昨今、「高配当株投資」が人気を集めていますね。
高配当株は低PBRであることも多く、最近は低PBRの改善要請が高まっていること等が追い風となりキャピタルゲインも得られている状況ですし、何より「分かりやすい」のがその背景にあるのでしょう。
ただ私自身は「高配当株投資」には興味がありませんし、この手法には個人的な違和感も持っております。
なぜなら、この手法には「キャピタル・アロケーション」(資本の配分)の概念が欠けていると思うからです。
『CFO思考』を書かれた徳成旨亮さんによれば、資本には3つの役割や使い道があると言います。
役割1 財務健全性の確保
リスクが発現した際に会社を救うリスクバッファーとしての役割
役割2 成長の実現
成長投資に向かう原資
役割3 株主還元の充実
株主還元の原資
企業側はキャピタル・アロケーションに際して、役割1→役割2→役割3 の順で考えていると思います。
まず諸リスクへの備えとして一定程度資本を充実させた上で、成長に期待される分野へ資金を投じていく。
その余力で毎年の配当をし、魅力的な投資機会が見当たらない場合には自社株取得という形で株主に資本を返却する。
こういった流れが自然だと考えますが、巷で話題になる「高配当株投資」では役割2をすっ飛ばし、いきなり役割3に着目しているところに、私は違和感をおぼえます。
企業自身が複利での価値創造を加速させていくのは役割2があってこそですし、いかに成長に資する投資ができるかが、企業の将来を決めることになります。
持続的な増配もこのプロセスがあるからこそ実現されるものだと思いますし、投資家側もこの役割2にもっと強い関心を持つべきなのではないでしょうか。
私は直接的にお金をより多くいただくことよりも、成長に向けたキャピタル・アロケーションとして企業が次々と繰り出す打ち手を、継続的に観察しながら投資していく方により関心を持っているので(自ずと長期の付き合いになります)、たぶんこれからも「高配当株投資」に関心を持つことは無いだろうと思います。
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コメント
ろくすけさん。こんにちは。
最近もてはやされている高配当株は、成長を伴わないといずれ増配余地がなくなるので長期で保有する魅力があまり感じられませんよね。
自社株買いでEPSを増やしてるケースはありあますが、それもいずれ限界が来ます。
とはいえ、新NISAから株を始める人にとっては高配当株がわかりやすくて魅力的でしょうし、来年もしばらくは高配当株が物色されるとは思いますが、物色しつくされた後は成長株に流れてくるのではと想定しています。
その頃には、成長株の株価の上昇余地がさらに高まっているはずなので、今以上にワクワクが増した状態になれるのではないかなと。そのことにワクワクしてしまっています。
期待する銘柄は、今のうちにしっかりとPFに組み込んでおいたいですね!
成長株のターンは循環的にいずれ来ることを思えば、ワクワクしてきますよね。
今はゆっくりと物色できるいい時期なのでしょう。