ミスミグループ本社株主総会2023(1)(★★★☆☆)

株主総会・説明会

「グローバルいけす」の1社として保有していた企業で、参加は初となります。

製造業の生産材調達フローを支援する事業を営み、中国とは切っても切り離せない企業であるだけに、現在の事業環境について勉強させていただきたいという気持ちもありました。

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株主総会

日時・場所・お土産

2023年6月15日(木)午後2時

東京都港区虎ノ門1丁目23番3号
虎ノ門ヒルズ森タワー5階
虎ノ門ヒルズフォーラム

お土産 無し


用意されている約70席に対し、出席は40名前後。

やたら多い従業員の方々はマスクをされていましたが、檀上の役員の方々はノーマスクでした。


議長は西本会長(メイテック元社長)。

事業報告は、概要についてスクリーンを使いながら、大野社長より説明する形でした。
2トップ体制ですね。

内容は決算説明会資料にあるものが中心でしたが、今後の取組について追加での説明がありました。

具体的にはエコノミー品の展開加速(中国での製造→FY22:ベトナム・韓国、FY23:インド・タイ・マレーシア…)と「meviy」のグローバル展開加速(欧米に加え、特に中国を重点攻略していく)です。

地域毎事業モデル開発を加速させ、さらなる高い成長を目指す意気込みを語られていました。


決議事項は以下の通りです。

  1. 剰余金の配当の件
  2. 取締役8名選任の件
  3. 役員報酬制度の改定に伴う、社外取締役を除く取締役に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件

(10:31)

質疑応答(1)

(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)

事前の書面による質問はなかった旨と、なるべく多くの方に質問いただきたいのでお一人1回1問ずつとして欲しい旨(改めての質問も可)のご説明がありました。

回答はいったん西本会長が受け、事業そのものに関する質問については大野社長に、その他は適宜他の役員の方々に振る対応でした。

【質問1】
地域毎事業戦略に関して。
エコノミー品、meviyそれぞれの売上高の比率と、どちらが利益率が高いのかといったことについて教えていただきたい。


(大野社長)
エコノミー品・meviyとも新しい事業だが、競合のこともあるので売上数値は今のところ非開示としている。
事業規模についてだが、それぞれ従来から行っているFAの事業と同サイズの市場規模があると見込んでいる
我々の目線としては、エコノミーシリーズ、meviyそれぞれで、もう一つのミスミを創るという次元で推進にあたっている。
収益性ということに関して言えば、現在は新規事業ということもあり大きな利益は出ていないが、基礎収益性・粗利については既存の事業とそん色のない粗利益率は出ているので、今後の事業の拡大とともに収益化していくものと期待している。

【質問2】
何年か前にも質問させていただいたことがあるが、配当性向25%を律儀に守っている結果、配当金が小数点2桁になっている。
(12.34円となっている前期の期末配当を)12円とか13円にはしないのか?


(西本会長)
配当性向25%は公約であり、厳密にさせていただいている。

【質問3】
中国事業の考慮すべきリスクをどのように考えているか?
基本的にポジティブにアグレッシブに行く姿勢だと思うが、さまざまなリスクはある。
特にキーマンになる徐さんに、リスクがある中でどのように中国事業を行う優位性を確保されようとしているのかを伺いたい。


(西本会長)
今日は徐が中国から参っており、まず中国を担当しているという視点で徐から話をさせていただき、全社、グローバルという視点で社長の大野から話をさせていただきたい。

(徐取締役)
中国全体の市場としては、コロナはいったん落ち着いたが、内需不足があり消費が低迷している状況。
ご懸念の点だが、政府の立場も変わり、今は実体経済の方に政策をシフトしている。
経済発展は最重要にしており、特に外資の誘致政策や国内企業への補助政策をどんどん出している。
行政面、ガバナンスの問題はあるので、なるべく政府と関係をつなげ、コミュニケーションを取って常に色々と相談し、早期にリスクを発見し改善していくよう努めている。

(大野社長)
中国の内需という点では徐の説明の通り。
グローバルの観点で言えば、米中の摩擦がいかほど続くのかが、最大の「変数」だと思っている。
経済安保の観点で言えば、米国からすれば中国をいかに封じ込めるかということであり、中国からすればさらにグローバルに成長するかということで、この折り合いをどう付けるかだと思う。
ただそれとは別の次元として、我々としては中国は市場規模が大きく、まだまだ成長性も高いということで、ここでシェアを失うということになれば、グローバルでのシェアを失うということに直結するので、中国への攻めの勢いは止めてはならないと感じている。
これは米中の関係がどうなろうとも、中国の攻めは継続してく考えである。

(西本会長)
我々もグローバルで事業を展開している。
この流れの中で、いわゆる地政学的、経済安保的な観点からどのような事態が想定されるのか、まさに「変数」が大きく不確定ではある。
この変化をリスクではあるかもしれないが、同時にいかに我々の事業機会と捉えて成長していくのか、そのためには時には積極的に進めていくことも必要だと考えている。

→ 中国事業に関する並々ならぬ覚悟を感じました。メーカー各社からこの点についてお考えを伺いたいとも思いました。

【質問4】
FA事業・金型部品事業・VONA事業のうち、VONA事業だけ営業利益率が大幅に低下した事情は?
プライスダウンを戦略的にやられたとしても、仕入価格が上がっている中、そういった対応が長続きするのかという心配があるので、その辺りを教えて欲しい。


(大野社長)
VONA事業の収益性についてだが、他社ブランド品を仕入販売する流通事業である関係から、基本的に仕入原価を下げる努力が限定的になってしまうこともあり、昨今の鋼材の値上げ・色々な部材の値上げの影響を受けたということだ。
一方で我々の販売価格への転嫁ができるのかということに関しては、各ブランドメーカーの商品は我々以外の販路でも販売しているという性格上、原価のアップを販売価格に転嫁しきれていないという状況。
このような状況を受け、従来からのミスミ・オリジナルの事業である、FA事業・金型部品事業に比べて利益率の落ち方が大きかったということが考えられる。

【質問5】
米中摩擦の中、特に半導体関係の輸出規制の話が出ている。
ミスミにおいてはどれくらい影響があるのか、教えていただきたい。


(大野社長)
米中のデカップリングに関する需要の変化ということで申し上げると、現時点のアメリカ政府の政策からすれば中国側の半導体投資が減るという形。
したがって、我々としては中国の半導体製造装置の需要は減ることになる。
一方で、日・米・欧で半導体の自国生産が動き出している。
中国で減る分、日・米・欧で半導体製造装置への投資が行われるということになる。
我々にとっては、むしろこちらの方が需要が大きいと睨んでおり、総合的にはプラスの方向に転じるだろうと想像している。

(続く)

これから総会ラッシュということで、キーボードを酷使するシーズンとなります。想像しただけで気が重くなりますね…
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