「e住なび」の先行導入。
さて今回リリースされた「e住なび」なのですが、実は当社よりプレスリリースされる前から、既に世に出ていたのです。
おそらくほとんどのeBASEホルダーが未チェックであろう、以下の二つをご覧下さい。
「eBASE」「住宅えびす」が登場していますね。
お察しの通り、積水ハウスに「e住なび」が既に入っていました。
「e住なび」が提供する業界側のメリットも、このプレスリリースを読むとよく分かりますね。
元々住宅業界のニーズとして、慣例的に提供している「紙の」住宅設備機器や住宅建材の取扱説明書の完全ペーパーレス化を推進する構想があり、本件はそれを受けての開発だったのです。
ちなみに、その実際の運用開始がコロナ禍で遅れていた(「案件の先送り」)ということですね。
この中の「PCやスマートフォンで閲覧」できる仕組みがまさに「e住なび」で、電子化された「戸別の」住宅設備機器や住宅建材の取扱説明書が、プリセットされた状態での提供がなされることとなりました。
これにより、新築戸建住宅の施主・賃貸住宅のオーナー及び入居者に、広く「e住なび」が行き渡ることとなります。
(なお、有償eBASE販売+この仕組みの導入に関するアップセル分が、今期3Qまでに計上されているものと思います。)
第一弾が積水ハウスである理由。
積水ハウスのプレスリリースは11/12付と、当社からの12/6付のものからはかなり先行していました。
なぜ発表にタイムラグが生じたのでしょうか。
当社からも同時に発表できなかったのでしょうか。
これには二つ理由があります(うち一つは推定です)。
一つ目は、積水ハウスの内部規約の問題です。
他社のプレスリリースに、同社の社名等を記載することを認めないルールがあるようです。
二つ目は推定なのですが、タイムラグを作ることで、積水ハウスの顔を立てたのではないかということです。
積水ハウスといえば、住宅の施工棟数では長年トップの実績を誇っています。
住宅業界のリーダーと言っていいでしょう。
同業他社に先駆けて画期的な仕組みを導入してもらうことで先方の顔を立てられますし、その業界のリーダーゆえの購買力によって、サプライヤー(パナソニック、LIXIL、TOTO、三協立山、YKKap、サンゲツ等々を始めとする住宅建材部品・部材メーカー)が登録する「住宅えびす」内の部材情報の質・量が担保されるという当社側のメリットも大きいです。
こうして「住宅えびす」の部材情報が充実した状態をまず作っておくことで、他へ展開しやすくもなるというわけです。
ちょうど食品業界でも、同様のことがありました。
「e食なび」に先行する形で、イオントップバリュに「あれこれナビ」がOEM供給されていたのです。
住宅業界における積水ハウスを、食品業界におけるイオンと同様に考えてみると、住宅業界における今後の展開で段々と見えてくるものがありませんか?
(続く)
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コメント
すごくいい分析ですね!
これで買いたくなりました!W
自分はIT業界で仕事をしていて、ebaseさんのビジネスモデルの競争力
にすぐ感じられました。メーカさんから収集されたデータはすごく価値を持っていると思っています。しかも、メーカとebaseとデータの利用企業とむつびついているため、もはや後発参入は不可能ではないかと思っています。
同社のデータ収集のプロセスには唸らされるものがありますよね。
これまでは顧客業務の効率化(どちらかと言うと「守り」)に資することがマネタイズに結びついていましたが、どこよりも正確で詳細なデータを握っていることで、これからは「攻め」に活用することで、ますます面白い展開が待っているのではないかと期待しています。