以前、『経営者は「価値」をつくり、投資家は「価格」をつける。』という内容の記事を書きました。
企業というものを大きくとらえると、
「価値を創造しそれをさまざまな利害関係者(ステークホルダー)に分配するシステムの中心に位置するもの」
と言うことができます。
そしてそのシステムの中において、
投資家はゴーイングコンサーンとしての企業から分配される価値を受け取り、
それを株価という形で反映させる役割を担っています。
このことから、投資家は価値増大を楽しむ「権利」と同時に、
それを適正に評価する「義務」も負っているのではないかと考えるようになりました。
株価が上昇することによって…
それでは価値が評価されて株価が上昇する(=時価総額が増加する)ことによって、企業側はどんなメリットがあるのでしょうか。
ここで思いつくままに箇条書きにしてみます。
- 経営が安定する。
株価を上昇させてくれた現経営陣を株主が支持することで、経営の舵取りが楽になります。 - 敵対的株主に狙われにくくなる。
- 企業としての信用力が上がる。
商取引、金融機関との取引、人材獲得(含むストックオプション)等、さまざまな面で条件が良くなります。 - 資金調達力が上がり、戦略面でも有利に働く。
増資する際の単価が上がり、同じ株数でより多くの資金を集めることができるようになります。またM&A・提携交渉を行う上でも、時価総額の増大は有利に働きます。
改めて投資家の役割を考える
このような形で、投資家は間接的に企業の成長のお役に立つことができます。
もっと言えば、投資家には「世の中を変えていく力がある」ということです。
社会的課題を解決する企業、世の中にとって意味のある事業を行う企業には、相応の評価をしてその成長を助けてあげなければならないし、逆にそうは思えない企業に過剰な評価がなされていれば、是正しなくてはいけないと思うのです。
株式投資には社会的な役割があり、決して空虚なものではない。
心からそう思えるようになったことで、私の株式投資にも一つの軸ができました。
いろいろ回り道をして、「応援したい企業に投資する」という原点に戻ってきた感じですね。



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