エムスリーに対する第三者割当増資の是非を問う運命の臨時株主総会に参加してきました。
招集通知はコチラ↓です。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9263/ir_material1/133141/00.pdf
臨時株主総会
定時株主総会と同じ会場でした。
出席者は100名程度と、意外と多かったです。
決議事項は以下の2つ。
- 定款一部変更の件(発行可能株式総数の増加)
- 第三者割当による募集株式発行の件
(エムスリーへの割当。当該議決権は発行済株式分に対し50.99%相当)
細かい説明は省略され、10時9分には質疑応答が始まりました。
スピーディでいいですね。
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
やはり全て星﨑社長による対応です。
質問が多数寄せられることを想定してか、「1人1問ずつ」との念押しがありました。
Q
株式併合の目的の1つに復配があったと思う。これについては時期を含めてどのようにお考えか。
A
復配を目指す方針に変更はない。
今回の資本業務提携は双方に利益となるものであり、より復配の方向性を強めるものという認識。
Q
エムスリーに既存議決権の50%相当を割り当てるからには売上2倍を目指して欲しいが、何年くらいで達成できるか。
A
2019年6月に4ヶ年の中期経営計画を策定した。
新規ビジネスは大きく売上・利益に貢献するものと期待している。
売上よりは利益の増大を目指しており、中期経営計画達成の前倒しを図っていく。
この6月には、新たな中期経営計画に新規ビジネスを反映させていくことになる。
色々な取り組みの協議が水面下で始まっているが、早々に売上・利益にどう反映されていくかという面でご説明できる機会があるのではと思う。
Q
エムスリーとの協議について、具体的な事業内容・スケジュール感を教えて欲しい。
A
我々には50年にも及ぶ1,000万人分に近いデータの蓄積がある。
エムスリーにはサイト運営のノウハウがある。
お客さまにリアルにタッチできる我々と、お医者さんにタッチできるエムスリーの組み合わせにより、できるビジネスの幅が広がる。
例えば、来店されたがどこの眼科に行ったらいいか分からないというお客さまに対しては、その場で提携先の医院の予約が取れる。
あるいは、新薬の治験をする際のモニターになっていただくためのご案内をする。
エムスリーは現在高コストでモニターを募集しているが、来店される月4~5万人のお客さんにお声掛けすることでクイックに集められる。
また、医療とリテールの連携の難しかった、小さなお子さまの眼と耳の問題の解決にもつながる。
これまでは知識が無いために小児科に行きがちだった方々に、適切に眼科・耳鼻科のご紹介ができる。
そして、エムスリーの Ask Doctors を我々の販路で売る。
企業向けの福利厚生サービスとして、セカンドオピニオン取得などを支援する M3 Patient Support Program を、ビジョナリーのエンドユーザーに売ることも提案している。
このように、今見えているものだけでもたくさんのビジネスチャンスがある。
スケジュールとしては、本総会を無事終えた前提で、明日以降、すぐにアクションを起こしていく。
今期の決算にどれだけ反映させられるかはさておき、2月中にお客さまのもとにDMが届くことになろう。
双方の会社の持つスピード感がこの提携の大きなポイント。
我々は常に早い決断を下すことができる会社だし、エムスリーもわずか設立20年で時価総額2兆円にした会社。
協業で色々なことが見えてくるはずだし、次々と手を打っていく。
→ 具体的なビジネスのイメージが見えてくる、ありがたい質疑応答でした。
Q
将来、ソニーと提携するお考えは?
A
もちろん考えている。
エムスリーの取締役会にもソニーの役員が入っているし、あらゆる連携を考えていく。
Q
ビジョナリーHDもエムスリーの株を買い、株の持ち合いをするというお考えはあるか。
どうしてもエムスリーの下に入るように見えてしまう。
A
検討したし、エムスリーとしても何ら問題はないことは確認済。
ただ、4年で60億円の内部の投資が必要であり、先方の2兆円の時価総額も考えると、今そこに資金を向けるのは時期尚早と考えている。
原資が貯まってきた段階では検討したいが、現状では厳しい。
保有比率の33.3%は、我々の自主性を保持するという意味合いが込められている。
「下に入る」ということでは決してないと、ご理解いただきたい。
Q
アイケアとファッションを融合した新コンセプト店舗の、場所・地域・店舗数はどのように考えているか。
ファッションの部分は他と手を組むことになるのか。
A
3店舗対応済で、もう1店舗増やす予定。
家主と話していても感触は良い。まだまだ手探りの状況だが、時間軸としては早急にというよりは地に足を着けてやっていきたい。
ファッションの部分に関しては、傘下に収めた VISIONIZE が EYESTYLE というショップを展開しており、色々とノウハウを提供してもらいながらその知見を活かしているところ。
Q
顧客データの共有について、眼科医とメガネ屋さんの間で断絶している印象を受ける。
新しく展開していく事業においてはどのようにお考えか。
A
法律において許される範囲で共有したい。
断絶が大きかった過去があるからこそ、眼科医の方々に色々と働きかけてきた経緯があるが、これからはそれが一段と進む。
例えば、街の眼科医が入れられなかった機械を、エムスリーと協業でレンタルすることも可能となる。
お客さまを共有することで、ライフタイムのサポートもできる。
具体的にどうするかはこれから決めていきたい。
→ ここの情報共有の部分はまだ課題がありそうです。今後どうなるか注目していきたいところです。
Q
33%の議決権を持つことになるエムスリーに買収されるリスクはないのか。
買収防衛策は。
A
数字上はある。
ただ、お互いが崇高な目標に向かって動く中で、推進力を無くすようなことはしないだろう。
エネルギーをその部分に使いたくはない。
事業を強くし、エムスリーが株を買い増す必要などないことを証明していく。
Q
アイケア強化の店舗の展開が随分控えめに感じる。
A
立地・スタッフ・機器が他と違う。
検査の深さ・精度は、他の何倍にもなるレベル。
日本で初めて、世界でも3番目に導入した機器を使っている。
アイケアと医業の連携については、店舗近隣の眼科一つ一つに対し、しっかりと丁寧に説明していく。
ノウハウが蓄積できたら、展開を広める。
深く上にレベルを上げるとともに、それを横に展開していくイメージ。
程なくレベルの向上をご実感いただけると思う。
所感
株主総会は無事終了。
質疑応答を通して、おぼろげながら今後協業で取り組んでいく事業の具体的なイメージが見えてきました。
今後の各種プレスリリースが楽しみですね。
足を運んだ甲斐があったということで、評価は★★★★☆とします。
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