今回が初参加となります。
「試薬で稼ぐ」高収益ビジネスを営み、その高い参入障壁についても定評のある当社ですが、グロース総崩れの環境下で株価が大暴落したことで、ようやくこの3月からわがポートフォリオに迎い入れることができました。
ストックビジネスのお手本とも言えるそのビジネスモデル同様、総会運営も素晴らしいものとなるのかどうか、確かめてみたいという気持ちがありました。
株主総会
座席は間隔を開けて約100用意されていたところ、50名弱の参加となったと思われます。
参加者は中高年の方が多めな印象です。
まず懇親会とお茶菓子提供が今年は中止となること(残念!)、総会の模様はインターネットでライブ配信されることについて案内がありました。
議長は家次社長。
報告事項はナレーション付きの映像にて。
その中で「アルツハイマー型認知症への取り組み」の動画が改めて流されていたのが印象的でした。
グローバルで2030年に8,200万人、2050年には1億5,200万人が認知症にかかると予測されている中、当社としてもこの分野には大きな使命感を持って取り組んでいることがわかります。
その後、「対処すべき課題」について、家次社長からほぼ招集通知記載の内容通りの説明がありました。
ちょっと謎だったのは、「質問は一括してお受けします」「定足数を満たしております」等の発言後の、よくわからないタイミングで前列の株主から拍手があったことです(笑)
決議事項は以下の通りです。
- 剰余金処分の件
- 定款一部変更の件
- 取締役(監査等委員であるものを除く。)9名選任の件
- 監査等委員である取締役3名選任の件
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
回答は基本的には家次社長が対応する形でした。
【(事前)質問1】
人材の多様化に向けて、魅力ある企業グループとなるために心掛けていることは?
⇒
売上高の80%以上が日本以外で、191ヶ国で事業展開をしている。
各国で市場に精通した現地社員、各地域別の執行役員が4名おり、迅速かつ的確にニーズに対応している。
Sysmec Wayに共感して入社する人材は数多く、4割が中途でグローバル採用を進めている。
女性マネジメント比率は16%だが、さらに引き上げるために環境整備を進めている。
女性取締役、執行役員は各1名。
性別問わず登用していく方針。
イノベーションを進めていくために、多様で魅力ある組織作りに努めて参りたい。
【(事前)質問2】
招集通知P.36にある、医療アクセス改善に関して。
何らかのセルフチェックができるようなシステム開発をぜひ進めて欲しい。
⇒
新興国への浸透と同時に、ご要望の点も重要と考える。
検査値の分布においては、その人ごとに時間軸を持って取得していっていった方がより敏感に傾向が現われる。
研究を進め、自分だけで健康チェックができるような開発も行っていきたい。
ここから会場の質問です。
1人1回のみとさせていただきたい旨の要望がありました。
【質問3】
日本から外国に進出する際、現地の文化や法制度に根差したものを提供しないといけないと思うが、情報の収集や調査においてどのような工夫をしているのか?
⇒
現地のお客様に対しては、社員・サポートスタッフが訪問している。
主に医療機関となるので医療情報が取れるが、ニーズにどう応えていくかが重要。
現地から寄せられたものを元に開発を進めている。
各地に研究開発の拠点があり、現地の大学・機関とコラボしたり政府の要望を取り入れながら活動をしている。
社員が直接的に行くことができるので、お客様のニーズを確認し製品に反映させることができる。
新たなものをどう作り提供できるかが大事であり、努力して参りたい。
【質問4】
株式分割について。
前回が2014年であり、かれこれ8年経っている。
毎年考えていきたいというお話はあるが、今後についての考え方を改めて伺いたい。
高値からは半値になっているとはいえ、株を追加で買おうとしても未だ単価が高い。
⇒
インサイダー取引規制に抵触するので、予定についてお話することはできない。
考え方としては、単価引き下げは流動性を高めるためには重要な位置付け。
発行済み株式数は現在2億株だが、今後どうするかについては常に意識しており検討もしている。
特に個人の株主を増やす要素となる。
情報を集めながら方向性を決定していきたいが、株式分割をやらないともやるとも言うことはできない。
【質問5】
外部環境として原材料価格が上昇する状況にある中、原価率低減を図る旨の記述がある。
具体的にどのようなことを行っているのか。
(私からの質問です)
⇒
(小野上席執行役員)
グループとして増産効果をいかに得られるかに注力している。
工場稼働の安定化、操業度の改善、ロボット化・デジタル化による生産性の向上に取り組むというのが基本的な考え。
仕入先から値上げの要請も来ているのは事実だが、海外との長期契約を結ぶなど、安定的な調達に努め、原材料価格変動の影響を少なくするようにしている。
安定供給が何より大事。
安定的なコストで供給できるよう努めていく所存。
→ 「さすが!」と思えるような創意工夫がないかを探る質問でしたが、不発に終わりました(苦笑)
この後議案決議があり、取締役と新任執行役員の紹介があった後、閉会となりました(10:43)。
所感
家次社長は淀みなく話されるので、メモを取るのが大変でした(苦笑)
今回思ったのは、「素晴らしい企業」と「面白い株主総会」は両立する場合もありますが、必ずしもそうなるとは限らないということですね。
当社の場合、事業そのものはなかなか隙がないためか質疑も無難そのもので、面白さという点では相対的には物足りなさを感じました。
直近で参加した総会が良すぎたので、誠に勝手ながら、自分の中で求めるものが贅沢になっているのだとは思います。
評価はメリハリを付けるために(星3つ寄りの)★★☆☆☆とします。
(もちろん投資先としての安心感や、企業そのものの評価とは別です)
(おまけ)
お土産は神戸発祥の老舗ベーカリー、フロインドリーブさんの焼き菓子。
ミミパイと手作りのクッキーの詰合せ。
旅行土産にちょうど良かったです。
↑ ポチっとお願いします。
コメント