良品計画株主総会2022(3)株主ミーティングその1(★★★★☆)

株主総会・説明会

(株主総会の様子はこちら[][])

11:20からは「株主ミーティング」ということで、これからの無印良品のあり方を株主と一緒に考える場が設けられました。

だいたい2/3くらいの方が帰られたので、残った株主はコアなムジラー主体の約200名ということになるでしょうか。

前回までは役員の方々もスーツ着用だったそうですが、今回は無印良品の商品を身にまとい、皆さんカジュアルな装い。

堂前社長のご挨拶、金井会長と岡崎上席執行役員(衣服・雜貨部、産地開発·素材開発部、生産部 管掌)によるプレゼンの後、株主とのフリーディスカッション(質疑応答形式)という流れでした。


まず堂前社長からのご挨拶は、株主だけでなく地域の方々と直接対話する機会も今後設けていきたい、厳しい意見もどんどん寄せて欲しいといった内容でした。

上記のお二方のプレゼン、及びフリーディスカッションについては、なにせ長丁場でしたので要点をまとめる形にしたいと思います。

当社の目指す方向性について(金井会長)

社会の違和感と戦い続ける企業を目指して

1980年に消費社会へのアンチテーゼとして生まれた無印良品は、堤清二氏の複雑な生い立ちを抜きにしては語れません。

その背景を教えていただいたことで、「権力や体制に対する疑念と、弱い者、小さいもの、儚いものへの眼差しから、望ましい未来と普遍性を探り当てる思考とデザイン」が根本にあるとの説明に納得がいきました。

土着化、地域との関係性の大切さについては、3.11で痛感し、それが生活圏に役立つ店舗づくりへとつながっていったようです。

超長期的には、「人口が半分くらいになっても、そこである程度『感じ良く暮らせる』社会構造を創っていく必要がある」との思想に基づき、経済・環境・文化の3つがバランス良く支え合っている社会、「自分のエネルギーを出し惜しみしない社会」に向けて活動していきたいとのことでした。

他には世界の大きな潮流・環境認識についてのお話や、「公的人本主義経営」(「オーナーシップを持った社員を事業活動の主役に据え、地域に根差した個店の活動、個々の社員や事業関係者の活動が公益に寄与する」とした経営の在り方)についての説明がありました。

「良品計画は、感じ良い未来に向けた社会プロジェクトを推進します」とのことで、自社に留まらない社会ムーブメントを意識しているようです。

金井会長のお話は総じて大局的なものでしたが、このベースがあってはじめて、これまで、そしてこれからの「無印良品」の取り組みについて、深いところで理解できるようになるのでしょうね。

衣服・雑貨の商品開発について(岡崎上席執行役員)

「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」をさらに深堀りしながら見直し、「わけあって安い」を実現していきます、とのお話がまずありました。

この3つは社内では「憲法」とされているようで、実際に統合報告書でも繰り返しセットで出てくる用語となっています。


これからは多くの方々、全国のどんな方にも買っていただける商品構成とし、オーセンティックな(本物の、正統派の)定番品を手にとりやすい価格で提供することを目指していくそうです。

これまでの反省として、以下を述べられていました。

・一部のファッションに感度の高い層ばかりを向いていた
わけもなく安くしていた
・プロダクトのようにただ置いてあるだけだった
・どういう時に着ていったらいいか、提案できていない

これらを踏まえ、2年以内に調達構造を変更し、業界トップクラスの人材を多く参加させ企画を強化するとのことです。

そして、他社に価格で引けを取らない、十分オシャレな定番品を用意し、シーンを想定しながらどういうスタイリングができるのかコーディネートで提案していくような、わかりやすい売り場作りをしていきたいとのことでした。

また認知拡大への取り組み(店頭・雑誌・ネットでの情報発信)にも注力するとのことで、特にリユース・リサイクルへのこだわりが伝わっていないという問題認識があるようです。

他社と違うのは工場やメーカーで余っている素材(くず糸のようなものを含めて)を使い切る点で、コストを抑えエネルギーの削減にもつながるとのことでした。


2023SS展示会にて、「わけあって安い、暮らしを支えるオーセンティックな定番品」を完成させるとのお話もありました。

新しい定番品で具体的に示されたイメージは以下の通りです。
・外出・通勤需要にも十分対応できるような、現代社会に合った最適な素材を使用
・洗濯しても型崩れしないニット、冷感・UVカットで肌離れの良い(東南アジアでも売れる)商品
世界中の知恵に学び、天然素材を活かした機能性のある商品(低環境負荷で軽いカポック、ヘンプ等の素材を活用)

見せ方も工夫していくようで、これまでのいかにも無印っぽい地味な色合いだけなく、カラーバリエーションを増やし明るめな色も展開していくとのことでした。

普段着でも使える運動用の商品も来年から出していくそうで、春からは色々と商品に変化も出てきそうです


お話からは総じて、これまでの反省を踏まえた取り組みをしてきているという印象があり、目指している方向性には好感が持てました。

次回はいよいよ「無印良品」に焦点を当てた、株主との対話になります。

(続く)

衣服も9月以降は復調の兆しを感じ取っていらっしゃるようです。今後数字にハッキリ出てくるかどうか、確認していきたいです。
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