忘れないうちに株主総会の記録も残しておきます。
前田工繊は「国土強靭化」ど真ん中で、またM&Aによる事業分野の拡大にも意欲的であり、人材・技術の融合も含めて内部成長と外部成長を組み合わせながら、まさに「長期安定成長」を実現している企業です。
「配当は気持ち程度に止め、お金があったら事業への投資に優先的に回しますよ」というスタンス(明確には言っていませんが)も気に入っており、昨年の9~10月で集中的に購入、現在は「ろくすけカブス」の一員です。
ただ、前回の株主総会はギリギリ権利取得に間に合わなかったんですよね(9月20日決算というのを忘れてて…)。
今回が初参加となります。
株主総会
1席ずつ空けた74席に対し、参加者は40名程度。
役員は全員同じマスクを着用です(たぶん当社製なのでしょう)。
社外取締役の席に、元SHOEIの山田勝さんがいらっしゃいました。
久しぶりにお見掛けしましたが、お元気そうでした
ただ御年75歳で前田征利会長と同い年ですから、月日の流れは感じざるを得ませんでしたね。。
昨年だったらカルビー元会長の松本晃さんもいらっしゃったのかと思うと、惜しいことをしました。
地方企業ながら社外取締役に大物を呼べるあたり、会長の交友関係の広さがうかがえますね。
仲介業者を使うことなく良質なM&A案件の情報を集められるのは、そういった人的ネットワークに拠るところもあるかもしれません。
議長は会長で、監査報告も会長が簡潔にされていました。
事業報告は、招集通知記載のものを簡潔にまとめたスライドに、社員の女性がその場でナレーションをするという珍しいスタイル。
決議事項は以下の2つです。
- 取締役5名選任の件
- 会計監査人選任の件
→ トーマツから清稜監査法人への変更。聞き慣れない監査法人ですが、シマノがクライアントになっているので問題ないでしょう。
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質疑応答は会長が対応されていました。
しばらく誰も質問しなかったので、仕方なく私が口火を切ることにしました。
Q
昨年ヘルスケア事業に参入されたが、不織布で医療業界と関わりがあるとは言え、やや唐突な印象を受けた。
参入のきっかけを教えていただきたい。
A
カルビーの会長をされ、現在は療養中だが十数年来の友人で、社外取締役でもあった松本晃氏の薦めによるもの。
彼はジョンソン・エンド・ジョンソン(株)で社長を務めていた経緯があり、医療分野に非常に詳しく人脈もある。
彼がスイスの会社の社長を紹介してくれた。
「ものづくり」という面でも非常にいいなと。
いま治験を進めているところで、2年後にリリースできると思う。ご期待いただきたい。
→
やはり松本さんだったのですね。
当社はM&Aを利用し、既存事業とのシナジーだけでなく、事業領域の拡大を目指しています。
とりわけ次の柱として農業と医療に期待しているようで、今後、この末梢動脈疾患治療器具に続く買収案件が出てくるかどうかが注目されます。
その点からすれば、松本さんの退任はご病気の関係とはいえ残念でしたね。
Q
御社は(人材と技術を)「混ぜる会社」を標ぼうしている。
その割には取締役は全員男性で、ダイバーシティという面ではいかがなものか。
A
女性の登用はいつも考えていて、忘れたことはない。
部長級ではいるものの…
いい人がおられたら、ぜひ紹介していただきたい。
質問は以上の2つだけでしたが、「今回は遠方から来ていただく方も少なく、いつも質問される方もお見えにならない。せっかくの機会ですのでぜひ」と、会長としては物足りなく感じていたようで、出席者に質問を促す場面もありました。
株主との対話に前向きなのは好印象です。
所感
質問が常連さんがいなかったためか、意外と出なかったのは残念ですし、それ以前に各事業の展望について会長なり社長なりのお言葉が聞きたかった気はしますね。
その辺りに関しては、どうしても技研製作所と比較してしまい、物足りなさは否めず。
会長のお人柄を確認できたのは良かったのですが、評価としては少し厳しいかなとも思いつつ、今回は★★★☆☆に近い★★☆☆☆としておきます。
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