「想像以上」のユニークな商品・サービスを提供しながら、小売業のお手本のような高度なオペレーションを実現しているダブルエー。
成功の裏にあるものとして、ブランドイメージを重視しているために普段表には出てこない、肖社長の経営スタイルによるところが非常に大きいのではないかと私は考えています。
・現場との気持ちの共有を優先して組織を作り上げる。
・提案できる人を信頼し、伸び伸びと挑戦できる環境を整える。
繊研新聞の以下の二つの記事からは、「直通企画有限会社」の社名に込めた想いとの一貫性を感じます。


当社は取締役(社外取締役を除く)4名中、社長を除く3名が女性で、管理職も70%が女性です。
この構成そのものが、企業文化にも好影響を与えているように思います。
・細かな変化に気付く。
・気遣いはすれど、上司に過度におもねたりせず、言いたいことはハッキリ言う。
こういった女性の特長が活かされる組織のあり方は、婦人靴という取扱商品に消費者目線で取り組めることに留まらず、「変化対応業」であるファッションビジネスを遂行する上で、非常に有利に働くのではないでしょうか。
IRに確認したところ、店長会議や全社会議など、社員が集合する会議では、1時間を超える社員から社長への質問の時間が必ず設けられ(しばしば時間もオーバーする)、意見具申や質問が闊達に行われているとのことです。
その時間で上がった議題に対しては、必ず回答を用意することが各部門長に求められており、現場の声をすぐに商品や運営に反映される文化があるようです。
医療従事者支援なども、きっとこうした文化の中から生まれてきたものでしょうね。
そんな当社のロールモデルとも言えるのが、現在は卑弥呼の社長も兼ねる、新井康代取締役です。

アルバイトから入社し、30代で子会社社長になるというサクセスストーリー。
現状の下取りやサイズ調整、修理などの店頭サービスの導入や、ブランディングにも携わっていたとのことです。
前回で説明したようなダブルエー(ORiental TRaffic )のオペレーション上の強みを卑弥呼にも忠実に再現する取り組みをされているようで、株主としては頼もしい限りです。
記事の中の、「(肖)社長はいつも『女性にはかなわない』と言っています(笑)」のくだりは面白いですね。
任せられるところはどんどん任せ、現場のモチベーションも高めつつ、自らのビジョンに基づいて締めるところは締めるのが、肖社長のスタイルなのでしょう。
今はそれどころではないでしょうが、将来的にはESGの観点からも改めて評価される可能性を秘めていると思います。
女性を重用し、迅速な意思決定を可能とするフラットな組織を既に持っています。
今回の医療従事者支援のように、社会貢献への意識もあります。
既に行われている靴の下取りを、取り扱いを始めたサステナブルスニーカーのような形で、うまく循環させることも考えられますね。
妄想が尽きません(笑)
いつの日か、この不屈のシンデレラは王室(プライム市場)に入ることができるのでしょうか。
乗り越えなければいけないハードルはいくつもありますが、これまでの現場重視を貫きつつ実現してきた成長過程と、困難に直面した際に発揮された当社のガッツを見る限り、決して不可能ではないと私は思っています。
(終わり)



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