今月は、前月のソニーに続き大企業ということで日立製作所です。
私のポートフォリオは中小型株がかなりの割合を占めていたため、精神衛生上、安心して持ち続けられるような、日本を代表する企業ももう少し組み入れたいということで、昨年、白羽の矢が立ったのが当社です。
購入理由は、主に次の3点です。
(他に、事業の選別が進み、分かりやすくなったというのもあります)
- 社会インフラ中心に安定的に稼ぐ
- 「IT×OT(制御技術)×プロダクト」のユニークなビジネスモデル
- ビッグテックと協業が可能
以下で嚙み砕いて説明させていただきます。
社会インフラ中心に安定的に稼ぐ
当社は久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として発足、そこで稼働させる国産技術による5馬力モーターなどの製造に携わって以来、社会インフラを支える技術や製品の開発を通じて、社会が直面するさまざまな課題の解決に取り組んできた企業です。
送配電設備、鉄道、エレベーターなどのインフラ設備や、官公庁・自治体・電力・交通などの社会インフラ向けシステムで発展してきた歴史があり、「社会インフラ」という明確な軸があります。
インフラ=ストックに関しては維持管理(保守)が不可欠なため、長期安定的に稼げる構造があると判断しました。
また、金属、化成など、市況変動に左右されやすい事業の切り離しを進めてきたことで業績のダウンサイドリスクが限定的となり、(株価の変動があったとしても)「持っている安心感」が非常に強くなったことも判断を後押ししました。
「IT×OT(制御技術)×プロダクト」のユニークなビジネスモデル
当社はその歴史的背景から、以下の3つの独自の組み合わせによる強みを持つに至りました。
- IT
(社会インフラの)障害や停止が許されないシステムの開発力 - OT(制御技術)
発電所や鉄道運行システム等で培った、モノを制御・運用する高度なノウハウ - プロダクト
産業機器、昇降機、空調、鉄道車両、送配電設備等、幅広い製品群
また1に関しては、GlobalLogicの迅速な開発手法(そして企業文化)とAI・UI・エンジニアリングの経験値を得たことも、今後の成長を牽引する新たな強みとなっています。
ビッグテックと協業が可能
当社の社会インフラ事業は、インフラ事業とデジタル技術とを融合させている点がユニークです。
いわゆるビッグテックと呼ばれるITの有力企業とは異質な、「ものを自社でつくることができるIT企業」でもあるため、こうした企業群(NVIDIAとの取り組みが深化していますね)とも協業することができます。
「日本のものづくりの現場力」の一つのアンサーを体現する企業であり、何よりステークホルダーとなることに日本人としての誇りを感じられたことが、私にとっては購入の決め手となりました。
ビジネスモデルキャンバス分析
例によって、生成AIで作成された分析内容(ほぼそのまま)をご参考までに載せておきます。
ここでは特に、昨今のグローバル連携の意味合いに関し、重点的に尋ねてみました。
– 以下、分析内容-
1. キー・パートナー(Key Partners)— グローバル連携の深化
日立は近年、AI・データ領域でのグローバル展開を加速しています。
特筆すべきは以下の提携です。
- synvert(ドイツ)買収:AI・データコンサルティングに強みを持つ企業で、欧州・中東に強いプレゼンスを持つ。GlobalLogic傘下に加えることで、日立の「Agentic AI」「Physical AI」開発を加速。
- OpenAIとの戦略的提携:次世代AIインフラ構築とグローバルなデータセンター活用に向けたMoU(基本合意書)を締結。日立の送配電・空調技術とAIの融合による新たな価値創出が期待される。
これらは単なる技術連携ではなく、地域展開・顧客接点・データ基盤の拡張を含む戦略的パートナーシップです。
2. キー・アクティビティ(Key Activities)— ものづくりとデジタルの融合
- IT×OT×プロダクトの統合:鉄道・エネルギー・製造などの社会インフラ領域で、制御技術(OT)とITを融合したソリューションを展開。
- Lumadaプラットフォーム:データから価値を創出する中核技術。synvertとの連携で、MLOpsやデータガバナンスの高度化が進む。
3. キー・リソース(Key Resources)— グローバル製造・人材・知財
- 製造拠点の多様性:日本・アジア・欧州・米国に製造・開発拠点を持ち、地域ニーズに応じた製品供給が可能。
- GlobalLogicのデジタル人材:AI・UX・エンジニアリングに強みを持つ人材が、日立の製造力と融合。
4. バリュープロポジション(Value Propositions)
- 社会課題解決型ソリューション:電力・交通・医療などの現場課題に対し、AI・IoT・ロボティクスを活用した実装力。
- 安全・持続可能な社会の実現:HMAXやLumadaを通じて、環境・幸福・経済成長の調和を目指す。
5. 顧客セグメント(Customer Segments)
- 公共インフラ事業者(鉄道・電力)
- 製造業・金融・保険などの大企業
- グローバル市場(欧州・中東・アジア)
6. チャネル(Channels)
- 直販(B2B)
- パートナー企業経由(GlobalLogic、synvertなど)
- デジタルプラットフォーム(Lumada)
7. 顧客との関係(Customer Relationships)
- 長期的な協創型関係
- データを活用した継続的な価値提供
- AIによる業務自動化支援
8. コスト構造(Cost Structure)
- R&D投資(AI、IoT、ロボティクス)
- グローバル人材・拠点維持費
- パートナー企業との統合・運用コスト
9. 収益の流れ(Revenue Streams)
- 製品販売(鉄道車両、電力機器など)
- ソリューション提供(AI・データ分析)
- サブスクリプション型サービス(Lumada関連)
このように、日立は「ものづくりの現場力」と「デジタルの設計力」を融合させ、グローバルなパートナーシップを通じて競争優位を築いていると言えます。
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