投資でも大切な、右脳と左脳のキャッチボール。

投資スタンス

最近読んで面白かった本の一つに、内田和成『右脳思考』があります。


コンサルタントとしての経験が長い著者が、左脳がつかさどるロジックだけでなく、感情や勘、すなわち右脳を働かせることの重要性を説いた本です。

左脳と右脳は独立して別々に使うものではなく、両者の間でキャッチボールが必要であるというメッセージは目から鱗でした。


実際、人間が仕事で何かアウトプットを出す際には以下の3つのステージがあり、それぞれでは右脳・左脳・右脳が主な役割を果たしている(右脳と左脳の間を行き来している)とのことです。

  1. インプットステージ 
    [情報収集、仮説づくり、課題発見]
    ~ 右脳(観・感・勘)
    ⇒ 見る、感じる、ひらめく

  2. 検討・分析ステージ
    [真の課題の特定、分析、課題の構造化、代替案の抽出]
    ~ 左脳(ロジック)
    ⇒ 正解、数量化

  3. アウトプットステージ
    [意思決定、コミュニケーション、実行]
    ~ 右脳(腹落ち、感情移入)
    ⇒ 理解させる、納得させる、行動させる


最終的に人を動かすためには、論理性の他、ストーリー(他人に語れるほどのわかりやすさ)、ワクワク・ドキドキ(楽しそう、面白そう)、自信・安心を与えるという、4つの要素が必要とのことです。

人は感情で動く生き物ですから、アウトプットを有効なものにするのにも右脳のはたらきがモノを言うわけですね。


ここでふと気づいたのは、実は私も株式投資において、以下のように同様のプロセスを経ているということです。

  1. 直感や経験を大事にしながら仮説を立て、投資を検討してみる
    (場合によっては、この時点で打診買いをする)

  2. 後からより細かい分析を加え、左脳で理論武装する
    (IR照会等も並行して行い、仮説を補強する)

  3. ストーリーに落とし込み、自分の中で腹落ちさせた上で、買い集めていく


なお投資の場合はアウトプットは、通常、個人で完結するものです。

ただ私の場合、腹落ちしたストーリーをブログ等で読者の皆さまと共有させていただくこと、投資先企業の方とコミュニケーションを通じて共有させていただくこと(→私が抱いた「ワクワク・ドキドキ」を、可能であれば以後のIRに活かしていただくため)も意識して行っています。

この本の中で、特に私がシビれた箇所があります。

優秀なコンサルタントはいきなりフレームワークを持ち出さない


起点においては右脳が大切(だからこそ、経験による学習も大事)であり、いきなり左脳的に分析を始めたりしないというのが著者の考えです。

まずは好き嫌いや直感、突飛なアイデアを大切にするのが第一歩ということです。

投資で言えば、いきなり数字によるスクリーニングで銘柄探しをしないというのも、これに近いものがあるかもしれません。


この本を読んだことで、投資先への思い入れや感覚の部分を大事にする自分の投資に、精神的支柱を得られた感覚があります。

これからも大いに右脳を活用した投資活動をしていきたいと考えています。

投資する前に、ある程度キャッチボールで肩をならさないといけないですね。
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