「決算説明会 【個人投資家向け】」のパートは、窪田CFO(司会)と岩田社長のお二方が残る形でした。
冒頭に窪田CFOより、以下のご説明がありました。
- 株主総会では社長の岩田も頑張り、我々も全ての質問に対し全部答える意気込みで臨んだこともあり、運営として多少は改善できたのではないか。
- この説明会ではややこしいビジネスモデルを解説するとともに、自由に意見交換をする場としたい。
説明会での岩田社長によるビジネスモデルのご説明(一部、既に株主総会の報告事項のパートにて説明済)、及び使用した資料についてはホームページ記載の通りですので、基本的には割愛させていただきますが、以下では現場では説明があったものの資料や動画では触れられていない点、あるいは特筆すべき点について補足させていただきます。
BtoBtoCビジネス戦略(2nd)概要と進捗
(窪田CFO)
- (情報公開について)例えばイオンでは、eBASEがアプリの裏にいても、絶対にこちらからは言ってはいけないことになっている。
- 各社別々のアプリ・LINEのミニアプリが走っているが、当社が「黒子」として機能提供している所は多く、「言ってもいい」と許可をいただいたお客様の分だけ公表している。
(ちなみに、積水ハウスの「取扱説明書の電子化」については同社から公表したが、当社から言ってはダメという縛りがあった。) - 当社が裏で関わるサービスに目に触れる機会がこれから色々な場面で出てくるかと思うが、「これってeBASEちゃうか?」と想像を働かせていただけるとありがたい。
- 別々のアプリでは消費者としては不便だが、先々では裏に隠れた当社に情報が集まってくる仕組み。
家電・ドラッグストアー・スーパー等々、バラバラではなく一つのアプリで見れた方がいいに決まっているので、いずれは集約されていくことを期待している。 - コストコ(下記)は、木更津店でまずテスト導入。
米国本社の社長から「素晴らしい」と評価を得たこと、SNSでコストコマニアの主婦の方々にバズらせていただいたことで、全国展開に。
風が吹けば、あっという間に普及するという例。
デモ実例1:コストコホールセールジャパンの「e食住なび for DX」(フードコートで活用)
- 元々、惣菜ラベル用に「FOODS eBASE」が入っていた。
- 従前はフードコートの食品のアレルギー表示に関して紙で案内していたが、スマホを使った仕組みに当たり前のように切り替えていただいた。残念ながら、この辺りは外資の方が割り切りがいい。
デモ実例2:ヤマダ電機の「e食住カタログ多言語版」
- 店内POPの二次元コードをカメラアプリで読み込むことで、「e食住カタログ」へ誘導、商品の詳細情報を確認可能に。
- 今後は、2、3の商品を比較できるようにしたり、クーポン発行を可能にしたりする方向で準備中。
デモ実例3:マキヤの「e食住ちらし」
- 新聞とともに折込チラシがなくなる未来を視野(「未来のチラシ」)。
一品一品が見やすく、検索・絞り込みも可能。 - この仕組みがあればスマホに届けられるので、分ごとのタイムセールの告知も可能。
また、特売されている商品のレシピを確認しながら買い物をすることも可能。
「e食住ビジュアルレシート」(資料P.40)
- 既存の電子レシートは、紙のレシートがPDFとして見えるだけ。領収書代わり。活用度合いが低い。
(→ それゆえに「ビジュアルレシート」は画期的なものとなる。)
特許戦略(P.42)
- B2B2Cとしては後発だが、アプリをリリースしても真似られない強みとして、
①商品データを押さえていること
②特許が牽制になっていること
がある。
実際、大和ハウス工業が有する技術特許を無効化する特許を得たことで、我々のものを使うしかない状況を作ることができた。
質疑応答
株主総会が長引き時間が押しているので、質疑は1つか2つとさせていただきたいとのことでした。
(これは仕方ないですね)
【質問1】
今後の展開が想像できて楽しかった。質問は2点。
- コストコの例を見ると、外食からの引き合いもあるのでは?
- アレルギー情報のデータ入力ミスが怖いが、リスクヘッジや責任の所在について教えていただきたい。
1⇒
仰る通りで、デモを作って持っていきたいと考えている。
2⇒
間違うと大変なので、「食材えびす」には「メーカー」に登録いただいた情報を載せている。
それでも数字打ちで間違いがある可能性は残っているので、当方でもそこをAI分析でチェックし、ウォーニングが出たらメーカーに押し返すなど、二重三重の要求を経たうえで開示している。
【質問2】
特許戦略は元々やっていなかったと思うが、自分たちでやっているのか、どこかに協力を依頼しているのか?
⇒
(窪田CFO)
アイデアの源は会長だが、経営陣の3人とも凸版印刷の情報系の研究所にいたため、実は特許が大好きなカルチャーがある。
ただベンチャー企業としてまずマーケット開拓を優先してきたために今まではやってこなかったが、B2B2Cを推進していくにあたり、(会長の)頭の中から出してきて、ブワ―ッと特許申請を行っていったという経緯。
以上で説明会も終了です。
(15:48)
所感
今回の株主総会から決算説明会までの一連の記事を読んでいただくと、既に当社のビジネスについてある程度理解が進んでいる方にとっては、今後の展開もある程度可視化されるような、充実した内容であったことがお分かりいただけるかと思います。
(逆にまだそうでない方にとっては、わけのわからない内容だったかと思いますが…)
常包会長のお話は、「3年以内にROE20%を超えること」(「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」より)とも符合している気がいたしました。
今回は特にその内容もさることながら、運営方法を変える等、経営陣のお三方の意気込みが感じられたこと、役割分担をしながらそのチームプレイによって説明を尽くしていただいたことに、大変好感を抱きました。
質疑においては質問者の皆さまのビジネスに対する理解度も年々高まってきている印象で、それも実のあるご回答を引き出すことにつながったのだと思います。
以上を踏まえ、eBASE史上最高(前回から更新)の株主総会という印象で、評価は★★★★★とさせていただきます。
(終わり)
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コメント
ろくすけさん
お久しぶりです。
レポート、ありがとうございました。お疲れ様でした。
おかげさまで、総会の雰囲気が自分の肌で感じられたような気がしています。
当社のB2B2Cビジネスをもっと期待するようになっています。
臨場感のある記事をお届けできたようで何よりです。
励みになるお言葉、ありがとうございます。