「輸出企業(製造業)の円高」と「輸入企業(小売業)の円安」。
どちらもそれぞれの経営にとって不利な状況と言えますが、その意味するところには大きな違いがあります。
輸出企業の競争相手は、海外企業(グローバル企業、現地企業)です。
この場合、円高=現地通貨建て価格の上昇は、海外現地における価格競争力の低下につながります。
値下げして自社の利益を削らないで済むかどうかは、価格上昇が許容される製品力があるかどうかが鍵となります。
一方、輸入企業の競争相手は、国内企業です。
円安になったとしても、仕入コスト高を被る点で条件は一緒。
円高時はどこも潤っていたとしても、苦しい円安時に企業としての力が試され、優劣がはっきり出ることになります。
・サプライチェーン全体でコストを吸収できるような、効率的なオペレーションが備わっているか。
・販売価格に一定程度転嫁できるほど、消費者からの支持を集めているか。
特に成熟した業界においては、これらで大きな差が出ることになります。
ユニクロ然り、ニトリ然り、厳しい環境下で撤退を余儀なくされる企業も相次ぐ中、市場内のシェアを奪って成長してきました。
お察しの通り、これは私の投資アイデアの一つとして、現在強く意識しているところでもあります。
結局のところ為替動向より大事なのは、その企業が属する市場の競争環境と競争優位性です。
為替の先行きに気をもむのではなく、「その企業に為替を打ち返せる力があるかどうか」のほうに焦点を充てておきたいです。
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