企業の割安度に成長性を加味した指標で、PEGレシオというものがあります。
PEG= PER÷EPS成長率
(PEG<1→割安、PEG>2→割高とされる)
ピーター・リンチが好む指標として知られていますが、私はあまり使うことはありません。
「利益成長率が高いほどPERは高くなる」という関係を、直観的につかむのにはいいのでしょうけど、どうしても算出された数字の妥当性が気になってしまうのです。
もっと割安度と成長率の関係をきちんと把握しておきたいと思っていたところ、先日記事の中でご紹介した『個別株の教科書』に「成長率の差と5年後のPER」という、視覚的にわかりやすいマトリクス表が載っていました。
それを少々アレンジしたのが下の図表です。

見方としては、現時点の株価を5年後まで横置きとした場合、
- 現時点のPER10.0倍、5年間の年平均成長率が±0%なら、5年後のPERは10.0倍のまま
- 現時点のPER15.0倍、5年間の年平均成長率が+ 5%なら、5年後のPERは11.8倍に低下
- 現時点のPER20.0倍、5年間の年平均成長率が+10%なら、5年後のPERは12.4倍に低下
- 現時点のPER25.0倍、5年間の年平均成長率が+15%なら、5年後のPERは12.4倍に低下
- 現時点のPER30.0倍、5年間の年平均成長率が+20%なら、5年後のPERは12.1倍に低下
といった結果になるということです(グレーの箇所)。
逆に5年後のPERを10~12倍台で揃えた上で、現時点でのPERとセットになっている年平均成長率を見ることにより、現時点でのPERに対する、妥当な年平均利益成長率も、このマトリクスからざっくりと分かるという仕組みになっております。
マトリクスの使い方
この基準をもとに「成長性を加味した割安度」をチェックするのが、PEGレシオを使うよりも個人的にはしっくりときます。
例えば、現在PER30倍の企業があったとします。
マトリクス上では年平均+20%の(利益)成長が妥当となるわけですが、分析の結果、「年平均+20%成長などとてもムリ」ということになれば、「割高」と判断できるということです。
いつでも見られるようにしておくと便利ですね。
PERが極端に低い企業の特徴、と昔話
なお、PERが極端に低いのは、通常、業績がシクリカルであったり、企業として成熟期に入っているなど、今後のコンスタントな成長が疑問視されているという証になります。
ちなみにリーマンショック直後~アベノミクス前までの限られた時期においては、PER10倍未満でありながらその後5年間の利益成長率は+20%前後といったような中小型株もゴロゴロありました。
EPSのスピーディーな増加×PERの水準切り上げの相乗効果で大変美味しい思いもできたのですが、さすがに今の市場環境でこういったことを期待するのはなかなか難しそうです。
今の狙い目
一方、今狙い目なのは、「PER15倍、(今後予想される)年平均成長率+15%」みたいな、目立たなくとも堅実に成長している企業ではないかと思っています。
この近辺のゾーンにあって、今流行りの高配当株でもない企業の株は、バリュー株とグロース株の狭間にあって、極端に無視されている印象があります。
今後とも年平均成長率+15%が十分期待できるのであれば、このマトリクスからすれば本来PER25倍(→ 現状比+67%評価)でもおかしくはなく、相応の安全域を確保した上で投資できるチャンスと言えるでしょう。
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