5回目ですが、4年ぶりの株主総会参加です。
コロナ禍を経てインターネットでライブ配信が行われるようになったこともあり、なんとなく足が遠のいていたのです。
ただ今回は、当社が目標とする「PER40倍」と現状のバリュエーションとに大きな乖離があり、それに対して会社としてどう考えているのかを確認したくて、久しぶりに足を運んでみることにしました。

株主総会
2025年9月24日(水)午前10時
東京都千代田区大手町一丁目3番2号
経団連会館 2階 経団連ホール
お土産 ゴディバのラングドシャクッキー、東京国立近代美術館のご招待券
5年前と会場は変わらず。
席は64用意され、出席者は約50名となかなかの数。
今回は株主の関心も高かったということでしょうか。
議長は森川社長。
今回もオレンジのネクタイを着用されていました。
監査報告については、Web掲載の招集通知記載の通りということで簡素化されています。
事業報告については、まず概況説明のためナレーション付きの簡単な動画が流されました。
その後、中期経営計画実現に向けた取り組みについて、森川社長と春日CFOから補足説明がなされました。
(後日Webにアーカイブがアップされる予定ですので、以下では要旨の箇条書きとさせていただきます)
森川社長より(要旨)~中計の方向性
- 中計でどこに向かっているのか、分かりにくいので説明する。
- IT業界に関して抽象度を上げてごくシンプルに整理すると、「製造業型」と「サービス業型」の2つに分類でき、アバントグループとして目指すのは「製造業型」一択。
- 「製造業型」は自社の知的財産(IP)を持ち、「サービス業型」は世の中に存在しているIPを使いながらサービスを提供する形態。「製造業型」は成長率が鈍化しても高い利益率を維持できる一方、「サービス業型」は日本ではDXのマーケットがあり成長余地はまだまだあるものの、グローバルで見れば成長率・利益率とも相対的に低い。
- 創業以来、「製造業型」を目指してきたが、簡単ではないので長い時間をかけ、成長性と安定性の確保のためにビジネスモデルを広げ(連結決算システムからSI、BPOetc.)、その組み合わせから経験とノウハウを蓄積してきた。
- グローバル企業は事業の発展に対して「投資」を非常に活かしている面があり、当社とのギャップは直視しなければならない。
- 今のアバントグループに求められるのは、「トップランナーの可能性を持つ市場の特定」。事業の幅がある中で、ソフトウェアの領域については逆に絞っていかなければならず、また後追いでもダメなので、自分たちで新しいマーケットを作っていく、そこを探索して形にしていくのが「BE GLOBAL 2028」のフェーズ。
- 「企業価値経営市場の創造」がグループ会社としてのテーマ。現状の課題は、さまざまなツールやサービスがあるものの、俯瞰しながら繋げているソリューションがなく、お客様としてもどう企業価値が上がっていくのかをイメージしづらい状況にあること。よって散在したさまざまな情報を企業価値という点から整理し直し、ないものは作り、あるものは組み合わせていく必要がある。
- 「ソフトウェア粗利益」にこだわるのは、製造業を目指しているから。自前のIPを使い他社の製品に流されないために、製品から生み出される粗利に集中していく。
- 企業価値経営のマーケットに対する浸透度はまだまだ低く、グッときているお客様もまだまだ少ない。ただ実務的な課題を考えると、システム対応が求められる時期は必ず来るので、誰よりも早くノウハウを蓄積し、ソフトウェアドリブン戦略をしっかりやり切っていきたい。
→「製造業型」「サービス業型」の区分けは、大変わかりやすかったです。
春日CFOより(要旨)~財務視点から
(9/25付でリリースされた、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」で使用されている図表に沿って説明がなされました。併せてご覧いただくとわかりやすいかと思います。)
- 「企業価値経営」を当社の場合に当てはめて可視化すると、無借金経営のため時価総額≒企業価値であり、現預金+非事業用資産(時価)計158億円を時価総額578億円から差し引くと、事業資産の価値は420億円ということになる。
- 企業価値をどう向上させていくかを考えたとき、現預金をいくら増やしても0.2%程度の金利しか付かず、インフレ率を考えると、皆様の購買力低下と同じような問題を抱えていると言える。
- したがって、この現預金をいかに活用し、事業資産の価値、言い換えれば「稼ぐ力」を増やすかが重要。
- 「PBR=ROE×PER 」という観点からすれば、ROEを引き上げ、それからPERも引き上げなければならない。
- 国内ソフトウェア会社との比較では、「稼ぐ力」(予想売上高成長率+予想営業利益率)とPERとの相関関係からして、PERに改善の余地がある。ただ目標として掲げている「PER40倍」からすれば、「稼ぐ力」としては60~70%(現状32~33%)は必要であり、相当高い目標ということになる。時間軸としてはもう少し長く考えた方が良いのではということで、見直しを含め検討中。
- EPSが伸びている一方、事業資産の価値は400億円前後で近年推移しており、EPS成長の期待値が織り込まれていない。将来に向けてEPSを継続的に伸ばしていけるということを示さなければならない。
- ROEの向上に関しては、利益を増やすのはもちろん、一時的に純資産の増加を抑制するということで、自己株式の取得や増配を今後行っていかなければならないと考えている。
- PERの向上に関しては、持続的に稼ぐ力を高めていく必要があるが、既存事業に対して投資を行うとともに、将来にわたって稼ぐ力を飛躍的に向上させるために、M&Aで外から事業を取り込むことも検討中。投資家の認知度向上のため、IRも大事。
- 中計期間中のキャピタルアロケーション(アップデート)としては、人に対する投資を45億円以上、持続的成長のため外部から成長を取り入れる資本支出として最大150億円を考えていて、既にある程度行動を開始している。
- 株主還元については、DOE8%を目指すとしているが、別に8%で終わるということではなく、それ以上増やせるように考えている。現金配当として50億円、それにプラスしてROEを増やすために自己株式の取得等、追加の還元を考えており、現時点においては15億円くらいを検討中。ただこの金額については、今後の内部投資、外部への資本支出がどのくらいになるかに依拠するので、変更する可能性もある。
→ 現状の評価に対する問題意識と株価向上策について、思っていたよりも踏み込んだ発言がありました。インフレ環境における現預金水準の高さに対する目配りもあって良かったです。今後の追加の株主還元がどうなっていくか、要注目ですね。
(10:40)
議案は以下の通りです。
- 剰余金の処分の件
- 取締役(監査等委員である取締役を除く)4名選任の件
(10:42)
(続く)
だいぶ中計で意図していることに対する解像度が上がった気がします。励みになりますのでポチ↓をお願いいたします。↑ ポチっと & ↓ Xでのシェア をお願いします。
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コメント
ama(アマチュア投資家、今年古希迎え70歳)と申します。
アバント株主総会の様子アップしていただきありがとうございます。
私はすでにリタイアし今は川崎市から栃木市に転居して、平日ゴルフ(年間120界弱)とドライブ旅行を楽しんでおります。その意味でもロクスケさんの旅行記はよく拝見させていただき、実際に北海道ドライブではロクスケさん推薦温泉宿にもいかせてもらってます。
(ちょっと前置き長くなりますがご容赦を)
私は経理職種で中国奥地(山西省)勤務終えて帰国したら連結会計や税効果会計って世界になっており浦島太郎状態、帰国後はグループ会社の連結決算を管理する部署に配属されてます。まあ、帰国後のリハビリなんですが子会社関連会社は連結決算情報を作成するのにものすごく手間かけて、しかも受け渡しはエクセルシート。グループ全体の連結決算はものすごく時間かかってました。
帰国した時はすでに各子会社関連会社の決算はオービックなどのシステム使ってシステム化されており、当然決算伝票の仕分けデーターは電子化され保存されてました。私は帰国後リハビリで決算が遅く神の伝票使用していた子会社(当時東証2部)に派遣されその解決を受け持ちま色々やってました。そこでオービック社に依頼し会計システムをシステム化、、、話が長くなりましたが、その経緯の中で、オービックのSEに今どき子会社関連会社のデータはすべて電子化され仕分けデーター単位で持ってるんだからこれを全部集め、システムで一気に連結決算あらあらできるんじゃないの、そんなところ知らない?って問い合わせたらSE曰く2週間前に上場したDIVAって会社がそれやってるので新宿にでも見に行きませんかってことで行ってみたら、なんとデータ読み込んだら15分くらいであらあら連結決算ができた。びっくりポン、ということでヘラクレス上場一株35万円で100株購入、2週間後には15万円に下げたので買い増し、さらに3週間後に10万円切ったのでさらに買い増し、、、ということで20年弱保有しました。(長くなったので続きは別で)
アバントに関してはリタイア前まで保有しており、中国から帰国した時のポケットマネー10百万円で株購入も購入後暴落したので5年ほど放置してました。
結果的にはリタイアする前に30倍くらいになりました。
私の勤めていた会社は財閥系の会社で経理実務を担当してるのは大卒社員ではなく留学生という中卒高卒の叩き上げの方達で実務力は我々大卒が束になっても叶わない、でも問題があるのは昇進するために派閥を作り、自分を引き上げる上司にしか情報をあげないなどコンプライアンスジュものすごく問題があったのと、団塊の世代で優秀な実務能力のある方達がだんだんいなくなるという問題がありました。
アバントのアウトソーシングはまさにこれのニーズをとらえたもので、株主総会に出席しこのニーズは非常に強く、コンプライアンス問題もあるので、海外展開など当分やめて国内の成長分野、アウトソーシングに経営資源を集中すべきとかなり訴えた思い出があります。
リタイア前(4年くらい前)に保有していたアバント株を全て売却し、配当利回りの良い銘柄に資産を移し現在に至ってます。最後の株主総会はコロナで行かなかったのですが、森川社長宛にメールでこれまでの感謝と共に私がアバントに感じていた懸念=圧倒的な生産性がなくなり、労働集約的になりすぎてる傾向に警鐘、烏滸がましいですがね。その際に一人あたり営業利益または経常利益をKP Iにとお願いしたら翌年くらいに入ってました。
本当に話が長くなり誠に申し訳ないです、70歳の老人なのでご容赦ください。
ということで、最近のアバントさんお状況を知ることができ良かったです。
いつもご愛読ありがとうございます。
amaさんの株主総会でのご質問の内容、印象的でしたので私も記憶に残っております。
労働生産性に関しては私も思うところあり、この総会で関連する質問をさせていただいております。
次の記事(質疑応答部分)もお楽しみいただければ幸いです。