著者は熱心なバフェット及びグレアム信者である、インドのムンバイ生まれの投資家で、先日紹介したガイ・スピアと共同で例のランチ権を取得した人物でもあります。
2009年に刊行された本の新装版です。
初版では表紙に「インド式テクニック」「秘伝」といった言葉が躍り、怪しさ満載だったのですが、いやはや、これは素晴らしく真っ当なバリュー投資本でした!
ダンドー(Dhandho)はグジャラート語で、直訳は「富を創造する努力と挑戦」とのことですが、著者は「リスクをほとんどとらずに富を創造する努力と挑戦」と解釈しています。
この本で何度も出てくるのが、「コインの表なら勝ち、裏でも負けは小さい!」という言葉。
ウォール街に愛されている「低リスク、低い不確実性」ではなく、「低リスク、高い不確実性」(この素敵なコンビ!)に関心を持つということですね。
投資の世界ではリスクとボラティリティとを混同しがちですが、ここでは違います。
初期投資がかぎりなくゼロに近いなど、リスクが極めて低く、資金を失う可能性が限定的ではあるが、不確実性が高いために敬遠されている機会に着目し、大儲けを狙う考え方です。
全米のモーテル市場を座巻するインド系のパテルや、マイクロソフト、ヴァージン航空などが実例として示されています。
その上で、「厳選した少数に賭ける、大きく賭ける、たまに賭ける」。
実際、私がコロナ禍を経て集中投資に傾注していった際、なんとなく考えていたことが、ここではしっかりと整理されていて、自分にとっては新たなバイブルになりそうな本でした。
このタイミングで読めて良かったです。
バリュー投資の基礎を学んだ方の応用編(バフェットに関する分析も鋭いです)としてオススメです。



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