個別株の投資家界隈を見ておりますと、雰囲気的に「急成長」や「変化」に重きを置いている方が多くて、「安定成長」は配当以外ではあまり強く意識されていないのではと感じております。
手っ取り早く儲かりそうなイメージがあるのは、どうしても前者になりますよね。
次の2つの企業があったとして、みなさんはどちらを選びますか?
- これから3年間、年率+30%の急成長が見込まれる。その先は不明。
- これから20年間、年率+3~5%の安定成長が見込まれる。
私の場合は、断然「2」ですね。
長期的に安定成長が見込まれる方を評価します。
なぜなら、株価への数字の織り込みはせいぜい数年先までに留まり、その先の確実性の高い未来が無視されがちだからです。
(これがいったんキラキラ系に認定されると、無限に織り込まれる感覚に陥るのですが…)
見込める「価値」の「価格」への反映が甘いため、時間はかかるとしても、その大きなギャップが取れるのではという期待があります。
あと見逃せないのが、「2」のパターンは巡航速度で業績を伸ばしており、成長するのに大してお金を使わずに済むケースが多いということです。
こういう企業の場合、営業CFに対して投資CF(のマイナス額)が少額で済むため、自然とお金が溜まりやすくなります。
そしてあまりにお金が溜まりすぎると、そのお金を使って新しいことにチャレンジしようという気運が企業の中で高まってきます。
ワークマンの新業態開発然り、ニトリの企業買収の検討然り。
このような安定成長企業においては、こうした取り組みによって結果的に事前の期待を大きく上回る変化が起こりやすいと思います。
私がよく狙うのはこういうパターンですね。
(もちろん、意味不明なM&Aにムダ金を投じるような企業でないか、事前に企業体質を確認しておく必要はあります)
麦わら帽子を冬の間に買っておく。
夏がいつ来るかは分からないけれど、来た時には猛暑が続く。
「安定成長」を享受しつつ、カタリストが明らかになる前に、それがいつか起こることを期待して準備はしておくということですね。
「変化」は追わない。
「変化」は自然と起こってしまうもの。
センスや持続的な努力という面で、残念ながら敏腕トレーダーになれる人間は一握りに過ぎないとするなら、自らを凡人とわきまえてこういうアプローチを採るのもアリなんじゃないですかね。
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