ストックビジネス、無借金(高い自己資本比率)、高配当、低PERみたいな企業、よくありますよね。
安全志向でこういった企業に好んで投資する方も多いかと思います。
でも私は、せっかくストックビジネスを営んでいるのであれば、ガンガン有利子負債による調達を行う企業に投資したいと考えています。
なぜか。
「投資による利益が確実に見込める=返済が確実に見込める」ですから、金融機関も貸したくて仕方がないという状況があります。
できるだけその有利な状況を活かし、成長機会を貪欲に追及して欲しいのです。
それをやらないのは、もったいなくも思えてきます。
例えば、地方エレベーター管理会社の買収資金(ジャパンエレベーターサービスHD)や、企業向け貸し農園開設資金(エスプール)としての調達は、その後の定期収入で返済するという組み立てが容易です。
いくらでも金融機関は貸してくれることでしょうし、そのためにM&Aや用地の情報も進んで提供してくれるでしょう。
カーブスHD(コシダカHDの傘下時)の米国カーブス総本部の借入金を活用した逆買収も、当時はロイヤリティ支払を消しながら経営の自由度を高めることのできる好判断であったと思います。
ストック収入メインで6~7年で返済できる計算が立ちましたから、184億円の買収も全額借入金で賄うことができました。
株主資本コストと比べると有利子負債のコストは極めて低いです。
調達が容易で返済も難なくできるようなストックビジネスを営む企業であれば、企業価値向上のためにも、信用面に不安を与えないレベルにおいて、積極的に有利子負債を活用すべきだと考えます。
財務の安全性への過度な配慮は、こういった企業の場合は不要です。
ということで、私が探しているのは、ストックビジネスを営む、自己資本比率が「低めの」企業です(20~30%前後が好み)。
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コメント
いつも貴重な情報をありがとうございます。私の銘柄選定の基準としてやはり有利子負債は嫌っていましたが、確かに安定した収入が見込めるのであればリスクは少ないと言えますよね。
視野を拡げることができました。ありがとうございます。
一つ質問よろしいでしょうか。
記事に「株主資本コストと比べると有利子負債のコストは極めて低い」とございますがどういうことでしょうか?私の勉強不足で恐縮ですがご教授いただけますと幸いです。
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
資金調達の手段によって、企業側から資金提供者側に還元しなければならないリターンが変わってきます。
有利子負債の場合は、調達額に対して通常0~2%台程度の金利・手数料を支払えばよい形になります。
一方、株式の場合は、元本毀損リスクをより大きく背負っている分、インカムゲイン+キャピタルゲインとしてもっと高いリターンを還元しなければなりません。
企業によって水準は大きく異なりますが、企業側としてそれをコストとしてとらえる考え方があり(7%前後で見積もられることが多い気がします)、これを株主資本コストと言います。
株主資本だけでなく、そこに有利子負債も信用面に不安を与えない程度に絡めることで、トータルでは効率的な調達ができます。
高いリターンが見込まれる事業機会があれば、低コストでの調達を積極的に利用することで、その分付加価値をより創出できるという考え方です。
6_suke 様
具体的な説明をいただきありがとうございます。理解致しました。
今後の銘柄のpikupに幅がだせそうです。
今後も記事のup楽しく拝見いたします。