昨年、投資先選定に関してそれまでと大きく変わったことの一つに、三井住友フィナンシャルグループ、オリックス、東京海上ホールディングスといった金融株への投資を本格的に開始したことがあります。
それまで私は、金融株への投資に関しては極めて消極的なスタンスでした。
利ざやの薄さ・レバレッジの高さからくる、他産業と比べたROAの低さ、時間軸を長く取った場合に見た景気敏感株としての不安定さ等が主な理由です。
長期投資を志向する私としては、高い付加価値を提供していて安定的に成長するビジネスを基本的には好む傾向にありましたから。
ただここに来てインフレはどうやら常態化しそうだと認識するに至り、考えが変わりました。
金融業の各社は、防戦続きの長いデフレ時代をサバイブしたことで経営が筋肉質になり、また前向きな変化も随所に感じられるようになったこともあって、遅ればせながらスタンスを変更することにしたのです。
インフレがもたらす「自動的な収益成長」
金融株と言えば、「金利上昇メリット」が投資する根拠とされることが多いですよね。
銀行であれば利ざや拡大、保険であれば保険料運用益拡大といったように。
ただ私はそれに加えて、インフレ時代には「物価上昇」そのものも金融株にとって追い風になる感覚も持っています。
- 銀行:融資対象となる資金(運転・設備・投資)の絶対額が大きくなれば、資金収益が自然と増加。
- リース業:リース対象物の価格が上がれば、リース料も自然と増加。
- 損害保険:保険金額の基準となる資産価値が上がれば、保険料収入も自然と増加。
つまり、顧客との間でわざわざ値上げ交渉、あるいは恐る恐る価格転嫁をせずとも、「名目」で金融の対象となるモノ自体の金額が大きくなることによって、収益が自動的に増える構造が業績の構成要素の一部にあるのではないかという、単純化した見立てです。
特に銀行に関しては、利ざや拡大×物価上昇のダブルで効いてくる側面も感じているところです。
「配当成長株」としての魅力も
さらに注目すべきは、こうした金融株がインフレ環境下で「配当成長株」としての魅力を増している点です。
三井住友フィナンシャルグループとオリックスは累進配当政策(後者は実質的に)を採っておりますし、東京海上ホールディングスも「配当を株主還元の基本と位置付け、利益成長に応じて持続的に高める方針」としています。
マクロ環境が事業の追い風となっており、株主還元にもそれが適切に反映される形となっていることから、ポートフォリオへ防衛的に組み入れるのもアリだなという判断に至りました。
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