実した総会でした。

評価は当社としては初の、★★★★★とさせていただきます。

(終わり)

参加者が増えた暁には、株主総会後に役員の皆様との懇親会をやっていただけたら嬉しいです。
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コメント

  1. なりさん より:

    社名の由来が、ただわかりやすさや呼びやすさ(?)で社長の子供時代のあだ名から来ていたというのは衝撃ですね。
    社名に込めた社長さんの本当の想いは創業時の「直通企画」の「売場と工場を直接つなぐ」という方にあったというのが何か印象的でした。
    確かにこの会社の事を考えると「売場と工場を直接つないでいる」気はしますが、諸々会社と株主のラインはまだまだといった感じが残念な気がしました。天下のろく助さんが2回聞いてもはぐらかされたりとか、回答に時間がかかっていたりしているところを考えると、色々改善の余地はありそうですね。

    • 6_suke より:

      コミュニケーションの部分は確かに課題があり、同時に伸びしろも感じられる部分ですね。

      微力ながら、よい働きかけができればいいなと思います。

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