高松 智史『ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術』を読む。

読書

フェルミ推定とは、この本によれば「未知の数字を、常識・知識を基に、ロジックで、計算すること」

コンサルタントの採用プロセスでよく聞くような、日本に電柱は何本あるか?的なアレですね。

「答えの無いゲーム」を戦うのに必要なスキルです。


なぜこの本に興味を持ったかと言えば、個別株の長期投資において使えると思ったからなんです。

「投資先の事業領域の市場規模はどのくらいか?」
「成長余地は大きいのか小さいのか?」

こういったことを考える時、特にニッチで市場規模のデータを拾えない分野(例えば、オートバイのアフターパーツ市場とか)では、フェルミ推定は大いに役立ちそうですよね。

企業価値をはじく際も、今後の成長率をどの程度に見積もったらいいかを考える上で、市場の大きさは重要ですし。


この本では「フェルミ推定=因数分解+値+話し方」という形で、3つの因数=構成要素に分解しています。

  • 因数分解=「構造」「因数」「ドライバー」「KPI」
  • 値=「中身」「数字」「桁」「単位」
  • 話し方=「伝える」「議論する」

この3つについて、実例を多数使いながら、「答えの無いゲーム」の解法を、まさに「技術」としてフランクに講義形式で解説してくれています。

フェルミ推定には、現実が投影され、ビジネスモデルが反映され、社会の変化も反映されることになります。

ビジネス全般に使えそうな汎用的な思考法・スキルであると同時に、これを自分の中に定着させられたら、世の中の構造をクリアに切り取ることができ、人生がもっと楽しくなるだろうと感じました。


よくよく考えてみれば、企業の経営者なり経営企画部署なりが、戦略の立案や計画の策定をする上で、普通に実践しているはずのことなんですよね。

企業との対話力をアップさせるためにも、頑張ってこの分野の勉強も進めていこうと思います。

これを趣味レベルに楽しめたら、人生のよい暇つぶしにもなるかも。
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