旅行記の途中ですが、遅くなり過ぎないうちに直近で参加したユニ・チャームの株主総会の記事を上げておきます。
今回が初参加となります。
売上高1兆円規模で誰もが知っている企業なのに、香川県観音寺市という意外な場所で開催されることと、新しい中期経営計画が発表されたタイミングであったことから、ぜひ足を運んでみたいと思っていました。
当然(?)、周辺の観光もしておりますが、その様子は後日改めてということで。

株主総会
2026年3月19日(木)午前10時
香川県観音寺市豊浜町和田浜1531番地7
当社テクニカルセンター 多目的ホール
お土産 無し
まず、公共交通機関を使っての会場までのアクセスが大変でした。
自分なりにはそこを工夫したつもりですので、後日旅行記の中で紹介したいと思います。


会場の外では、商品の展示がなされており、コーヒーをいただくこともできました。
それでは会場内へ。
席は200ほど用意され、参加者は50名ほど。
最前列は当社関係者もしくは金融関係に見え、純粋な個人株主はそれより少ないでしょう。
株主数としては12月末時点で115千名にも上るにもかかわらず、この参加者の少なさは寂しい気がします。
議長は高原社長。
オーナー社長にありがちな威圧感はなく、穏やかな印象を受けました。
事業報告・監査報告については、動画で概要を説明する形でした。
(ホームページにアップされています)
その後、株主の皆さまへ特にお伝えしたいことということで、高原社長よりコーポレート・ブランド・エッセンス「Love Your Possibilities」についてと、今般策定した第13次中期経営計画、特に「3つのR」(Renaissance、Rebirth、Resonance)についての簡単な言及がありました。
(10:17)
議案は「取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名選任の件」のみです。
(10:18)
質疑応答
(理解促進のため、構成・内容には若干手を加えています)
質問については「1回1問まで」。
回答は全て高原社長がされていました。
【質問1】
私は浜松から初めて参加したが、売上高約1兆円の企業が、取締役6名(うち3名は監査等委員)という少ない人数で運営されていることにびっくりしている。
執行役員も立派な方が多いと思われ、まずそのことが素晴らしいと感じる。
長年愛されてきた中で地元の貢献も色々とやられていると思うが、贈呈をしたとしても、それをやりっぱなしにする企業をよく目にする。
ユニ・チャームという社名を使ってやる以上は、それがどういう使われ方をしているのか、そういったところまで追っかけていくというような配慮をぜひしていただきたい。
今までにあった事例はどうだったのか、お聞かせいただきたい。
⇒
応援をいただき、また我々の現状に対して過分なご評価をいただきありがとうございます。
我々の地域社会への貢献を具体的にどういう形でやっていて、またそれを継続・維持するためにどんあことをやっているのかについてお答えしたいと思う。
まずユニ・チャーム自体、コアの事業自体が生活必需品として社会貢献をしている。
コロナ禍や東北の震災の時、非常に手際よく生理用品や紙おむつ等をご提供することができた。
また平時に継続してやっているのは、飼い主の方が飼えなくなった時のワンちゃん・猫ちゃんを色々な形で支援している組織があるが、そこに対してペットフードやペットのトイレタリーを定期的にご支援したり、ペットの飼育放棄や色々な事情で飼えなくなったペットやオーナーさん達へのご支援をしたりしている。
次にいわゆる「箱もの」に関して。
地元が愛媛県四国中央市で(ここ)香川県観音寺市の隣となるが、東京本社はあるものの、そのご縁で引き続き株主総会をやらせていただいている。
愛媛県の郷土の文化・歴史に対して色々な展示物、縄文時代の土器といったものを保管する施設(四国中央市歴史考古博物館 高原ミュージアム)があり、創業者の高原慶一郎が当時の川之江市と協力して始め、私たちが展示物の差し替えであったり老朽化した際のメンテナンスをさせていただいている。
また四国中央市には川之江城があるが、これは昔の資料を紐解きながらこういう建築物であっただろうということで建設をして寄付をしたもの。
そろそろ桜の季節になるが、市民の憩いの場となるように整備して30年以上になる。
お褒めの言葉をいただいたような会社の規模にはなっているが、自分たちが生を受けたふるさとということは非常に意識していて大事にしているつもり。
ただあまり支援をしているということを目立たせず、ユニ・チャーム寄贈という形は出さないようにしている。
これからも地元に対して、日本全体に対して、またアジアや中東において、自分たちの本業を通じて社会に貢献していきたい。
【質問2】
2030年度までの中期経営計画において、2025年度実績11.5%であるコア営業利益率の目標を、「チャレンジ」として17%と設定している。
ただ、アジアのコア営業利益率が2.9%まで落ち込み、中国メーカーが力を付けてきた現況からすると、かなりチャレンジングな目標に見える。
2020年度には連結でコア営業利益率は15.8%を付けていたが、アジアでの競争環境が不可逆的に変わってきている中では、なかなか17%という数字を想像することが難しい。
その数字を達成するために、国/商品カテゴリー/商品グレードといった切り口で見た場合、特にアジアでどうメリハリを付けて戦っていくのか、どこに力を入れてどこで防戦をしていくのか、全体感について教えて欲しい。
(私からの質問です)
⇒
我々の事業自体、人口が多いところを優先し、既存の市場よりもポテンシャルが大きい市場を重視し優先をしながら、事業ポートフォリオをシフトしていく。
具体的には、少子化が進行しているのであれば、お子様向けからシニアやペットへと移していく。
対象とするターゲットの数が成長していく方向に経営資源をシフトしていった方が勝ちやすいので、それにより売上及び収益を伸ばしていく。
「ポスト中国」ということを申し上げるのはちょっとまだ早いかとは思うが、それは明らかにインドになる。
人口動態を考えれば、インドは平均年齢が若い。
中国は高齢化が始まっているので、大人向けがチャンスとなる。
インドはお子様向け、我々の特徴のある商品で短期間でトップP&Gのシェアを奪ったインドの好調を持続させるためのさらなる認知への戦略が有効だと思う。
その次はアフリカ。
まず東アフリカのケニアで先鞭を付け、西アフリカはナイジェリア、そして南アフリカと、アフリカの東・西・南に拠点を置く。
その周辺で、特に女性にとって必要不可欠な生理用品を訴求すべく、しっかりとネットワークを張り、サプライチェーンの拠点を作り、地元の小売業者や中間の事業者と組み、アジアでやってきたようにできるだけ効率的に浸透を図っていく。
中国企業への対応・取り組みに関してだが、中国企業は非常に数が多く、若い企業が多い。
スピードとコスト競争力で勝負してきており、まるで高度成長期の日本企業のイメージ。
向上心が強くエネルギッシュで、成長意欲が非常に高い。
中国では既にペット用事業において、地場企業に40%程度出資してパートナーを組んでおり、トイレタリーの事業の方も敵対するというよりはむしろ彼らの強み・特徴を我々の中に取り込むような提携を進め一体管理をし、それをOEMなどで水平展開していく考え。
垂直統合をしブランドの地位を高めていくために、全て自前でやるということはこれからも大事にはするが、やはりスピードとコストをより重視して、それに長けている中国の地場企業とは、ペット用と同様、トイレタリーにおいても取り組みを速くすることによって、確かにコア営業利益率17%はチャレンジ目標ではあるものの、着実にそちらに向かって進めていくことはできると考えている。
それと、AIを使って業務を効率化、サプライチェーンを効率化させるということは既に進んでいるので、ユニ・チャームのAIの使い方というのは、むしろ他社の持っていない、あまり表に出てこないデータ、いわゆる不満だとか不快といったものを解決するための商品・サービスを作っていくことにある。
厳しい現実に関するデータをたくさん持っているというのが他社にない強みになるので、それをAIで分析して、それを商品やサービスに展開する。
そのプラットフォームを、今日(映像で)ご案内した「ソフィBe」というアプリケーションから作る。
それを通して商品やサービスを新しくつくり、それによって収益性の高い商品を増やし、チャレンジではあるが成長と収益を高めていくことに繋げたい。
的確なご質問をありがとうございます。
→ 中期経営計画も資料だけを見ていると、今後の取り組みの意図や背景が分かりづらかったのですが、こうして実際にお話をお伺いすることによって解像度は高まっていきますね。決算説明会の模様も含め、個人投資家も見られるような動画を流していただけるといいのにと感じました。
【質問3】(質問1と同じ方)
25年経営のトップをやられてきて、この時は大変だったなとか、やはり社員が基本だったなというような思いをされたことを、一つお話いただけるとありがたい。
⇒
一つと言われると選びにくいが、私が一番他の経営者と違うと思うのは、父親が創業者で2代目として年齢が39歳の時に禅譲された、世襲をしたということ。
世襲ということに関しては、25年前も株主から非常に厳しい目で見られて株価も下がった。
2001年当時の社長になる前、中堅のリーダーたちと将来のことを描いていたが、組織一丸となって取り組んでいっていい意味で創業者の体制から革新していこうということを、20名くらいのメンバーがすぐ実行できた。
株価が下がって親からも怒られ、取引先からも心配されて大変な思いはあったが、そこに対して短期間で取り返してこれたこと、21世紀からの中期計画を当時の社員、今取締役にもなっている方たちと一緒に取り組むことができたことが一番かなと思う。
大変だったことはたくさんあるが、ご回答としては絞らせていただいた。
以上で質疑応答は終了。
(10:45)
議案の採択、選任された取締役の簡単な紹介があり、閉会となりました。
(10:47)
所感
質問に対する高原社長からのご説明は丁寧で、ご回答そのものに対する不満は特にありませんでした。
質問のしかた次第では、有益なご回答をいただくことも可能なのではないかという印象です。
ただせっかくの機会なのに質問の数は少なかったのは残念です。
株価推移、コスト高が懸念される外部環境からして、もっと色々な質問があってもおかしくは無いと思うのですが。
また、地元の方の熱量を感じることもできませんでしたし、なぜここで開催を続けているのかという疑問を解消することはできませんでした。
現状、株主総会が個人株主にとって唯一の直接的な接点とも言えますが、実際にアクセスできる方は非常に限られると思いますので、多くの個人株主と直接的なコミュニケーションが取れる方法を考えていただきたいと思います。
総会の評価は★★☆☆☆とさせていただきます。
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