ビジネスモデルの学び方。

投資スタンス

株で儲けるためには、企業が儲かる仕組みを知っておく必要があるのではないか… 

投資を続ける中でいつしかそんな問題意識が芽生え、「ビジネスモデルについて勉強しなければ」と考えるようになるのは自然なことだと思います。

そして本屋に行けば、ビジネスモデルを解説した本が溢れています。

「勝ちパターン」がきれいに整理されていたり、いま話題のアノ企業についてきれいなピクト図解がなされていたり。

で、「これは役に立つかも」と思って手に取ってみるのですが、読み始めてみるとイマイチ面白くない。

これはなぜなのでしょうか?

順番が間違っている。

上記のようにいきなりビジネスモデルの勉強から入るのは、私は 野山で実際に草花を見る前に植物図鑑を見るようなもの ではないかと思っています。

植物図鑑を1ページ目から読んでも面白くありませんよね(よほどの植物マニアでない限り、おそらく…)。

実際に草花を目にした後、「名前は何だろう」「どんな草花の仲間なのか」「どんな場所に生えるのか」とった興味が湧き、そこから調べにいくために植物図鑑は存在するものだと思うのです。

ビジネスモデルでも同じことが言えるのではないでしょうか。

生き物である一つ一つの企業のリアルをまずよく知ること。
そうして初めて、そのビジネスモデルへの興味が湧いてくるものだと思います。

例えばこんな感じです。

   他社よりずっと長い間儲かっている。
(例えば、とびぬけて高い営業利益率を維持している)

⇒ 持続可能な競争優位性、あるいは圧倒的な業務効率がそこに存在しているはず。

⇒ それを成り立たせる仕組みは何か?

⇒ 端的に言語化すると、どんなビジネスモデルだと言えるのか?

こうした思考を経て企業のリアルを把握することによって、その実例に結び付けながらビジネスモデルを理解することができ、また自分の中に定着させることができるのではないでしょうか。

ビジネスモデルの概念は確かに全体の「型」をとらえていて便利です。

ただ、その「型」を形成するに至る構成要素の因果関係や「流れ」(いわゆる「ストーリー」)を理解しておかないと、単に斬新っぽい「型」に惹かれて投資してしまうような、薄っぺらい行動につながる危険性があります。

投資においては、あくまで個々の企業が儲かり続ける背景を分析することが大切であって、ビジネスモデルはその理解の一助となるに過ぎないことを忘れてはなりません。

(なお、ポーター賞受賞企業・事業レポートは、分析のお手本の一つです。)

多くの企業を調べることが大事。

そういえば私自身、集中的にビジネスモデルについて勉強した記憶はありません。

自分が興味を持った企業を一つ一つ調べていく中で、仕組みの面白さが記憶に残り、自然とビジネスモデルのパターンが蓄積されていったように思います。

そうしていく中で、似たようなケースに出くわした際にその蓄積が効果を発揮します。

例えばQBハウスについて既に調査済で、そのビジネスモデルが腹落ちできていれば、カーブスのビジネスを知った時に、

「これはローエンドからの参入による対象市場定義だな。フランチャイズで急速な展開を図ることで、先行的に知見を蓄積し模倣障壁を高くしているのだな。」

などと、理解を早めるのに役立ったりします。

ただし「型」に当てはめてそれだけで理解した気にならないよう、そこは気を付けたいものですね。

ということでまとめますと、

・いきなりビジネスモデルを学ぼうとしないこと。

・一つ一つの企業を興味を持って調べていく中で、自然とパターンは蓄積されていく(それで十分)。

・数をこなすことで応用が利くようになる。

ということになります。

世にある「ビジネスモデル本」の使い方としては、「このパターン、どこか似たような企業があったような気がするな…」と感じた時に、図鑑・字引き的に見ていくのがいいかと思います。

その意味で、以下の本は少し古いですが、よくまとまっていてオススメできます。
「上級編」とありますが、解説が丁寧な分、前著より役立つと思います。

読者様からの質問に基づき書きました。たまにはこういうのもいいですね。
にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へにほんブログ村 株ブログ 株主優待へにほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
↑ ポチっとお願いします。





コメント

タイトルとURLをコピーしました