世の中「高配当株」ブームであるわけなのですが、私のほうは近年、「配当利回り」に着目して投資することはすっかり無くなっておりました。
「投資先自身の複利での価値創造が本線である」という考えが自分の中で定着してきたためで、事業で得たキャッシュフローの使い道における私の好みとしては、あくまで「本業への投資>自社株買い>配当」であります。
ただ、最近以下の記事を目にしたことで、「将来の高配当株」、すなわち「配当成長株」としての意識を持ちながら投資しておくことも悪くないなと思い至りました。
この記事で注目に値するのは、「増配率(直近20年)」です。
信越化学工業、ニトリホールディングスといった、20年で配当が数十倍になったものを見ていると、購入時点での「配当利回り」の高さに目を奪われずに、むしろ「増配率」を意識した方が良いのかなと思えてきます。
ホンモノを選んでおいて、購入元本に対する「将来の高配当株」とする。
いいじゃないですか。
大いに老後の助けとなりそうですし。
「配当成長株」の観点から
ここで我がポートフォリオ(ろくすけカブス+味の素)を、「配当成長株」という観点で見直してみました。
実際にした作業は以下の通りです。
・IR BANKさんで拾った配当推移から、年平均配当成長率を直近13年・10年・5年で計算。
(エクセルのRRI関数を使用)
・5年の年平均配当成長率と現在の配当利回りから、5年後・10年後の配当利回りを計算。
(配当成長率が今後も衰えないという、かなり甘めの前提ではありますが)
その結果が下表になります。
(上場してから年数の浅い投資先は除いています)
私の保有株の平均配当利回りは近年1%前後に留まっておりまして、「高配当株」とは無縁の生活です。
ただシミュレーション結果から将来を見据えると、また違った印象を受けます。
・eBASEは「暗黒の2期」のせいで見映えが極めて悪い(実際は程々の「配当成長株」になりそう)。
・ドーンは長期で見ればまあまあ伸びそう。
・アバントグループはDOEをKPIに掲げるなど意識も高く、「配当成長株」としてなかなか良さそう。
・HOYAは自社株買いをこれまで通り頑張って下さい。
・SHOEIは「予想以上にすごくイイ!」。
・味の素はさすがの安定感。
取らぬ狸の皮算用モード発動とはなりますが、年金を頂く頃にはなかなか楽しいことになっているのではないでしょうか!?
結論
私の投資先選定の基準において重要な要素を占めるのが、事業の「成長性」に加えて、「リピート需要」や「ストック収入」を重視したビジネスモデルから来る「安定感」であります。
これって「配当成長株」の要件そのものにリンクしているのではないでしょうか。
結論としては、今までとやり方を変えなくても、「将来の高配当株」は確保できそうということです。
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コメント
配当成長株を取り上げて頂けて、とっても嬉しいです。ありがとうございます。ショウエイは自分の持ち株でもあるので表を見て感動しました。会員サイトで、ろくすけ先生に教えて頂いた「配当成長株」のお答えを何度も考えて勉強してみました。自分なりに銘柄を探してみて会員サイトの方に銘柄相談をしてみましたので見て頂けると幸いです。私は学がなく理解に時間がかかりますが意欲はとてもあります。「愛する事のできる会社」を自分でも見つける事ができるように精進していきたいです。前回はとても貴重なご回答を頂けたにもかかわらず、間違えて「ご意見」と書いてしまってすみませんでした。感謝の気持ちを表したい一心でしたが、学がなく言葉知らずなので変な表現になってしまいました。すみませんでした。
会員サイトでWASABIさんが挙げられた先、一見したところ大変魅力的に感じました。
私も自分なりに調べてみたいと思います。
いつも色々と温かいお言葉をありがとうございます。
本の感想でひとつ言い忘れていました。
個人的には日経マネーでろくすけさんがROEの平均回帰について述べられていたものも載せて欲しかったです。
要するには経済的堀がないROEは危険である可能性がある。と言う事だと思うのですが
そうですね。
ROEは単年度ではなく、ある程度の時系列で見ていく必要がありますね。
今後何らかの機会を利用して、また書いてみたいと思いました。