今月は、4月に「ろくすけカブス」のスタメンに昇格したばかりの、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)のポジショニングについて取り上げてみたいと思います。
当社は「日本全国の企業の自衛力を向上すること」をミッションとする(素晴らしい!)、セキュリティ業界全域で事業を展開する「サイバーセキュリティ教育カンパニー」です。
具体的には、サイバーセキュリティ対策(セキュリティ教育、脆弱性診断、セキュリティ製品導入、緊急時対応等)をワンストップで支援する「サイバーセキュリティ事業」、IT企業・SIerの人材向けにセキュリティ教育を提供する「セキュリティ教育事業」、セキュリティ人材SES(システム開発の現場にエンジニアを提供することによって対価を得る契約形態)の「セキュリティ人材事業」を展開しています。
ターゲット市場
当社のユニークな点の一つは、「サイバーセキュリティ事業」のメインのターゲット市場を「準大手・中堅・中小企業」に絞り込んでいることです(今回はここに焦点を当てます)。
これらの企業は、以下の状況からサイバーセキュリティ対策が急務となっております。
【頻発するセキュリティ事故】
・業務におけるITへの依存度が高まり、企業のIT資産がクラウド上に点在するようになった一方、海外からのサイバー攻撃も増加の一途をたどる
【社会的な圧力の高まり】
・国や各省庁から要請される多数のセキュリティガイドライン
・発注側やグループ会社からのセキュリティ対策への要請の強まり
(特に大手のサプライチェーンに組み込まれているケース)
【加速するDX化】
・DX推進はセキュリティ対策とセットで行う必要あり
既に大企業においてはセキュリティ対策は常識となっております。
しかしながら、準大手以下の企業においてはセキュリティ対策を行うだけの人材も予算(リソース)も不足している中、従業員の意識向上も含めて対応が待ったなしでありながら、まともな相談相手すらいないという状況にありました。
そこに狙いを定めたのが当社で、対象市場の企業規模に最適化して「過剰」を排除した、「ちょうどいいサービス」を「ちょうどいい価格」によりワンストップで提供してきました。
その営みには大きな社会的意義が認められます。
業界他社との棲み分け
サイバーセキュリティ関連の提供プレイヤーは、上場企業あるいはシンクタンクや総合商社の子会社等でそれなりの数が存在します。
ただそれらの顧客は大企業であり、準大手以下に幅広いソリューションを提供しているのは業界では当社のみです。

出典:2025年3月期決算説明資料
というのも、他社は「セキュリティ脅威の完全排除」のニーズがあり「フルカスタムコンサルティングサービス」を求める大企業向けに最適化した組織体制となっているからです。
カスタム対応が必要な難易度の高いサービスを提供するためには、専門性を有する人材を取り揃え、高報酬で報いなければなりません。
一方、準大手以下向けでは「ライトコンサルティングサービス」(=「ちょうどいいサービス」)が求められ、信頼性の高いパッケージを比較的安価(「ちょうどいい価格」)で効率的に(一定程度は「コピペ」的に)提供することが最適解となります。
仕事の進め方と報酬体系が全く違うため、大企業をメインにしている他社が顧客ターゲットを変更する(=ハイエンド市場からローエンド市場に降りてくる)ことは困難です。
なお、当社によれば「中堅・中小向けのセキュリティ市場は2兆円超のブルーオーシャン」だそうです。
成長市場であり新規参入が相次いでもおかしくはないのですが、実際にはサイバーセキュリティの黎明期(当社設立は2000年)から脆弱性診断サービスのノウハウを蓄積し、周辺領域を取り込みながら事業を拡大、ホワイトハッカーやエンジニア取り揃えてきた当社の牙城を崩すことは容易ではありません。
信頼性がモノを言う事業でもありますし。
以上から、参入障壁を構築できており、絶妙なポジショニングもできていると認識しております。
他業界からのヒント
当社の存在を知って間もなく、業界は全く別になりますが、フィットネス業界におけるカーブスとの類似性に気が付きました。
カーブスはご存知の通り、「(運動習慣の無かった中高年女性の)健康維持」にサービスを絞り込んでいます。
フルスペックのスポーツジムとは、その「軽さ」にフィットしたローコスト運営、及び(一店舗あたりの会員が少ないことによる)充実したコミュニケーションで明確に差別化できており、大手フィットネス企業から同質化を仕掛けられずにここまで成長してきています。
業界内では盲点であったローエンド市場というホワイトスペースに切り込んでいくスタイルは、よく似ていると思います。
アナロジーを想起できて理解が早まったことが、当社の株にまとまった資金を投じる大きな拠り所となりました。
業界内での存在感の高まりに期待
当社は現行の中期経営計画の中で年率+25%の売上成長をコミットしており、さらなる成長を確かなものにすべく、アライアンス戦略やファンド組成(→セキュリティ業界全体の規模拡大につなげていく)に取り組んでいます。
カーブスはフランチャイズ制度を活用しながら圧倒的なスピード感で全国展開を果たし、フィットネス業界における「新業態」を確立させることができました。
当社も唯一無二の「サイバーセキュリティ教育カンパニー」として、さらに存在感を高めていって欲しいと思います。



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