今月は、女性専用フィットネスクラブとして既に市民権を得ている、「カーブス」のフランチャイズ本部を中心としたグループ、カーブスホールディングスを採り上げてみたいと思います。
当社に関しては、多くの個人投資家にとっては「QUOカード銘柄」としての認知に留まっているのが現状ではないでしょうか。
発行済株式総数約939万株に対し株主数は約5万人ですから、株主1人あたりに引き直した保有株数は2単元に満たない(!)という状況もそれを裏付けているように思えます。
しかしながら、「配当成長株」として今後見直される余地があるのではないかというのが、現在の私の考えです。
①株主還元の実績、②成長期待、そして ③将来の還元余力の増大 という3つの観点で、以下にまとめてみたいと思います。
1.「継続的かつ安定した配当」
- 普通配当は5期連続増配をしており、コロナ禍の影響を強く受けた2021/8期においても減配せず。
(2020/8期は記念配当が2円あったが、2021/8期はこの剥落分を普通配当の増配にてカバー) - 「継続的かつ安定した配当を継続して実施していくことを基本方針」とし、「連結配当性向50%を目標とする方針」としている。
- 2026/8期の配当予想は25円。記念配当5円込みではあるものの、これを含めても予想配当性向としては49.0%に留まり、過去の還元実績とストック性の高いビジネスモデル、そして後述の成長期待から、2027/8期以降も減配は考えにくい状況。
- 1/14終値(770円)ベースの予想配当利回りは、3.25%。
2.「中期ビジョン2030年・2035年」による高い成長期待
- 当社は、超高齢社会における健康寿命延伸の機運の高まりを背景に、長期的な高い成長目標を掲げる。特に、団塊ジュニア世代が続々と50代以上に入り、メタボ・生活習慣病予備軍の増大に伴う新たな健康市場の拡大も見込まれることが追い風に。
- 定量目標: 2035/8期には、全業態合計で3,500店舗、会員数150万人、営業利益200億円(2025/8期実績の約3倍)というターゲットを設定。
- 成長ドライバー: 主力である「女性向けカーブス」の着実な出店・物販増による成長に加え、「メンズ・カーブス」の店舗数・会員数増の加速、新業態「ピント・アップ」のローンチ・多店舗化による利益増大を見込む。
⇒ 主力以外のブランド展開の準備が整い、今後出店を加速していく。安定成長期に入った「女性向けカーブス」のイメージがあまりに強く、ここが見落とされている可能性あり。 - 財務基準: 今後5か年においては、営業利益、EBITDA、およびフリー・キャッシュ・フロー(FCF)の年平均成長率(CAGR)10%以上を目指す。
⇒ 当社の保守的に予想数値を出す傾向からして、同等以上のスピードでの「配当成長」も期待できる。
3.借入金完済後の還元余力の増大
- 借入金の現状: 2018年3月のカーブス世界本部(CVI)買収に伴い、184億円のシンジケートローンを調達(期間10年)。営業CFを原資とした順調な返済を続けており、2025/8期末時点の借入残高は53.7億円にまで減少。
- 完済の見通し: 現在の営業CFと返済ペースからすれば、2028/8期中に借入金は完済の見込み。
- 還元への波及効果: 店舗展開はフランチャイズ加盟企業主体に行われるため、自社による大規模な設備投資負担が少なく、キャッシュを創出しやすい構造。借入金完済により、それまで返済に充てられていた多額のキャッシュが、将来に向けた成長投資やさらなる配当の増額・自己株式の取得といった株主還元に振り向けられる余地が出てくる。
⇒ なお、2025/8期の財務CFにおいて、「長期借入金の返済による支出」は32.9億円、「配当金の支払額」は16.0億円。
所感
当社は2020.3.2に上場、コロナ禍の真っ只中での船出となり、公開価格は750円(初値670円)でした。
そこから6年近く経過しておりますが、業績はコロナ前の数字を2024/8期の時点で既に上回っており、かつ物販と新しい業態が育つなど事業基盤はさらに強くなっているにもかかわらず、株価はほぼ横ばいに近い状態で推移しています(→PERは切り下がってきています)。
安定感のあるビジネスモデルとコンスタントに「年+10%以上」を期待できる成長戦略、現時点で3%を超える予想配当利回り、そして今後の還元余力の拡大も踏まえると、「配当成長株」の資格は十分、「QUOカード銘柄」だけの位置付けに留めておくのは、ちょっともったいないなと感じているところです。
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