鈴木博毅『「超」入門 失敗の本質』を読む。

読書

副題は「日本軍と現代日本に共通する23の組織」。

ベースとなっている名著『失敗の本質』は、大東亜戦争の最大の敗因として日本的組織の持つ構造的・精神的な特性に焦点を当てているのですが、こちらでは今日の日本企業の凋落・衰退と当時の日本軍を照らし合わせつつ、日本人が陥りやすい思考・行動特性を改めて整理しています。

特に苦手だと思われるのが、イノベーションの創出ですね。
アップルの革新的な製品・サービス群がいい例なのですが、次の3つのステップをいいようにやられてしまっているのが日本企業の負けパターンともなっています。

「既存の指標」の発見
敵の指標の「無効化」
「新指標」で戦う
⇒ プラットフォーム化することで、(かつての指標であった)技術競争・価格競争から一線を引く。


また、組織運営としては以下の弱点が指摘されています。

上層部が「自分たちの理解していない現場」を蔑視している
上層部が「現場の優秀な人間の意見」を参照しない

現場の自主性・独立性が尊重されない、現場の体験・情報が中央にフィードバックされないというのは、現代の大手企業でもよく聞く話ですね。


どのようなビジネスモデルを持つ企業が、「ルール変更」は苦手でも「練磨」には類まれなる能力を発揮する日本人の特性に合っているか、またどういう組織文化を持つ企業が投資対象として相応しいかを考える上で、大変参考になりました。

この本自体、11年前の本なのですが、今読んでも状況が大して変わっていない点に根深いものを感じます。
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