フィリップ・A・フィッシャー『投資哲学を作り上げる/保守的な投資家ほどよく眠る』を読む。

読書

バフェットに成長株投資というブレークスルーをもたらした、フィッシャーの4冊目と3冊目が順番を逆にした上で、まとめて収録されています。

氏は生涯で4冊の本を執筆しましたが、うち2冊をまとめたこの本は、いわばその投資哲学の集大成といった印象です。


1冊目の『株式投資で普通でない利益を得る』は広く読まれておりますが、こちらに収録されている『投資哲学を作り上げる』の方は、自らの投資家人生を振り返りながら、その投資哲学が実践を通じていかに構築されていったのか、成功談・失敗談を交えながら丁寧に書かれています。

「成長株投資」「長期保有」はまさしく私自身がやり遂げたいと思っているところでもあり、大変学びとなる箇所が多かったです。

特に参考になったのは、「市場の下落を予測できたら、持ち続けるのか売るのか?」(いったん売っておいて、後で買い戻す?)というテーマに関してです。

景気動向よりも「大衆心理や投資業界全体の判断の変化が最も重要なことであり、それはほぼ予想もつかないような変化を見せる」としつつ、それでも「ありふれた会社のなかから本当に突出した会社を区別することは、恐らく90%の確率で可能だと思う」と書かれた箇所は勇気付けられました。


『保守的な投資家ほどよく眠る』の方は、その「本当に突出した会社」に表れる、オペレーションの要素、人的要素、ビジネス面の要素について、具体的に表れる事象面を中心に説明しています。

自分の投資先と比較しながら読み進めると、その強みに関する新たな気付きが得られたりして、こちらも読みごたえがありました。

分からないことを予測するのは止め、自分にできる個々の企業の調査・分析に徹するのが大切だということですね。


成長株投資を志向したい方、とくに氏の得意としたメーカーにも投資したい方にとって、得るところの多いであろう2冊が1冊にまとまっています。

パンローリングの本としてはリーズナブルでもありオススメです。

代表作に隠れた良著です。
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