今月の投資先メモ(25年2月)~【2303】ドーン「小さな魚なりの戦い方」

今月の投資先メモ

今月は、主力の一角を占めるドーンについて、その事業ドメインの設定のしかたに焦点をあてて取り上げてみたいと思います。


当社は「安心安全社会に貢献しよう」というスローガンを掲げ、GIS(地理情報システム)をはじめとする「空間情報技術」の専門性を活かし、人々の安心安全な生活を支える製品・サービスを提供する企業です。

現中計からは「エッセンシャル カンパニー -必要不可欠な会社へ- 」を志向しているように、主に地方自治体や警察・消防(以下、「公的部門)」を顧客とし、社会の安心安全分野に狙いを定めたニッチ戦略を採用しております。

「小さすぎる池」

ニッチ戦略を表現するのによく使われるフレーズとして、「小さな池の大きな魚」というものがあります。

HOYAや小林製薬といった名だたる企業、それこそ「大きな魚」が、無益な競争を回避するために対象市場を限定する際にこのフレーズを使っているのをよく目にします。


当社の場合も確かにニッチ戦略を選択してはいるのですが、会社の規模感としては「大きな魚」と言うのにはやや抵抗があります。

対象市場の大きさも含めて、さらにひと回り以上、小さいイメージがあるんですよね。


そこで、当社に関しては、そのありさまを

「小さすぎる池の小さな魚」

と、自分の中で言語化しております。


「小さすぎる池」というのは、あまりに規模が小さすぎて(大きくても数億円まで)、1社が入ったらいっぱいになってしまうような市場のことを表現しています。

実際、「Net119」では、競合の両備システムズから最終的に顧客を引き継ぎ、サービスとして集約されるようなことも起こっています。

「小さな魚」

「小さな魚」というのは、「小さすぎる池」にピッタリと収まるくらいの体の大きさと機動性を表現しています。

当社が「小さすぎる池」を選んでいるのは、時間・コストの面で効率性に対するプレッシャーがかかる「大きな魚」が入ってこれず、競争を回避できるからです。

「大きな魚」は、背負っている「レガシー」があるために、高い人件費・固定費をカバーできるだけのまとまった収益を短期間で上げなければならないという、「弱点」があります。

公的部門の各現場としては、「こんなサービスがあったらいいのに」と考えていたとしても、スケールの小さな案件では「大きな魚」に話を持ちかけたところで相手にしてもらえないのです。

一方、どんなに小さなものでも現場のニーズに愚直に向き合いながら機動的に対応してきた当社には、こなしきれないほどのアイデアが自然と集まるようになっていきました。

(実証実験を通して、そのアイデアをカタチにしていくわけですね。)


そして当社が他の「小さな魚」とも決定的に違うのは、「何があってもシステムを止めないという、長年の実績に基づく信頼性」です。

公的部門にクラウドサービスを開始してから20年ほど経ちますが、一度もダウンさせたことがありません。

こうした信頼性と、入札に向けての長年蓄積されたノウハウの存在が、他社に対する参入障壁となっています。

「小さな魚」も集まれば…

当社は、「小さな魚」にピッタリの「小さすぎる池」を次々と見出し、クラウドサービスとして事業化する、そしてその後は誰にも邪魔されずに悠々と泳ぐ、という勝ちパターンを構築しています。

公的部門のあちこちで「小さな魚」が活躍している様子は、私の頭の中では以下のようにイメージ化されています。

「小さな魚」が集まれば、「大きな魚」にも負けない働きができる!


そして魚たちは決してバラバラに動いているのではなく、「現場で安心安全に尽力し、命を守る方々の助けになる」という共通の想いによって統率が取れている ー


このような言語化・イメージ化を通じて、ミッションや行動規範に基づいた、その企業なりの「戦い方」を理解できるようになると、愛着がわき応援のしがいも出てくるというものです。

「エッジAI」という武器を手に入れました。魚の集まりは、ここからより大きくなっていきそうです。
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