個人投資家の特権の一つは、誰にも気を遣うことなく、好き勝手にポートフォリオを組めることです。
しかし、どうしても個人の好みや得意分野がありますので、業種に偏りが出てきてしまいますよね。
そして気が付けば、「情報通信や小売ばかりになってしまった…」という事態にもなりがちです。
(「ろくすけカブス」も、まだ相当偏りがありますね…)
その一方で、業種別ETF(TOPIX-17シリーズETF)を見ても、さまざまな市場環境に応じて値動きが変わってくるという、厳然たる事実があります。
(「鉄鋼・非鉄」「エネルギー資源」「銀行」は、個人的に個別株で投資したくない分野なのですが、値動きは自分の好きな分野とは異質な動きをしています。)
あまり個々の企業に強い思い入れがなく、セクターローテーション戦略を採り入れている方なら、状況に応じてその都度投資先を入れ替えていくこともできるでしょう。
しかし、私みたいな基本バイ&ホールドのタイプは、業種に偏りがあると、市場環境によっては厳冬の時代が長く続くことになりかねません。
また年齢とともにパソコン画面を見る時間は減らしていきたいですし、自分に万一のことがあった場合にしばらく動かさなくても済むような形にしたいという思いもあります。
そんなこともあって、ポートフォリオ全体としての値動きは徐々に抑制する方向に持っていきたいと考えており(20年くらいかけて?)、その検討材料として業種別ETFが一つのヒントになるのではないかと思い至りました。
(続く)
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コメント
初めまして。
いつも企業の分析や旅行について楽しく読ませていただいてます。
様々な本や投資ブログを読んできたなかで、ろくすけ様の企業や投資への考え方に一番共感しております。
少額ですがろくすけ様の著書などを参考に理論株価を考えながら株式投資を楽しんでいます。
私は現在、就職活動を行う時期にあります。そのようなときに業種別の投資分析についての記事を読み、ろくすけ様は就職においてはどのような考え方をされるのかが気になりましたのでコメントさせていただきました。
就職は人的資本の投資とも言えると思います。私は継続的に高い付加価値を生む企業の中で、従業員にも成長に応じて還元している企業に就職したいと考えております。一方で、企業が成長しても労働収入は複利では増えず、それならば成長はなくとも安定した大企業で年収の高いところに勤めたほうがよいのではとも考えます。
現在のろくすけ様ならば金融資産のない学生の立場に戻ったとき、どのように就職先を考えるでしょうか。
また、今回の記事の中で『「鉄鋼・非鉄」「エネルギー資源」「銀行」は、個人的に個別株で投資したくない分野』とのことでしたが、こちらは他企業との差別化が難しく、高い価値の創造が難しいという理解でよろしいのでしょうか。また、こちらも就職においても同様の考えになりますでしょうか。
もしよろしければ教えていただけますと幸いです。
学生の頃の自分と比較して格段に高い意識を持っていらっしゃって、大変感銘を受けました。
今は人生二毛作、三毛作の時代でありますが、いわゆる「新卒きっぷ」を有効に使うという意味で、最初は大企業がベターと考えます。
収入安定の他、教育体制の充実、福利厚生(私の場合、社宅暮らしが蓄財に大いに役立ちました)といった面も、金融資産及び人的資本への投資に有利に働くでしょう。
また、大企業ならではの意思決定プロセスを体感しておくのも、根回しや人を動かすプレゼン力の重要性を学ぶ意味で、以後の人生に役立ちます。
おそらく、とある理学修士学生さんならどこに勤められてもご活躍をされることでしょうが、私が学生の頃に戻るとしても、自分が関わる仕事が世の中に与えるインパクトを想像しつつ、やはり大企業を第一に考えると思います。
個別株で投資したくない分野に関しては、ご指摘いただいている通りです。
外部環境頼みではなく、高い付加価値を自ら創り出せる企業に就職先としても魅力を感じます。
お返事いただきありがとうございます。
大変貴重なお考えを聞かせていただき勉強になります。
ろくすけ様は株式投資においては基本的に小型株が中心でしたのではっきり「大企業」を推奨されるのは意外でしたが、それゆえに説得力のあるご意見でご相談してよかったと感じました。
改めて考えてみて、就職の場合には基本的にフルベットの集中投資になる以上、安定性や流動性(転職)を考えると、やはり大企業がベターになることは仕方ないように感じました。日本のシステムの場合は特にそうですね。
教育体制や世の中に与えるインパクトというのも重要な要素だと思いました。
まずは(できるだけ価値を生み出す力のある)大企業へ就職し、実力や資産を身に着けるという自分の方向性が固まりました。
改めてご回答いただきありがとうございました。