現・PKSHA Technologyの創業者である山田尚史氏の『きみに冷笑は似合わない』を読んでいて、「これって、個別株投資においても大事なことだな」と思った箇所があったのでご紹介します。
「信頼はお金に換えられるが、お金で信頼は買えない」という節の中の、ビジネス上の信頼に関する以下の文章です。
単純化すると、ビジネスにおいて、信頼は「相手の期待値を少し上回る」ことを繰り返すことで得られる。
山田尚史『きみに冷笑は似合わない』
逆に「相手の期待値を少しでも下回る」ことで信頼は毀損する(念のため付け加えると、ここで言う期待値という言葉は数学的な期待値ではなく、他人が自分に期待するであろう水準、くらいの意味で使っている)。
望ましいのは「期待を少し上回る」こと。
人間関係全般にもおいてはもちろんですが、企業と投資家の関係においても「期待を少し上回る」ことが大切だと思います。
(「少し」だけで十分というのも、ポイントかと思います)
大幅増益の決算発表があっても、それが「コンセンサス未達」であれば株価が暴落してしまうというのを、嫌というほど目にしますよね。
逆に数字自体がさほど際立ったものでなかったとしても「期待を少し上回る」結果が繰り返されることになれば、その企業に対する「信頼残高」が積み重なり、ひいては株価も堅調に推移していくことにつながっていくのだと思います。
だから企業側でも、業績予想をあえて保守的に置いたりして(例えばトヨタ自動車にはそれを感じます)、期待が高まり過ぎないようにコントロールしたりもするのでしょうね。
「期待を大きく裏切ったとき」の対応はどうすべき?
ただ株式投資が面白いと感じるのは、「期待を大きく裏切ったとき」もチャンスになり得るということです。
その企業の「信頼残高」が毀損し、もはや誰も大きな期待をしないような状態になってしまえば、「期待を少し上回る」ことのハードルは大きく下がります。
そしてそこをクリアできたときは、株価も底打ちし反転しやすくなるでしょう。
例えはあまり良くないかもしれませんが、不良がちょっとした善行をしただけで、めちゃくちゃ評価が高まるのと似ている気がしませんか?
その低いハードルを越えられるだけの自分なりの勝算さえあれば、チャレンジしがいのあるエントリーになるのではないでしょうか。
個別株投資が人間関係と違うのは、企業が失った「信頼残高」を再び積み上げていくことはまだ容易だということです。
(人間関係の場合、一度信頼を失ったらそこからの挽回は困難を極めますよね…)
「期待を大きく裏切ったとき」に期待を込めて買うというアイデアも、リスクテイクのいち手法として検討に値すると思っております。
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