質疑応答の続きになります。
質疑応答(2)
【質問8】
米国で例があるような、取締役会の模様のディスクロージャーをお願いしたい。
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ご意見として承り、検討致したい。
【質問9】
地域密着は海外展開においては難しい取り組みと考える。
中南米では無印を真似た中国のブランドによって、本来得られた収益が取られている。
商品は強いとみているが、地域によってはモノはモノで割り切って進めていくやり方があっても良いのでは?
⇒
地域密着のためには、生活を支える商品として、商品そのものが良いことが絶対条件。
手に取りやすい、ちゃんとした商品を提供できるように、生産体制も整える。
さらに、仮に価格だけで買われるのだとしても、背景をしっかり作り込んでいく。
環境に良い、途上国の発展につながるといったような。
サプライチェーンを作り、それらを組み合わせてやっていく。
価格が手頃なだけでなく、後から「こんないいことをやっているんだ!」と気付いていただけるような、そんな事業構造を作っていきたい。
【質問10】
堂前社長には、退任される松崎副会長について、その功績や人物の紹介をしていただきたい。
またご本人から退任のご挨拶の言葉をいただきたい。
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ご本人からの挨拶については、後ほどの時間で。
松崎さんは20年前移られて(注:入社は2005年)、海外事業をほどんど1人から立ち上げて大きく伸ばされた。
その後、グローバル展開できる仕組みを作り上げられた。
中国事業の収益を大きくするのに、チーム作りからやられた。
こうして作り上げられたインフラの中で、40年前の理念に立ち返り、世界中に理念を広げていく。
人材の教育を含めて、しっかりやっていきたい。
【質問11】
出店はリアル中心だと思うが、ECをどう成長させていく?
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(EC・デジタルサービス部 ミヤザワ?氏)
EC拡大に力を入れていく。
今期は集客、そして広告、アプリのお知らせ等で商品情報をしっかり伝えることに注力する。
サイトを見に来ていただき、ご購入いただける環境作りに努める。
(ITサービス部 クボタ氏)
組織体制を強化し、エンジニアの採用も強化している。
ご期待いただきたい。
(堂前社長)
良品計画をテックカンパニーにしようという意気込みでいる。
世界を良くするサービスを、テクノロジーを活用して作っていきたい。
【質問12】
東アジアの従業員数が4,866名(合計9,175名中)と非常に多いが、その理由は?
また人権を大事にしているとのことだが、多様性ある方々に対してどうケアしているか?
⇒
(人事担当 ツジ氏)
従業員数が多いのは、中国の店舗の人員。
第二創業を支える人材は非常に重要。
多様性を維持する働き方の仕組みとして、フレックスやリモートワークはじめ、様々な制度の導入を行っている。
ケアの部分として、健康・メンタルの施策を考えている。
具体的には担当医の人員の強化など。
(堂前社長)
国によって労働基準は違う。
日本の従業員数はフルタイムの人数のみで、パート・アルバイトは但し書きをしてある。
一方、中国ではほぼ全ての人が該当する。
【質問13】
中期経営計画(最終年度2024/8期)の達成の状況についてお伺いしたい。
店舗数・売上高はキャッチアップできるかなという印象だが、利益はついていっていない印象で難しいかなと感じる。
利益を圧迫している主要な要因と、それに対する打ち手は?
⇒
(堀口執行役員)
まず今期の計画をしっかり遂行していきたい。
中期経営計画は出店で収益を積み上げていく。
利益面の進捗が芳しくないのは、粗利益率の悪化が主因。
競争環境の悪化や社会変化もあったが、商品そのものが弱かった。
商品力の強化が一番であり、大胆な入れ替えを行っていく。
2021/8期の水準まで粗利益率を良化させたい。
そうすることで、計画達成に近づいていく。
(堂前社長)
粗利益率の低下は、10年前、20年前に作られた商品で顕著。
今まではそれらでずっと食ってこられた。
競合も激しくなる中で、値下げして対応したのが間違い。
もう1回見直して、社会が良くなる商品を作る。
商品を価値のあるものに変えられるよう、作り替えていく取り組みを行っている。
秋にはそこの部分を大きくして、来期に臨む。
全部変えていくつもりだ。
→ 定番商品に胡坐をかいていたツケが来たということですね。しっかり反省のコメントもありました。迷走気味だったアパレルも、変わっていく期待が持てる印象です。
【質問14】
身体が不自由な方の雇用について、国内でどのような対応をしているか?
⇒
(人事担当 ツジ氏)
人事は多様性の観点から推進しており、身体の不自由な方についても、本部・店舗に関わらず積極的な採用を行っている。
法定を大きく上回る3.6%超を採用しており、今後も積極的に進めていきたい。
株主総会の質疑応答は以上で終了。
議案の決議を経て、11:04閉会となりました。
その後、新任の役員紹介と、任期満了となる役員のご挨拶がありました。
(遠藤社外取締役)
10年務めさせていただいた。
海外展開が加速する時期に立ち会わせていただき、感謝している。
これからも世界中の人々に愛されるでMUJIであって欲しい。
株主として引き続き応援させていただく。
(松崎取締役副会長)
在任中、とりわけ社長在任中、色々な方に支えていただき、改めて御礼申し上げる。
堂前社長からは過分なお言葉を頂いたが、多くの課題を残してしまったのも事実。
現経営陣が引き継いで第二の創業を成功させて欲しい。
引き続き株主の皆様には、良品計画の応援の程、宜しくお願いしたい。
(以上)
所感
休憩を挟んだ後「株主ミーティング」となりますが、一旦ここまでの感想を。
堂前社長のお話ぶりからは、まるで創業者一族のようなパッションと責任感の強さを感じました。
(ヘッドハンティングにより良品計画に来られたのは、2019年です)
質疑では各部門の責任者からのお話もありましたが、形式的であったり質問者の意図に十分応えられていないなと思われる箇所では、すかさず堂前社長がフォローを入れるなど、頭の回転の速さも感じました。
さすがファーストリテイリング時代、柳井さんとやり合っただけのことはありますね。
総会運営自体は、割とシンプルでした。
そこそこ質問も集まりましたが、比較的穏便に終わった印象です。



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