ナカニシ株主総会2024(3)質疑応答その2・所感(★★★★★)

株主総会・説明会

質疑応答の続きです。

質疑応答(2)

【質問6】
1.昨年10月末から11月初め頃だったか、株価は3,500円あったのがガツンと2,500円くらいに急激に下がり(会場笑)、私は慌てて買い増したが、この落差というのは何が原因だったのか教えていただきたい。

2.配当性向についてだが、69期は40.3%だったのが72期(2023/12期)は18.7%に下がった。これは分母(EPS)が大きくなって率が下がったということなのか? 


1⇒
(中西社長)
株価の急落について説明する。
まずDCI社を買収したのが8月だが、その際に年度末の業績修正を、大幅な上方修正という形でした。
その後、我々の意に反して、アメリカのデンタルチェア市場が10月以降に急変し、DCIの売上が激減した。
また、DCIにとっても一番大きなお客様である、ディーラーのHenry Sheinがサイバー攻撃によって出荷が止まってしまった。
このダブルパンチを受けてDCIの売上・利益が大幅に下がったことが判明したので、11月には大幅に下方修正した。
この下方修正が嫌気され、株価が急落した。
予見ができなかったのは、我々経営陣の不徳の致すところである。

→ このこともあって、想定為替レート(1ドル=135円、1ユーロ=150円)からして、今期予想については相当慎重に組んでいると見ています。

2⇒
(財務担当:鈴木執行役員)
72期の配当性向が下がっていることの背景として一番大きいのは、特別利益によるもの。
当期利益228億円のうち半分の114億円は、キャッシュの入ってこない会計上の利益で、税金も関係ないもの。
これを外して見ていただくのが一般的な考え方で、キャッシュが入ってきたものに関して株主の皆様に還元させていただくという考えを持っている。
この114億円を外していただくと、配当性向はざっくり倍くらいになる。
還元の割合としては、「実入りのある収益」からすれば安定した配当をさせていただいていると考える。

【質問7】(質問6に追加する形で)
招集通知に「増加する剰余金の項目とその額 別途積立金30億円」とあるが、これは内部留保的なものであって配当に回してもいいのではないか(会場笑)という考えもあるかと思うが、企業買収などに充てる予定などあるのなら教えていただきたい。



(鈴木執行役員)
この別途積立金は、意味としてはご指摘の通り内部留保に近いものになる。
我々の考え方としては、配当・自社株買いといった株主還元と内部留保とを半分半分にしようとしている
状況に応じて、内部留保の中から配当や自社株買いにも柔軟に対応していく用意はあるが、会社の成長のため、工場への投資やM&Aには内部留保は必要となるものなので、その点はご理解いただきたい。
繰り返しになるが、状況によっては柔軟に対応していく。

【質問8】
DCIの買収に関して。
買収効果を可視化するために、既存顧客のリプレイスと新規開業のお客様向けの売上を分解して開示いただくことで、株主もシナジー効果を実感しやすくなる。
そういった形での開示は可能か?



数字に関しては把握しづらい、計算しづらいこともあるので、控えさせていただきたい。
売上を伸ばすためにDCIを買収したので、我々の北米の売上を見ていただければ、増加分について想像していただけるのではないかと思う。

→ 直販ではなく代理店経由なのもあり、正確に把握することは難しいということなのでしょうね。

【質問9】
今日出席の皆様から色々な意見が出、大変為になった。

販売に携わっている者だが、昨今の海外の展示会において、ナカニシさんほど広告を出している企業は他に無い。
ドイツでも、ドイツ企業並みに打っている。

今年の保険収載の改定において、その中にも口腔バイオフィルム感染症や訪問診療の強化があり、その商品群にナカニシさんが注力されているものがある。
構成部品等も昨年あたりから納期が改善され、今年は流通において期待できると感じている。
新製品にも期待している。

また現場においては、女性社員で歯科衛生士の資格保有者の方が非常に多くいらっしゃったりと、ダイバーシティが進んでいるとも感じる。

今後ますます期待ができると思っている。

(応援メッセージでした。社外の方から見た、現場レベル貴重な情報です。)


ありがとうございました。

【質問10】
今朝テレビで中国事情について見てきた。
アステラス製薬のように、従業員が拘束される事例が発生している。
ナカニシさんも中国に工場を作られたが、(1名いることをその場で確認後)駐在員が拘束されるケースも考えられる中、安心・安全に働いていただくために、どのような対策を講じているか?



駐在員は1名、中国のオペレーションのトップを務めている。
彼は奥様も中国人で中国語もペラペラで、ご懸念される事情については一番良く分かっている人物。
まず捕まらないような行動を取ることに加え、会社としても保険をかなり掛けている。
事業展開するにあたっては彼がいないとオペレーションは回らないので、個人としては中国当局に目を付けられない行動を取ることに尽きる。
ヘルスケアに関わる会社として、目立たないようなオペレーションをすることが一番で、万一の時にもそれなりの対応はできるようにとは考えている。

【質問11】
1.人口の伸びが著しいインドにおける市場拡大のため、どういった手を打っているか?

2.2024年度の売上総利益率が悪化する要因について教えていただきたい。


1⇒
(中西社長)
インド市場には、30年以上前から参入している。
現在、インドではNO.1,NO.2の、2つのディーラーさんがパートナーとしてやって下さっている。
当社のシェアはNo.1で、売上も順調に伸びている。
インドの急速な経済発展とともに、ディーラーさんとタイアップしていきながら、シェアを上げていきたい。

2⇒
(鈴木執行役員)
粗利益率については、2023年度実績が63.2%、2024年度計画は61.8%ということで、低下する形で計画している。
その背景には二つある。

一つは、想定為替レート。
昨年の実績がドルは140円、今期の予算は135円ということで円高設定。
弊社の場合、モノを作るときは円で支払い、海外にはドルやユーロで売る。
円安になると利益幅が膨らみ、円高になると萎む。
この予算のレートは保守的過ぎるが、昨年より円高で設定しているので、「計画上は」利益が減る形になっている。
ただご存知のように米ドルは現在135円どころか150円を超えているので、逆に振れてくる可能性は高い

もう一つは、労務費の積み増し。
事業が大きくなってきているので人を増やしたいということと、昨今言われているように給料を上げていかないと人を採用できないということもある。


以上で質疑応答は終了。
決議を経て、閉会。
(14:52)

選任された取締役・監査役の紹介があり、解散となりました。
(14:53)


なお、この後15:16御幣岩橋発のバスに乗ったのですが、公共交通機関を利用しての参加者は計3名だった模様です。

所感

中西社長のご説明はとても丁寧でしたし、現状の株価に不満をぶつける株主もおらず、大変居心地の良い株主総会でした。
「NSKミュージアム」を見学できたのも良かったです。

おそらく、当社にとってもこの栃木県の鹿沼という地は、多少の失敗はあっても応援してくれる地元のステークホルダーに囲まれながら事業を営むことができて、居心地の良い場所なのだと思います。
今回現地を訪れてみて、それを実感致しました。

当社は成熟した高収益企業としてその地位に安住することもできたはずですが、ここに来て相次ぐ企業買収によりドライブをかける形で、北米・中国で積極的にシェアアップを図っていく方向性を明確にしました。

その心意気・チャレンジ精神を私は高く評価したいと思っています。
ここが勝負所ですね。

株主総会の評価は、★5つとさせていただきます。


(おまけ)
最後にこっそりと総会のお土産を紹介させていただきます。

いただいたのは、日光の「明治の館」さんの…

「チーズケーキ日瑠華(ニルバーナ)」!でかい!

要冷蔵のため、早めに家に持ち帰らなくてはなりません。
遠方からの参加には不向きです。

レモン香るサワークリームのさわやかな酸味と、上質なクリームチーズとのハーモニーが素晴らしく、極上のチーズケーキでございました。

自分が過去いただいた総会土産の中で、最高レベルですね。
貴重な情報を得られた上に、こんな逸品までいただけるなんて、ありがたき幸せ ・゜・:.。..。.:*・゜

(終わり)

「歯医者のゲーム」ということで、「稲妻が輝く瞬間」に居合わせられるようにバイ&ホールドでいきます!
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