長期投資の魅力にハマってしまうと、それを絶対視してしまい、他の市場参加者、特に投機家(トレーダー)の存在を軽視してしまいがちです。
でも、それはとってももったいないことだと思っています。
投機家は市場に流動性を与えてくれる存在であると同時に、投資家に利益をもたらしてくれる存在でもあります。
逆に投機家にとっての投資家は、価格形成に一定の規律をもたらし、過度なボラティリティから守ってくれる存在であります。
持ちつ持たれつの関係であり、またお互いに学ぶべきものがあると考えています。
ここで、以前とりあげた引用を再掲します。
株価は欲望と恐怖のはざまを這い上がるといわれています。ある企業の価値は欲望の側から光を当てると影が大きくなり、恐怖の側から光を当てると小さくなります。そしてその影は毎日、毎秒、変化しているのです。
岡本和久『お金と心――200パーセントのしあわせ持ちになれるシンプルな生き方 』
株式の本源的価値が実体とすれば、株価は影。
この影を映し出す光にあたるものが、市場参加者の心理。
この光を作り出し、その影を追いながら売買で利益を出すのが投機家だとも言えましょう。
光の向きに応じて売買の方向を切り替えるのが、投機家にとってあるべき姿です。
影が大きくなっていく間は買い持ちし、小さくなり始めたらすかさず手放す、あるいは売り建てる。
一方、その逆をいくのが投資家です。
影が実体に比べて小さすぎると見れば買いを入れ、逆に大きすぎると見れば売る。
これによって企業価値上昇のスピード以上に、利益を得る機会を求めることができます。
(コロナショックにおいては、投機家は売り、投資家は買いが、その本来の在り方からしても正解です。)
投資家として賢くあるために、成果を出している投機家の心理や行動特性を知っておくことは、鏡を見るのと同じくらい重要なことではないでしょうか。
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