タイトルは、『ザ・ゴール』で一躍有名となった、TOC(制約理論)の肝となる考え方です。
- システム全体のパフォーマンスは制約(ボトルネック)で決まる。
- ならば制約に集中すべきである。
- 集中とはやるべきことをやること、それと同時にやるべきでないことをやらないことである。
全体最適を実現するためのエリヤフ・ゴールドラット博士のこの教えは、投資にも通ずるものがあるのではないかと思っています。
投資の世界には、「やるかやらないかで言えば、どちらかと言えばやった方がいいこと」で溢れ返っています。
これが実は罠なのではないでしょうか。
マクロ経済の動向をフォローした方がいい、為替や原油を見ておいた方がいい、チャートや需給を見ておいた方がいい etc.
混乱しますし、はっきり言って求めだしたらきりが無いですよね…
部分部分にこだわって、自分にとって大切なものを見落としてしまっては、元も子もありません。
退職して時間ができるようになって、余計にそれを感じます。
パフォーマンスを出す上での肝となる部分に集中するためには、捨てるべきものは捨てるべきだと考えます。
私の場合、肝はやはり、日本の個別企業を深く分析することであると、自分では思っています。
そこに集中するために、(先ほど挙げたような)自分にとって不要な情報は取りに行かない。
深く分析する時間を確保するために、フォローする企業数を増やさない。
そんなことを意識しています。
NVICの奥野さんは昔の著書(『京都大学で学ぶ企業経営と株式投資』)で、日本企業を取り巻く環境を踏まえると、日本株への投資にあたっては二つの選択肢があるとしています。
①アプローチ1(中短期分散投資)
… すべての企業を対象に、株価が割安なタイミングで投資し、割高になったら売却する。
②アプローチ2(長期厳選投資)
… 日本の構造的問題を回避できている限られた企業のみに投資し、企業価値の増大を楽しむ。
(中短期厳選投資、長期分散投資をされる方も、中にはいらっしゃいます)
圧倒的に多数の市場参加者がアプローチ1をとっており、その競争は厳しいものがあります。
アプローチ2であればゼロサムゲームでない分、勝率は高いのではないかという提案をされています。
こちらのデメリットは、
- (悲しいかな)投資対象が限定的であるため、集中投資になる
- 株価が割高であることが多い(表面的には高PER・高PBRになりがち)
ですね。
このアプローチ2・長期厳選投資は、私が自分の肝となる部分に「集中」していくのに、非常に適合的だと感じております。
デメリットの部分についても、「価値」の見極めの精度を高めていくことで、対処していきたいと思います。
まだまだ試行錯誤を続けておりますが、やらないことをしっかり決めながら、充実したリタイアライフを送れるようにしたいですね。



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