丸井グループとは株主として結構長い付き合いになりますが、株主総会に参加するのは実は初めてです。
共創経営レポートを始め各種資料が充実し過ぎていて、それで満足してしまっている自分がいたりして。
それでも「まあ一度くらいは本社に行ってみるか」ということで、今年は参加してみることにしました。
株主総会
案内の女性の方々は皆フェイスガードをしておりました。
そしてデパートの販売員さんのように低いところから入る「ぃらっしゃい(ま)せ…」の挨拶が、いかにもという感じで面白かったです。
会場は90弱の席が設けられており、出席者は約20名でした。
議長は青井社長。
冒頭に、これまで対話重視の総会運営を行ってきたものの、本年に限り座席の間隔を開け時間を短縮すること、出席は社内取締役・社内監査役に限ることについて、ご理解いただきたい旨のお話がありました。
監査報告は藤塚常勤監査役より。
事業報告はスライドを使いつつ青井社長より。
コロナ危機への対応や、今後の方向性(有形投資から無形投資への長期的シフト)について重点的に説明がなされ、この辺は良かったと思います。
議案は以下の4つでした。
- 剰余金の処分の件
- 取締役8名選任の件
- 監査役3名選任の件
- 補欠監査役1名選任の件
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質問は主に管掌の取締役が答える形でした。
Q
今年は株主総会の来場を控えるように求められ、私もインターネットでの同時配信がなされれば来るつもりはなかった。ぜひ検討して欲しい。
日産などは対応していたようだが、御社はホームページに掲載することを含め、対応していく予定はあるのか伺いたい。
A
(青井社長)
貴重なご意見に感謝する。
ネット総会も検討したが、本年は準備が難しいと判断した。
ご要望については理解できるし、地方にお住まいの方のことも考え、今後ネットでの同時配信も検討して参りたい。
Q
1.紙袋はある種のステータスだと思うが、有料化されて袋無しで買われている方の割合を知りたい。
2.tsumiki証券は設立から3年目になる。3年で黒字化と聞いていたが、現状を教えていただきたい。
A
(加藤取締役常務執行役員)
1→
紙袋の有料化は7/1からの予定。
先行してスタートした食料品では8割が袋無しで買われていて、同様の数字を予想している。
2→
口座開設の申し込みは1年半前から。
現在までで3万2千人の方から申込をいただいている。
黒字化は5年目を予定していたが、その目標を動かすことなく努力して参る。
Q
有形投資から無形投資へのシフトというお話があった。
私自身、丸井さんも投資しているクラウドクレジットに出資しているが、アフリカでデフォルトを起こしている。
話を聞いていると、同社は考えが甘いのではないかと感じている。
これは一つの例だが、丸井さんのベンチャーへの投資を決める基準と、そこにどういう視点を持っているのか知っておきたい。
また、クラウドクレジットへの投資に対するチェックはどのように行っているのか、教えていただきたい。
A
(加藤取締役常務執行役員)
まず投資先の選定基準だが、経営理念に共感できるか、本業との協業が可能であるかという点でふるいにかけ、その上で調査を進めている。
クラウドクレジットに関しては案件の内容を確認しており、一部うまくいっていないものがあるのは承知しているが、全体としては成功しているという認識。
tsumiki証券とのコラボ商品をつくりたいと考えており、ファイナンシャル・インクルージョンのお手伝いができればと思っている。
→ 無形投資の投資効果を外部からどうモニタリングしていけばいいのかは、投資家の立場からしても今後の課題であると感じました。
Q
店舗の運営について、オンラインとオフラインをどう戦略的に使い分けていくのか。
A
(青木取締役上席執行役員)
デジタル化の進展で、リアルとの主従が逆転するアフターデジタルの時代に入ってきた。
ネットでは味わえない体験を提供することが店舗の役割になっていく。
体験型の店舗は現在38%のところ、将来は60%へと持っていきたい。
所感
青井社長からの「選任いただいた経営陣の下、共創経営に取り組み、より一層の企業価値の向上を目指して参ります」との締めの言葉で総会は終了。
丸井グループならではのまとめ方でしたね。
総会全体の印象は「(良くも悪くも)無難」といった感じです。
通常の年であれば、もっと活発な質疑応答があったかもしれませんね。
優れたIRでいつも表彰されている会社だけに、ちょっと事前の期待が大きすぎたのかもしれません。
ということで、評価は★★★☆☆としておきます。
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