「長期投資」と聞くと、どことなく「忍耐」のイメージが付きまとう方が多いのではないでしょうか。
・暴落のタイミングをひたすら待って、できるだけ安く買う。
・株価変動に惑わされず、保有し続ける。
これらを字面通りにとらえると、確かに苦行にも思えてきます。
でも私は実際のところ、「忍耐」を強いられているという意識は今はありません。
たぶん長期投資において「忍耐」を意識したり、敷居の高さを感じてしまったりするのは、
「自分の買値と戦っているから」
だと思います。
自分の買値を意識し過ぎるから、買付単価上昇を嫌って、追加の買付を我慢してしまう。
その結果、勝手知ったる、自信のある銘柄のボリュームを増やさず、理解のこなれていない新規銘柄に手を広げ、リスクを高めてしまう。
平均買付単価に対して「含み損益(%)」がどれだけかとか、「〇バガー」が取れるかどうかとかは、本来どうでもいいことですよね(自慢したくなるのが人情ですが)。
大事なのは、利益の実額です。
また、自分の買値を意識し過ぎるから、含み益の増減に心を揺さぶられる。
その結果、利確のタイミングを逃す。
自分の買値にとらわれていると、ロクなことがありません。
私がこういった思考パターンから脱却できたのは、
「価値を意識するようになったから」
です。
買値はひとまず置いておいて、まず価値を見る。
そして、価値と価格との比較において売買の判断を行うようにする。
素晴らしい企業が複利で増大させていく価値に対して、価格がなかなか追いつかないから、(結果として)長期投資になる。
価値が上昇する過程で、追加の買付をしても全然かまわない。
むしろ当初の買付で想定していなかったようなポジティブな前提の変化があれば、積極的に買い増しすべきである。
(最初から全てを予見できる人なんていません)
価値に価格が追いついてきたら、少しずつ売ればいい。
価格が下がれば、価値と価格の差という儲けの源泉が増え、買い増しができると喜ぶ。
価格が上がれば、含み益の増大でニヤニヤする。
(竹田和平さんの「上がってよし、下がってよしの株価かな」の世界)
価値の見積もり方に関しては、人それぞれでいいと思います(色々なやり方があります)。
大事なのは考え方で、こんなイメージで取り組めたら、長期投資はもっと楽しくなると思いませんか?
これは起点を変えてみましょうという提案です。
長期投資は一つの手段に過ぎないのであって、別に高尚なものでもないし、ましてあえて苦行にする必要もありません。
変に格言めいたものにとらわれず、柔軟に売買できる考え方を身につけた方がグッとラクになりますよ。
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