アバントグループ株主総会2025(2)(★★★☆☆)

株主総会・説明会

それでは質疑応答です。

質疑応答

(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)

事前質問が1つありました。

会場からの質問については「1回1問まで」で、時間の関係上、全ての質問に回答できない可能性についての言及もありました。

基本的には森川社長から回答がありましたが、質問によっては春日CFOにバトンタッチしていました。

【事前質問】
前中計でビジネスモデル転換(ストック比率70%)は未達となったが、現中計で掲げている営業利益率20%以上を達成するためのKPIについてご教示いただきたい。


一番インパクトがあるのが、ソフトウェア粗利益を起点としたもの、特に粗利益率の改善(+1.5ポイント)。
最も大きい効果としては増収効果であり、+1.7ポイント。
全体として、FY25時点で16.3%だった営業利益率を、+5~6ポイント、ソフトウェアで持ち上げていくという方向感。
その他、特にBPOについては請け負っている業務自体をIT化等進め精度向上を進めているところではあるが、それはここでは反映していない。

【質問1】
株主総会は会社にとって重要なイベントなので、社旗や国旗の設置・掲揚をご検討いただきたい。
質問は、AI活用におけるガバナンスについて。
AIは便利だが、どのような情報が出てしまうかわかりにくいという問題がある。
NHKで尖閣諸島の字幕が中国語表記になっていた問題があったが、国益に反するようなものがアウトプットされてしまうと信用が失墜しかねない。
ガバナンス上、抑えるルールやアラート、ロック等の仕組みは検討されているか?


AI自体は非常に便利だが、どのような問題を引き起こすかについては捉えきれていない。
現状では内部的に使用し、何が起こるかを確認している状況。
お客様に向けてのプロダクトとしてはまだ提供しておらず、リスクをどのようにコントロールして使っていくかということについても、引き続きR&Dを進めていくような段階。
冒頭のご提案に関しては、そもそも社旗が存在しておらず、ご意見として承る。

【質問2】
決算説明資料で「グループ従業員数の推移」を掲載している理由を教えていただきたい。
というのも、あのグラフはシステム開発の会社における「人月商売」をイメージさせてしまう恐れがあると感じており、個人的には労働生産性の指標やソフトウェア粗利益を時系列でお示しいただく方が、ソフトウェアドリブンの成長戦略を遂行していくというメッセージが投資家に対して明確になるのではないかと思う。
この辺りのお考えについても伺いたい。

(私からの質問です)


ご指摘の通り、人的な部分をどう出していくのかということについては、まだまだ議論の途中。
これまで成長ドライバーとして人の数が重要なインパクトを与えていることから、従来のビジネスモデルの延長線上で開示している。

仰っていただいたように、私自身、1人あたりの付加価値生産性、価値創造力ということにかなり軸足を置いてきているので、今後の戦略を推進するために必要な指標を改めて議論し、開示にも反映していきたい。

→ 「見せ方」も大事ですので、ぜひよろしくお願いいたします。

【質問3】
M2(BI・データ基盤・DX市場)やM3(投資家視点の次世代経営情報基盤市場)については、顧客にとって何が不足、何が不十分なのかが分からず、そのサービスが自社に合致しているのかが気付きづらいのではないか?
また、今後クロスセルを提案していくとのことだが、社員の技量に依存することになると心配している。
これらについてお考えを伺いたい。


まさにここが成熟度が低い状態で、皆様から見えづらい部分かと思う。

M3に関しては色々と領域が広いが、フォーカスを充てているのは基本的には管理会計システム。
ROIC等を絡めつつ、企業価値という観点から分析できる軸を持つことで、より多くの人に展開していこうとしていて、少しずつ関心を持っていただけてお客様も増えてきている状況。
ここは実績が積み上がってくれば、多くのお客様に求められていることが見えるようになるが、それには少し時間がかかる。

M2に関しては、誤解を恐れずに言えば、文脈的にはAI
経営情報の領域、経営に役立つ情報を作っていく上で、テクノロジーで言えばAIのインパクトは相当大きい。
ただ先ほどもあったガバナンスの問題もあるし、今のアプリケーションに対してどういう影響が出てくるのか、どう組み合わせていくのか、この辺のイメージについてはまだまだの段階で、実務経験を通して技術者の育成も広範にやっていく必要がある。
そうしたお客様との取り組みを通じて、企業価値の向上に役立っていく仕組みにつながっていくだろうということで、必要な経験・技術を見極めながら進めていく。

グループセールスに関しては、誰に響くかが重要で、トップに近い方々ほど話は通じやすい一方、現場サイドでは全体感がつかみづらく、話がそこで留まってしまう傾向が強い。
多くのお客様のトップの方々と定期的に会話ができるよう、私共としても力を付けていく必要がある。
クロスセルという表現をしながら、その部隊を立ち上げている状況。
属人的な部分を最初は意図的に許容しつつ、次のフェーズで非属人化を図っていくという段階を踏まざるを得ないイメージでいる。

(ここでいったん質問が途切れたため、森川社長より促す場面あり)

【質問4】
稼ぐ力を高めるということだが、人的資産への投資について、ハイスペック人材を採用する、給料を上げる等考えられるが、具体的にどういうものを想定されているのか?
また、投資対効果を測るための、例えばROICなど、具体的な指標は設定されているのか?


(森川社長)
内部的に議論の最中。
まだ個々の意見に近いものがあることから、春日の方から説明させていただく。

(春日CFO)
人的資本への投資について、一つの想定としてはハイスペックの営業人材。
これまでは「リソース」、先ほどのご質問にもあったように、とにかく作業をこなしてくれる人を多く雇うということをやってきたが、今は「キャピタル」になる、人的資本になる方々を想定していて、営業力・開発能力を持っておられる方々を外部から、あるいは内部からも育てていくような投資をしていかねばならない。

指標についてはROICというよりは、営業人材であれば1人あたりのソフトウェアの売上をもっと高めてていくという方向感。
ソフトウェアは粗利率が非常に高く、うまくいけば70~80%くらいで成り立つものもあり、結果として粗利益がどんどん増えていくという想定をしている。
これを達成するための人材を雇っていく。

(森川社長)
投資に関してはリスク・リターンのバランスは非常に難しいものがあるが、事業サイドの暴走でおかしいことにならないように財務サイドを交え、どれくらいリスクがあってどれくらい想定リターンがあるというのがイメージできない限りは投資しないといった縛りをかけつつ、積極的に投資していくような環境作りをし進めているところ。

【質問5】
障がい者雇用をどのレベルで進めているのかと、例えば言葉を手話化するといったような、障がい者に対する商品を開発するとか、マーケットとして狙っていくようなお考えはあるのかお聞かせ願いたい。


(春日CFO)
障がい者雇用率は現状2.5%で、法定雇用率2.4%を上回っている。
事業会社においてはパラアスリートを積極的に採用することもやっていて、グループ全体では42名最低雇用が求められるところ、50名を採用している状況。
法令遵守は最低限のこととして、今後も取り組んでいく。
障がい者に向けて具体的に対応するような商品はないが、今後の検討課題とさせていただく。

【質問6】
先ほどM2のところでAIの話があったが、生成AIに関して向かい風になりそうなことと追い風になりそうなことについて、両方を伺いたい。


現状向かい風というものはない。
むしろお客様サイドの方で利用が広がる中で、私共のチームも経験値が増えている。
実需が広がってきているという観点では、追い風の方が多い。

【質問7】
自社ソフトウェアについて、契約の本数や、会社の想定に対してどうなのかを、開示資料では書いていただきたい。


ソフトウェアドリブン戦略を推進する際に、私共自身も実行力を高めていくための機会として開示を使っていきたいと考えているので、前向きに検討していきたい。


質疑は以上です。
(11:10)

議案の採択を経て、閉会となりました。
(11:12)

その後、選任された役員の簡単な紹介がありました。

株主の退場の際は、役員の方々は起立したまま見送っていらっしゃいました。

所感

事業報告の際の森川社長と春日CFOからの補足説明が大変充実しておりました。

特に春日CFOからは、インフレ環境も考慮ながらの追加の株主還元についての踏み込んだ発言があり、FY27・28での資本支出による外部成長の取り込みが仮に不十分に終わったとしても、その代わりに株主還元の強化は期待できそうな内容(←私の希望的観測ではありますが…)だったことに満足感はありました。

ただその一方、質疑応答についてはご回答に関しては一般論の話が多く、やや物足りなかったです。
(お菓子は結構ですので、「情報のお土産」をいただきたかったですね)

事業報告のパートは念入りに準備をされていて素晴らしい内容であったものの、株主へのレスポンスに関しては少し迫力不足という印象で、総会の前後半の充実度に少々ギャップを感じました。

以上を総合し、評価は★★★☆☆とさせていただきます。


(おまけ)

お土産のGODIVA(GO!DIVA!)のラングドシャクッキー(8枚入り)です。


(終わり)

事業に対する安心感はあります。あとはここからの数期で生産性の向上が見られるかどうかですね。
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コメント

  1. たか丸 より:

    遠方までご苦労様でした。

    「生成AIに関して現状向かい風というものはない。
    むしろお客様サイドの方で利用が広がる中で、私共のチームも経験値が増えている。
    実需が広がってきているという観点では、追い風の方が多い。」

    とのこと、大変参考になりました。
    ただ、当面の業績については、大きな飛躍・期待はできそうもない様子。
    チョッピリ残念。

    いずれにしても、いつもながら詳細なご報告ありがとうございます。感謝です。

    • 6_suke より:

      業績の変化はまだ先でしょうが、株価に関しての意識の変化は十分感じられました。

      予兆をうまくとらえたいですね。

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