今期重点施策の4つのうち、今回は「②中・高価格帯ブランド強化」に関して「決算補足説明資料」の内容を深掘りして参ります。
中・高価格帯ブランド強化
資料P.18にある下図ですが、皆様は前の期までとの違いにお気付きになりましたでしょうか?
実は左下の象限から、「WA!KARU」ブランドが消えております。
ここに来て低価格帯のブランドを廃し、グループ全体として高価格帯へシフトするという、今後に向けての大きな方針転換があったのです。
(低価格帯のニーズについては、ORiental TRafficでのセールやアウトレットで十分対応できるという判断もありました。)
このことを念頭に、詳しく見ていきましょう。
中価格帯 NICALの店舗数拡大
資料P.19では、NICALは前期2023/1期に8店舗(期間限定ショップを含むため、純増+7店舗)、今期に入ってからも1店舗出店していることが書かれています。
前期単体の純増+9店舗のうち、7店舗がNICALということになりますので、相当な力の入れようです。
今期春夏のイメージモデルには高橋メアリージュンさんを起用しておりますが、資料には「さらにブランド認知度を拡大させ、主力ブランドへと成長させていく」とも書いてあります。
実際の売場を見ても、卑弥呼と同じフロアであることが多く、隣同士であるケースも見られ、他ブランドと十分棲み分けはできそうです。
この方向に舵を切った理由は、「卑弥呼」の成功と市場環境の変化にあると、私は考えております。
これに関しては後述します。
卑弥呼ブランド強化
資料P.20では、従来のパンプス以外に、前期はスニーカーやレインシューズの展開を実施したこと、P.21では今春から「コンフィジェルサポートインソール」を投入したことが書かれています。
ここから分かるのは、従来から重視している「デザイン」だけでなく機能性へも目を向けたこと、そしてブランド力があったからこそ、新しいジャンルのラインナップ強化が可能であったことです。
実績があるからこそ、百貨店内での売場面積を広げることができ、ラインナップ拡充も実現できたのです。
ブランド価値の再発見
私はこの資料を通して、あるいは質疑を通じて最近最も強く感じるのは、「ブランド価値の再発見」です。
これは「卑弥呼」買収の成功体験、インフレが進行する市場環境が大きく影響しているものと考えられます。
・ブランド力があれば、値上げも通りやすい(ORiental TRafficとの差を痛感したようです)。
・新たに機能性を訴求できれば、なおさら容易(「跳べるパンプス」での成功体験もあり)。
・良好なイメージを背景に、ラインナップ拡充も行いやすい。
・よって、この市場環境下でも業績を伸ばしやすい。
こうしたことが中価格帯ブランドNICALの強化に走らせたのは間違いないでしょうし、MISCH MASCH買収にも少なからぬ影響を与えているのではと感じるところです。
(続く)
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愛南町は交通の便は良くなく、アクセス的に東京から最も遠い場所の一つと言われるのも頷けます。でも風光明媚な景色と出会った人々の温かさはそれを補って余りあり、また訪れたいと思いました(ただし、車で)。
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